元・在日朝鮮人のオレが、【手品】について語る | 朝鮮学校を卒業したオレが今思うこと

朝鮮学校を卒業したオレが今思うこと

朝鮮学校卒業 既婚
得意分野:ジムトレ、数学、妄想小説、婚活経験談(シモ含む)
座右の銘:来るものは拒むかもしんないけど去る者は追わず

元・在日朝鮮人のシン・ソンチョルです

小学校から高校まで朝鮮学校に通いました

 

 

 

 

今から15年くらい前

テレビでマジック(手品)番組をやっていた

 

 

観客が好きなカードを1枚言う

マジシャンはすぐさまカードを半分に分け

裏表バラバラにシャッフルする

テーブルの上でカードを広げると・・・

 

観客のカードだけが表向きになって現れる

 

単純なマジックだったが

インパクトがあった

たまたまその番組を録画していたので

何度も動画を見返した

https://www.youtube.com/watch?v=8ARlG7HUoak

 

 

しかし

何度見てもタネが分からない

普通のカードのようだが・・

 

毎日毎日

何度もテープを巻き戻しながら研究した

 

10日目

ついにマジックのタネらしきものが判明

カードに仕掛はなく

テクニックのようだ

 

 

数年後にそのテクニックの名を知ることになる

ザローシャッフル

非常に難しかった

この技だけでDVDが1本作れるくらいだ

 

カードが擦り切れるまで練習した

テレビで見たようにはうまくはなかったが

3か月かかって、それっぽくできるようになった

 

実際に弟にみせていると

超ビックリしてた

 

 

テレビに出演していたマジシャンは前田知洋さん

演じていたマジックはトライアンフ

数十年前からある古典マジックだ

カードに仕掛けはなく、全てスライハンド(素手)

現代ではバリエーションがいくつもある

 

 

 

それからオレはマジックにのめり込んでいった

特にスライハンドのカードマジック

動画サイトでマジック動画を見まくり

海外のマジックDVDも100本くらい買った

そのうちの1本がザローシャッフルのDVDだ

 

 

 

そんなある日

大ニュースが飛びこんできた

マジック界の重鎮、【マイケル・アマー氏】が来日し、

レクチャーを行うというのである

しかもオレの近所で

 

 

 

あのマイケルが来日するとは・・・

彼のDVDはすべて持っている

【イージー・トゥ・マスター・カード・ミラクルズ 】を何度も見た

本当に来るんだろうか

 

 

マジックに詳しくない方のために説明しておくと

マイケル・アマー氏とはマジック界の超大御所である

 

コンテストで何度も賞を獲得してるテクニシャン

技術、知名度共に申し分ない世界的なマジシャンである

マジック界のマイケル・ジャクソンみたいな人だ

 

 


オレはさっそくチケットを申し込むことにした

チケットは抽選販売で30枚

 

 

たった30枚・・

当たる可能性はかなり低い

ダメもとで申し込んだ

 

 

それから2週間後

当選メールが来た

 

 

 

オレはうれしさのあまり絶叫した

マイケル氏が得意とするアンビシャスカードをひたすら練習した

https://www.youtube.com/watch?v=uYw1pMjFM8M

レクチャーの前日は寝れないくらい興奮した

 

 

 

 

レクチャー会場はとても小さな公民館の会議室だった

マイケル氏が演じる場所としてはあまりにも寂しい

 

しかし

マジック界では重鎮であっても、一般人からの知名度は低い

ましてやマジック業界というのは

世間的にはニッチ業界である

 

しかたがない

 

 

 

そんなことを思いながら会議室に入った

でも会議室の中には

全国から駆け付けたマジックファンがあふれてた

マジックというと中高年のイメージだったが

若い人が多かった

 

全員目をキラキラさせ

今や遅しとマイケルの登場を待っていた

 

 

 

レクチャーの定刻時間

扉が開きついにアマー登場

 

 

 

「welcome!!   Michael!!!!」

 

 

俺たちは絶叫でマイケルを迎えた

隣の大学生はすでに泣いている

 

 

