シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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発砲事件にも影響(ティア2)

シリコンバレーの中心都市としてあげられるサンノゼ市は、全米の中でも有数の治安の良い街としてあげられるが、そんなサンノゼ市でも発砲事件は起こる。それも、ロックダウン以降、場所によっては治安の悪化が顕著で、今週の火曜日もダウンタウンで、走る車から発砲する事件が発生し2人が死亡、4人が負傷して病院で手当を受けた。まだ犯人はつかまっていない。

この事件の発生現場近辺の住人によると、同日の午後にも走る車から発砲する事件があったという。住人インタビューでは、最近周辺の治安が悪化して、発砲事件が増え、このような環境で子供を育てられないと嘆いていた。

なぜ、その周辺の治安が急激に悪化したのかというと、実は理由がある。

当該エリアは、サンノゼ州立大学周辺なのだ。例年であれば、大学生が返ってきて新学期を迎え賑やかな時期なのだが、サンノゼ州立大学も例にもれず、オンラインスクールで講義を行うことになっている。そのため、通常なら戻ってくるはずの多くの学生が街に戻ってこなかった。

大学周辺のアパートや古い家は、例年であれば、大学生がシェアハウスなどをしながら安く借りて生活している。普通に大学が開いているときにこのエリア’に行く機会があれば、たくさんの若い学生たちが、家の前のポーチに座って、本を読んでいたり、ビールを飲んでいたり、集っていたりしているのを見かけることができる。学生の多くは貧乏だし、住居にはお金をかけようと思わないので、大抵の家は古びてボロボロだ。それに文句を言わない代わりに、安く借りることができる。古いボロ家と学生というのは、世界各国共通する文化なのかもしれない。

話を元に戻すと、今年はオンラインクラスのために多くの学生たちが、現時点では街に戻ってきていない。その結果、これらの大学周辺の家は、ダウンタウンにも関わらず空き家が増え、学生以外の誰かが安い家賃で住むようになったりしている。学生が甘んじて住むようなボロ屋に住み着く新しい住人というのは、予想できるようにあまり好ましい人たちではないことが多い。そんなこんなで、大学周辺の治安が悪化したと、以前から暮らして続けている一般住人が嘆いてた。

こういう形で、ウィルスとロックダウンが、街の治安に影響するとは思いつかなかったので意外だった。どこにどんな形で影響がでているのかわからないものだ。

治安とは直接関係がないけれど、パンデミックが人々のメンタルヘルスに及ぼす影響も大きく、8月のCDCのアンケート結果によると、ロックダウン以降、40%の大人が不安や鬱などのような、なんらかのメンタルヘルスの問題を経験したと答えている。

若者の間では、この問題は更に顕著で、半分以上の若者がパンデミック以降、不眠や不安を訴えている。統計的に若者はウィルスによって症状がでる確率が低い。にもかかわらず、なぜ若者のほうがより年をとっている大人よりも、メンタルに打撃を受けているのか。それは、経験の少ない若者は、真っ先に仕事を失う可能性が高いからだ。若者は生活基盤を持っていないことも多く、先の見えない生活を余儀なくされている。

コンピュータ業界で働いていると、パンデミックの影響は現時点ではあまりない。在宅ワークになったくらいだ。そのうえ家に閉じこもっているために、いろんな意味で変化が少なく、思わず錯覚してしまいそうになるが、実際には、確実に街も人もパンデミックの影響をがつりとうけている。

  
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