シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

サンフランシスコの功績(ティア2)

シリコンバレーのお隣には、美しい霧の都サンフランシスコがある。北カリフォルニア最大の都市であるサンフランシスコの市民は、今、自分たちの街を誇りに思っていることだろう。死者が20万人というとんでもない数字を超えてしまった米国において、サンフランシスコは米国大都市の中で最も低い死亡率を保っている。

これがまたちょっと低いというレベルではない。例えば、人口10万人あたりの死者数は、ロサンゼルスが57人、シアトルが32人と記録されている中、サンフランシスコは9.7人とされている。また、感染者に対する死者の割合が、ロサンゼルスが2.42%、シアトルが3.68%に対して、サンフランシスコはなんと0.87%という桁違いの低さだ。これらの値はもちろん、そのほかの米国の有名都市、ニューヨーク、ボストン、デンバー、アトランタなどと比べても、歴然として低いのである。

なにがサンフランシスコをパンデミックにおける優等生にしているのか。専門家は次の理由を上げている。

まず、注目なのは、サンフランシスコでは感染者のケアがずば抜けて良い条件で行われていることだ。サンフランシスコでは、1人患者には1人看護師がつき、個人単位のケアが行われている。これは非常に珍しいことで、例えば、ニューヨークでは1人看護師が最大6人の患者を担当することになっている。これだけでも、サンフランシスコの患者へのケアがどれだけ手厚いかがわかる。しかし、この体制を続けるためには入院者が少なくてはなくてはならない。それでは、なぜ入院患者が少ないのかを考えてみよう。

専門家の間で理由としてあげられているのは、サンフランシスコはほかの米国の大都市に比べて、もともと健康的なコミュニティであるということだ。今や誰もが知っているように、このウィルスは基本疾患を持つ人に対しては非常に獰猛だが、多くの健康な人にとってはただの風邪のような症状であったり、無症状であったりする。サンフランシスコは、健康志向なカリフォルニア州の中でも特に健康的な都市である。カリフォルニアのもう一つの大都市である広大なロサンゼルスエリアに比べて、人々は移動を車だけに頼らず、公共交通機関、徒歩、自転車などを利用する。そんな生活習慣もあり、サンフランシスコは、ほかの米国の大都市に比べると、糖尿病や喫煙のようなCovidの大好物を患っている市民が比較的少ないのである。これにより、入院する必要のある患者が少なくなり、患者に対するケアが手厚くなり、入院した患者が重症化して死に至る可能性も少なくなっているのだ。

最後に、これはサンフランシスコにとっては幸運だったのだが、ニューヨークのような米国で先頭をきって感染爆発を起こしてしまった大都市に遅れて感染が広がりだしたことも大きな要因だといわれている。この遅れが、ニューヨークやその他の都市のデータや経験を研究・検討して、感染拡大防止に対する準備を十分に整える時間を、サンフランシスコに与えてくれたのだ。

これらの理由により、サンフランシスコは奇跡的に感染拡大をほぼスルーして、今でも北カリフォルニアのベイエリアをリードして、規制緩和を進めている。これだけ感染状況が低いのにもかかわらず、慎重に慎重を重ねて、少しづつ規制を緩和していく方法は、その他のベイエリアの街のロールモデルとなりつつある。

サンフランシスコの医療関係者、保健局、そして、ブリード市長陣営に心からの敬意を評したい。

ほかにもいろいろ。カリフォルニア州人気ブログはこちらから! 

  
ほかにもいろいろ。ブログ村SF・ベイエリア情報はこちらから!

  にほんブログ村 海外生活ブログ サンフランシスコ・ベイエリア情報へ

PVアクセスランキング にほんブログ村