マイケルはみんなの顔を見渡し

笑みを浮かべながら感謝の言葉を述べていた

大興奮状態の会議室

その中でマイケルだけ落ち着いていた

こういう盛り上がりは慣れているのだろう

大物のオーラがビッシビシ伝わってくる

 

 

 

観客が落ち着いたころ

マイケルのレクチャーが静かに始まった

 

 

 

イントロダクションはワインボトルの出現

クロースアップカードマジック

インビジブルスレッドを使った浮遊系マジック

さらにマイケル氏の代名詞とも言える

カップアンドボール

 

流れるような美しいルーティン

オレたちは釘付けになった

 

会場の集まったファンたちは

オレも含め「マジックマニア」ばかりだ

だからマイケルの演じるマジックのタネは

全員理解した上でレクチャーを受けてる

 

しかしマイケルのマジックはタネの存在を一切感じさせない

まるで映画を見てるような感覚

プロ中のプロだった

 

オレたちアマチュア同士がマジックをやると

テクニックの披露だったり

鮮やかさを追い求める傾向があり

なんとなく「優劣」を競うような感覚が生まれる

 

 

マイケルの演技にはそれがない

 

 

「ほら、どうだい、

不思議だね、楽しいね、ステキだね」

 

オレたちに優しく語り掛けるように

一緒に楽しむ

心が安らぐ演技だった

これが世界のマジックなんだ

 

 

 

レクチャーが終わった

マイケルは深々と日本式のお辞儀をする

俺たちは再び歓喜の嵐

マイケルに最大の賛辞を贈った

 

オレは手がぶっ壊れるくらい拍手をおくり

指笛を吹きまくった

隣の大学生は鼻水を出しながら泣いてた

 

 

その後オレは

マイケルと一緒に写真を撮ってもらった

超フレンドリーなマイケル

歯並びがとてもキレイ

客商売なので、しっかりメンテナンスをしてるようだった

 

 

オレは新品のガードからハートAを抜き出しサインをしてもらった

マイケルとガッチリと握手

とてもゴッツイ手のひらだった

このデカイ手であれほど繊細なマジックを演じるとは

ただもんじゃない

 

 

 

その後オレは

鼻水出しながら泣いてた隣の大学生と仲良くなり

帰り道に近くの白木屋へ飲みに行った

彼は大学のマジック研究会のメンバーだった

 

白木屋のテーブルで向かい合わせで座り

レパートリーを見せてもらった

とてもうまかった

 

「アマー熱いっす!すごいっす!」

彼はそんなことを言いながらマジックをしてた

 

 

お返しにオレも少しだけ演じて見せた

初めてテレビで見た前田知洋さんのトライアンフ

それとマイケルのアンビシャスカード

どちらもオレなりに少しだけ改良を加えた演目だ

 

「その改案いいっすねー!」

大学生は喜んでくれた

 

 

 

お互いマジックの見せ合いをやってると

店のお客さんたちが集まってきた

いつの間にか白木屋の店内は

オレたちの即興マジックライブ会場になった

 

オレはだいぶ酔っぱらってたんで

ほとんど大学生のコが一人でやってた

とても楽しかった

 

 

 

 

あれから10年以上が過ぎた

オレは結婚してマジックから遠ざかり

しばらくカードに触ってない

書庫には膨大なマジックDVDとマジック本

大量のカードだけが残ってる

 

 

マジックは常に練習してないと

あっという間に手順を忘れてしまう

トライアンフとアンビシャスカードのルーティンもだいぶ忘れてしまった

指も昔みたいには動かないだろう

 

 

先日ムスメ(生後10か月)がオレの書斎に入ってきて

マジックカードや本を荒らしまくってた

オレの至宝である「カードマジック全集(第1刷)」をビリビリに

ヘコんだ

 

それを片付けながらマジックが懐かしくなり

今日このブログを書くことにしたんだ

 

 

 

 

一人でマジックを練習したり手順を考えてる時間は

数学の問題を解く感覚と似てる

とても楽しい

心が落ち着く

一人だけの世界に入り込む

 

 

 

マイケルアマーさんは元気にしてるんかな

 

 

またマジック始めてみようか

 

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