九州 旅行記 青春18きっぷ 一人旅 女子旅 鉄道旅
前回(築100年のレトロ木造駅舎、嘉例川駅)からの続きです。
「フェリーと鉄道で巡る九州」と題して
2019年末から2020年の年始にかけて行った
名古屋駅発着の九州旅行での出来事について綴っています
今回は特急はやとの風の2番目の停車駅、
JR肥薩線 大隅横川(おおすみよこがわ)駅について
ご紹介します
特急はやとの風についてはこちら
1番目の停車駅 嘉例川駅についてはこちら
嘉例川(かれいがわ)駅を出発して18分後、
次の停車駅、大隅横川駅に到着します
駅舎は1903年に開業された嘉例川駅と共に
鹿児島県内最古の木造駅舎とされ、
レトロな雰囲気の中にも
どこか温かみの感じられる佇まいです。
屋根が二段あって一見すると
二階建てにも見えますが、木造平屋建です。
屋根の瓦や壁の漆喰からも
築100年という時の流れを
垣間見ることができます。
大隅横川駅は
100年以上前の姿をそのまま残し、
明治期の建築様式を伝える
重要な建造物として
無人駅のため駅員さんはいませんが、
状態がとてもきれいに保たれており
出札口も開業当時のまま
その姿を残しています。
この出札口を通って旅行に行った人、
買い物に出掛けた人、誰かを迎えた人、
就職先の土地へと出発した人、
戦地に赴いた人、
いろいろな人が様々な思いを持って
この出札口を往来してきたことでしょう。
レトロな雰囲気で
どこか懐かしくも感じられる駅舎ですが
辛い過去を物語る駅舎でもあります。
第二次世界大戦中の1945年、
駅舎が空襲を受けて被災し
機銃掃射の弾が
ホームの屋根・柱を貫通した跡が
今でも生々しく残されています。
終戦から70余年が経った今では
のどかな風景が広がりますが、
当時は機関車整備工場が建設されており
これを標的とした銃撃だったと言われているそう。
あまりにもこの場所がのどかで穏やかすぎて
当時のことは全く想像できませんが、
過去の辛い歴史を物語ってくれている
という面でも
この駅舎を後世に残していくことは
地域の方々にとって
(鉄道ファンにとっても)
重要なのかもしれないですね。
そんな駅舎では、平和を願うイベントが
毎年開催されているそう。
大隅横川駅の駅舎が被災したのは
1945年7月30日。
平和を願い、
駅の歴史を語り継いでいくために
毎年同じ日付になると
「大隅横川駅平和コンサート」
が開催されるとのこと。
駅舎が鉄道の駅としての役割だけでなく、
地域の方々が集う場所となり
同じ歴史を繰り返さないために平和を祈るって、とても素敵なことですよね!
次回は終点の吉松駅ではやとの風を下車し、
人吉駅を目指して
いさぶろう・しんぺいに乗車していきます