本日7月7日は七夕七夕の節句です。
 節句とは季節が変わる節目に、無病息災や邪気を払うために行われた行事を指します。一年間に5つあり、いずれも奇数の月に奇数が重なる日です。
 これを五節句と言います。行事もそうですが、その日に昔から採られた食事も有名ですね。
 
 ・人日の節句(1月7日)・・・無病息災(七草)、七草がゆ
 ・上巳の節句(3月3日)・・・邪気払い(桃)、菱餅・ハマグリ椀
 ・端午の節句(5月5日)・・・厄除け(菖蒲、よもぎ)、柏餅・ちまき
 ・七夕の節句(7月7日)・・・大望祈願(笹)、そうめん
 ・重陽の節句(9月9日)・・・長寿繁栄(菊、栗)、栗ご飯・菊酒
 
 最近は中々無いですが、日本の四季を彩る節目を細やかにお祝いしてみるのも良いでしょう。私も、本日の夕食はそうめんを頂きました。
 
 さて、日本において昔から奇数は、深い役割を担っていました。
 和歌や俳句の五七の節は元より、拍子であったり縁起を担ぐものは縁起物は大体が奇数です。
 偶数と奇数の差はふたつに割れるかどうか。
 奇数主体の文化では、森羅万象すべての物事を割ることのできない不安定なもの、と同時にその不安定さの中に未知への可能性を見出すことができます。自分と相手、善と悪、表と裏、白と黒、一見全く分かれてしまうものも相対的流動的なものであり、本質的には繋がっており、ひとつの状態にすぎないと捉えてきました。
 
 そうした思想を組んだ日本語は、断定や、分離、対立へとは向かわない方向に構築、発展し、同時に解釈の余地をその不安定さの中に残したのでしょう。
 
 一方で、欧米では全く英語では、偶数を”even”、奇数を”odd”と言うそうです。言葉の持つ意味合いはevenが正統派、oddが半端というニュアンスがあり、偶数が優遇されていることが伺えます。
 そこから発展する思想は、自己と他者の存在の安定、明確な線引きであり、あいまいさを無くし、正確かつ安定を求める方向に言語が発展していったのでしょう。
 
 世に起こる事象を”偶然”と割り切るか、”奇跡”と捉えるか。
 その考え方の違いは、その人が属してきた文化と密接に繋がっています。
 
 


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