狩猟採集新時代

大手上場企業を不動産投資で脱サラした30代が綴るライフログ

起業はアイディアだけでやると自己満足で終わるワケ

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世の中にはサラリーマンのような雇用者

経営者・自営業者がいます。

 

サラリーマン(雇用者)は働き方の多数を占めており、

日本の就業人口のうち、80%以上がサラリーマンです。

自営業者は14%、経営者は4%程度しかいません。


※調査結果のソース⇓

日本における経営者・自営業者の割合とは? – ”経営を学ぶ”マネジメントクラブWEBメディア

 

 

しかし、他の記事でも述べているように、

今後は投資による資産形成活動や、

副業(自営業や起業)を盛んにしていかないと、

自分自身の生活も未来も守れなくなる時代がやってきます。

 

※参考記事↓

老後の貯金2000万を今から確実に作る方法 - 狩猟採集新時代

AIが人を超えるシンギュラリティはすぐ来るという事実 - 狩猟採集新時代

 


とはいえ、独立や起業は簡単ではありません

特に会社の立ち上げは、

1年間でおよそ半数が倒産するとも言われています。

 

そう考えると、サラリーマンという立場が

一見安定しているように感じますが、

将来大規模リストラのリスクが付きまといます。

 

今回は、今後重要な知識になってくるであろう

創業・起業に関するアウトプットです。

 

 

 

 

1.いくら料理が美味しくても潰れてしまう店

飲食店ならば想像しやすいと思いますが、

メチャクチャおいしい料理が作れる人でも、

商売で成功するとは限りません。

 

それを求めている胃袋がある場所に、

適切に提供しないと利益は上がり続けません。

 

 

人は「体験」を求めています。

常軌を逸するぐらい美味しい料理なら、

それ単体で十分な魅力で集客力も上がるでしょう。

 

しかし、残念ながら人の五感はそれほど絶対的ではなく

ストーリー性や雰囲気によって感じ方は大きく変わります。

 

 

登山の中、苦労してたどり着いた山小屋で出される味噌汁。

まったく同じものを町の定食屋で食べても何とも思わないのに、

「山小屋の味噌汁、感動するくらい美味しかった」

SNSに書き込むのが人間です。

 

 

なので、飲食店は美味しい料理を出すことはもちろん必要ですが、

居心地のよい環境づくり、その料理にまつわるストーリー、

そういったモノを打ち出している店は増えています。


運ばれてきた料理に対して、

「これは○○という場所で元気いっぱいに育った肉を、

 ××という方法で丁寧に熟成させ、

 それを有機栽培の△△と合わせて仕上げました・・・・」

とかなんとか講釈を垂れてもらったほうが、

特別感も出るし美味しそうだと感じるのが一般的です。

(私は、御託はいいから早く食わせろ、と思うヒネくれた人間ですが・・・)

 


ラーメン屋なんかは、究極の美味しさを求めたりしますが、

それはあくまでも提供する側のエゴです。

それが評価されている例もあるでしょう。

 

しかしお客さんは、本当は味には十分満足していて、

お店の清潔さや見た目の派手さを求めているかもしれません。

こんなミスマッチがある飲食店は、

遅かれ早かれ客足が遠のいてしまうのです。

 

 

 


2.社会(お客さん)とのミスマッチを防ぐ方法

飲食店を例にとりましたが、起業の現場では、

提供する側の自慰行為で終わっている例があります。

 

昭和の製造業の現場なんかでは、成功していました。

高度経済成長期の日本は、「モノが足りない」時代だったので、

良いアイディアの製品を世に出したら、

物珍しさとその有用性からバンバン売れていきました。

 

 

「いいこと思いついた!これはカネになる!」

モノづくり大国日本は、このアイディアを実現する過程で

技術を磨いてきました。

 

しかし今は「モノが売れない時代」です。

勿論、今でも思い付きのアイディアベースで

上手くいくパターンもあるでしょう。

ですが、それは博打と同じです。

 

素晴らしいと感じたアイディアも、よくよく冷静に思い返してみると

「これ、社会に必要かな?」と感じる点が多くあります。

楽観的に考えるのは良いことですが、

冷静に悲観的に計画すると、なかなか難しいことが分かります。

 

