シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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超低温で分配するにはどうする?(ティア2)

日曜日に一日中仕事をしていた。

カリフォルニア州政府は、膨大な失業保険の申請を処理しきれず、明日から受付を2週間一時停止することになったそうだ。そんな状況下の中、仕事があることに文句を言ってはいけないので、文句は言わないことにする。が、ちょっと辛い。

そんなこんなでニュースもあまり読んでいないが、ワクチンを巡って興味深い記事を見つけたので少し記載しておく。

現在、ニュースはワクチンがいつ承認されるのか、または、いつ広範囲に接種可能になるのか話題の中心だが、どうやって届けられるのかに関してはそれほど話題になっていない。しかし、実はこれは相当難しい課題で、どのように接種可能になるかに深く結びついている。

というのも、米国で承認される可能性が高い3つのワクチンのうち、2つは超低温のまま分配されなくてはならないからだ。ラボでケースに詰め込まれてから、注射器で接種される直前まで、1つのワクチンは摂氏マイナス80度で保存されなくてはならず、もう1つのワクチンは摂氏マイナス20度で保存されなくてはならない。最後の1つだけは、冷たくしておけば凍らせなくてもいいという保存条件になっている。

承認されたワクチンに超低温が必要である場合、その保管、輸送条件は相当厳しい。

Fedexは現在、各主要都市に、摂氏マイナス80度を保てる超低温フリーザを導入中だ。同時にフリーズしなくてもよいタイプのワクチンのためには冷蔵トレーラーを用意している。

そのような施設に保存する間はよいとして、そこから接種施設に分配するために運び出されるときには大量のドライアイスが必要となる。ちなみに、ワクチン開発現場にドライアイスを供給している会社は、会社設立以来の膨大なドライアイス需要のため、ドライアイス不足に悩まされている状況だ。ワクチンの輸送というビッグマーケットを狙っている Fedex と UPS は、自社でドライアイスを用意できるようにドライアイスマシンを導入した施設を用意しているところだ。

また、それだけセンシティブな取り扱いが必要となれば、輸送するスタッフにも取り扱いのための教育が必要になる。とにかく課題は山積み状態だ。

それらの輸送時の課題を克服したとしても、最終的な接種場所で接種直前まで超低温で保存されていなくてはいけないという難関がまだ残る。そのことを考えると、通常のインフルエンザワクチンのように、身近な病院や薬局や公民館のような施設でワクチンの接種を行うのは無理ではないかと考えられている。各地に接種専用の施設を用意して、そこでしか接種はできないという形態になる可能性が高い。これもワクチン分配が遅れる一つの要因になるだろう。

これだけでも、いかに今回のワクチンを広範囲に分配し、たくさんの人に接種させるのは困難な道程であり、そうとうな時間がかかることが想像できる。でも、だからといって失望する必要はないのかもしれない。視点をかえてみれば、その長い期間に、ワクチンの信頼性があがり、国民の75%が摂取する気になれば、最終的には集団免疫が達成されることになる

仮に10月に承認されて、来年の春までに全員が摂取できる環境が整ったとしても、今のワクチンの信頼性では過半数の人間に摂取させることができるかどうかも怪しい。長い時間をかけて少しづつ摂取する人が増えていったほうが、むしろ最終的には多くの人が摂取する結果になるのではないのかなとも思う。

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