鎮座地:兵庫県豊岡市佐野
御祭神:大雷神
旧社格:名神大社(神名帳)→村社(明治)
御朱印:不明(本務は女代神社)
神社の通り、雷(いかづち)神社と読みます。
『延喜式』神名帳では但馬国気多郡の名神大社で、
御祭神の大雷神さまは⚡️雷⚡️を神格化した神さまです。
日本神話においては、黄泉の国に渡った伊邪那美命さまの全身に生じた火雷大神八柱の一柱で、
伊邪那美命さまの頭に生じています。
鎮座地自体が山の中で、鳥居を見つけるまでかなり苦労しました。
一応そばには上のように由緒書きも置いてくれてますが、
参拝者が多いわけでもない、普通の氏神系神社です。
鳥居をくぐると普通に里山を歩くハメになります。
もちろん予想してなかったので普通の靴では前の日雨だったのかぬかるんで沈むし滑るし…
途中車道になるんですが、おそらく氏子さんや神主さんはこちらのルートを使うんでしょうね。
長くくねってる道だったので慣れてない&普通車の私では無理でした。
15分くらい登ってやっと境内です。
「文化財を守りましょう」と立て札がありますね。
先ほどの由緒書きによると本殿が県の指定文化財に指定されてるみたいですね。
拝殿です。
入母屋造のスタンダードな形態です。
山の中なのでとにかく静かです。
暑いですがまだセミも鳴かず、ただ風で揺れる木の音だけがして良い雰囲気です。
『国司文書 但馬神社系譜伝』という書物によると、
文武天皇の御代に丹波・但馬両国で山火事が相次ぎ、
勅使より幣帛を奉ると雷の声(雷鳴?)がそれに応じ、
山火事が止まったとされています。
そしてその雷神を狭沼丘に祀り、雷の災いを避けるよう祈願したというのが始まりだそうです。
切妻造で、細部の手法が時代の特色を色濃く残しているとかなんとかですが、
残念ながら改修の仕切りで全く見えません。
また、相殿には素戔嗚尊さまと菅原道真公が祀られています。
素戔嗚尊さまは一般的に嵐の神さま、道真公は死後に天神さま(=雷神)になったことから、
相殿神を合わせて嵐を司る神さまの構成となってます。完璧な配備です。
まぁ天災はほんとに人間じゃどうしようもないところありますからね。
では次の神社です。
鎮座地:兵庫県豊岡市日高町十戸
御祭神:大戸比売命
旧社格:名神大社(神名帳)→村社(明治)
御朱印:不明(本務社)
同じく但馬国気多郡の名神大社で、戸神社(とのじんじゃ)と読みます。
道がAのように合流地点となった中洲のような場所に神域を持ち、
春なので青葉が鬱蒼と生え目にはとても優しい環境です。
こちらも本務社という情報がありますが、普段は無人です。
もう表参道なんてお構いなし!!
巨大な木々がニョキニョキと生えてます。
正直このサイズになるとここ最近整備してないとかそういう問題じゃなく、
確実にこの形態で今まであり続けたってことですよね。
本殿です。覆屋の中にあります。
神社名は見ての通り大"戸"比売命からしてるわけですが、
そもそも大戸比売命さまは奥津比売神さまの別名とされています。
奥津比売神さまは一般的に荒神さまとして祀られている神さまで、
全国の荒神さまは基本的に奥津比古神さま、奥津比売神さま、火之迦具土神さまの系統に分かれます。
なので、この神社は竈の神さまとして祀られているということになります。
竈門炭治郎?知らない子ですね。
末社には厳島神社、名草神社がありますが、
どっちがどっちかはわかりません。
竈の神さまということで火の扱いには十分に気をつけなければいけない神社です。
鎮守の森も巨大な木々が多いですし。
それでは次です。
鎮座地:兵庫県豊岡市日高町山宮
御祭神:句句廼馳命
旧社格:名神大社(神名帳)→村社(明治)
御朱印:不明(本務は戸神社)
同じく気多郡の名神大社で、『国司文書 但馬神社系譜伝』では御祭神が多遅麻国造の祖である、五十日帯彦命という方を祀っていたという書物もあります。
まさかの非公式下り宮!?
びっくりですね。"山"と冠していながら"谷"を彷彿させる表参道…
これはまた良いお宮に出逢えましたね…
ちなみにこの社叢は市の天然記念物となっているらしく、
至る所に苗木が人工的に育てられています。
社務所はありますが、残念ながら無人です。
まぁ山の麓のようなところにありますから、日頃から人の来るお宮ではないのでしょうね。
その証拠に…
天然の石で作った手水舎は見事に苔まみれ。
いや、むしろこの景観は狙って作られたもの…?
拝殿です。
年季を重ねていい感じになってますね。
本殿の前に外拝殿がそのまま接続している形態で、
これは先ほどの戸神社も共通しています。
あ、そういえば御祭神の説明がまだでした。
御祭神の句句廼馳命さまは神話では山の神・大山祇命さまと、
野の神・鹿屋野比売命さまとともに生まれた、
木の神・句句廼馳命として登場します。
つまりこの神社は🏔山⛰ではなく、
この天然記念物となっている🌲🌲木🌲🌲の神様であるということです。
同じく木の神さまで有名な伊太祁曽神社なんかで祀られる五十猛命さまは、
父君である素戔嗚尊さまから種を渡され日本中に撒くよう命じられたという功績から取られた違いがあります。
ちなみにこちら唯一の末社である稲荷神社です。
いつもたいへんおせわになっt(ry
鎮座地:兵庫県豊岡市小島
御祭神:大綿津見命
旧社格:名神大社(神名帳)→村社(明治)
御朱印:不明(本務は絹巻神社)
先ほどの3社と違ってこちらは但馬国城崎郡の名神大社として記載されています。
ですので、鎮座地はより海に近い、というかほぼ海辺のようなところにあります。
社名と御祭神が示すとおり、海を神格化した神社です。
本殿です。
この写真よくないですか?
いい感じに影入ってミステリアス…な気がする。
ちなみにこの海神社ですが、式内"論"社とされています。
もう一つの論社は目の前の川を挟んだ向かい側にある絹巻神社が挙げられます。
この絹巻神社の社伝によると、清明宮として創祀され、絹巻神社の境内に遷座し、式内海神社と名乗っていました。
後の世で国守によって別の神社であると認識されて現在地に遷座したそうです。
ですので、相殿となっていた時代に絹巻神社も海神社とされていたので論社に挙げられるということです。
そして表参道のすぐ左手にある富士塚のようなでっかい岩、
これが鰐岩と呼ばれる磐座だそうです。
しかし本殿の後ろなどにあるわけではないので、清明宮時代はこちら側に社殿があったのかもしれませんね。
唯一の末社として金刀比羅神社があります。
本宮である金刀比羅宮は海上安全のご利益で有名ですから、
やはりそのご利益に地元の漁師さんがあやかるために分祠したのでしょうね。
ちなみに絹巻神社ですが、ちょっと別のカテゴリとして記事を書く予定なのでまたいつか。
という感じでいかがだったでしょうか。
今回は但馬国名神大社10社のうち、
雷 竈 木 海 の自然の神様を4社紹介させていただきました。
他の6社は…別のカテゴリで紹介する予定立ててますのでまたお待ちいただければと。
それでは、今宿直中なのでそろそろ仕事に戻らなければならないので筆をおこうと思います。
みなさん、早くいろんなところに行けるようになるといいですね。
いや、マジではよしてむり。
ということで、お疲れ様でした。
ご愛読ありがとうございました。
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