 

なので、必ず「クライアント・顧客目線」

で考えていかないといけない。

これはいろんな場所で口酸っぱく言われていることです。

 

私自身が、バリバリ機械系出身のモノづくり人間であり、

しかもバンド活動でオリジナルの音楽をやっていることから、

どうしても「俺は素晴らしいものを作っているのに評価されない」

という思考に陥りがちになってしまいます。

 

 

完全なプロダクト・アウト的発想ですよね。

ビジネスにおいては、お客さんの目線に立った

マーケット・イン的思考が必要なのは

言うまでもありません。

 

※関連する記事↓

"良いものは売れる"と意気込む職人気質だけでは餓死する世界 - 狩猟採集新時代

 

 

唯一プロダクト・アウトで許される領域は、

芸術だけだと私は思っています。

絵画・音楽・彫刻・陶芸・ダンス・書道・・・・

ただ、アウトプットしたプロダクトが評価されるには、

いわずもがな、才能が必要ですけど。

 

 

 

 

3.思考事例:満員電車の解決法

では、マーケット・イン的な思考はどのように身につけられるのか。

私自身も勉強中の身ではありますが、まとめてみました。

 

ビジネスは世の中の「不」を解決するもの

と言われています。

不安、不安定、不幸、不景気、非効率・・・

例えば、誰もが不をイメージする、

満員電車 を例にとってみましょう。


満員電車がすき!という人には、

生まれてこのかた出会ったことがないレベルです。

狭くて不快、人と接触して不潔、ストレスが溜まって不健康・・・・

それくらい、「不」の塊なのです。

 

 

では満員電車に代わる解決策を提示するのがビジネスだとすると、

どのように考えればよいのでしょうか?

満員電車の代わりに、送迎バスを用意して

それで職場まで連れて行ってくれるサービスはどうでしょう?

 

ただし、電車で30分のところが、バスだと1.5時間かかります

 

 

・・・・
おそらく、これでは誰も使わないと思います。

満員電車は、一番混雑する時間でありますが、

その時間に通勤することが時間的に一番効率的だと思って

しぶしぶ利用している人が多いと思います。

 

ですが、アピールの対象を絞ってビジネスにした例があります。

満員電車に乗る人の不満を列挙してみると、

・暑くて不快、もっと快適な空間がいい

・ほかの人と接触するのが生理的につらい

・スーツや服にしわが付いてしまう

・満員電車だとで何もできないのが辛い

・電車でゆっくり座って睡眠時間の足しにしたい

・朝ごはんを食べても、気持ち悪くなってしまう

 

いくらでも種類がありますよね。

これらを全て解決する必要は無いのです。

 

 

例えば「通勤時間に何もできなくて非生産的」

という不満を持っている人だけを、対象に

"非生産時間を生産時間に変える"

という切り口で、コーヒーメーカーのネスレ日本

タクシー会社のケイエム観光バスと提携し、

 "優雅に通勤" 

という名目のサービスを実施した例があります。

 

 

www.ssnp.co.jp

 

豪勢な座席を用意したバスに少人数だけで乗車し、

席にはリクライニングとテーブル・ネットワーク環境を完備。

さらに利用者にはおいしいコーヒーを提供し、朝食も付帯。

自社のコーヒーマシンのサブスクリプションサービスへの誘導や、

通勤サービスを法人契約させることによる大口需要を狙います。

 

このトライアルの結果については、

正直不明ですが、うまくいった場合は実際にブラッシュアップして、

サービス化されるでしょう。

今は新型コロナウィルスの感染対策として、

実現により追い風の状況かもしれません。

 

利用者からのフィードバックをもとに、

改善することが出来ます。

あくまでも「顧客視点」でアイディアを形にした例です。

 

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起業はアイディアが大事ですが、

アイディア先行で実行したとしても、

それを求める人をイメージしないと、

成功する確率は大きく下がってしまいます。

 

まずは世の中、市場をしっかり見ることが大切だと、

日々認識している次第です。

 


以上