神原禮二氏に聞く

ポストコロナの世界

 

都市封鎖の影響で大気汚染が改善 写真:ロイター/アフロ

 

市民の立場から環境や民主主義に発言と行動を続けてきた神原禮二さんに、コロナ禍の後の社会のあり方をお聞きしました。FBからのやり取りです。

 

海野隆

「コロナ禍の後に残るものは、手触り感のない、バーチャルリアリティのような社会と危惧していました。どのような社会を構想し実現するかというのは、哲学者なのか、政治家なのか、官僚なのか、リーダーの質が問われますね。今度の都知事選挙も、それを占うものになるかも知れませんね。」

 

神原禮二

「大きな社会問題を考える時は、あらゆる部門の専門家。特に社会科学、心理学などなど。この国はいつも狭い範囲の専門家の意見だけをきく。例えば取手市議会のオンライン議会にしても早稲田のその方面の専門家の意見だけでお墨付きを得たように突っ走ってしまう。そして何より主権者である私たちが拙くとも意見を持つことだと思う。」

 

海野隆

「社会全体のシステム、特に教育システムが変わる必要があるような気がします。日本人は、議論を通じてより良い結論を見出すことが苦手です。規制や規律が過剰です。20年くらいかかりそうですね・・・」

 

神原禮二

「ETV特集で「7人の小さき探求者~」を見ました。気仙沼の小学6年生のP4C=philosophy for childrenなる授業で、子供たちがテーマを持ち寄り議論を重ねます。公立の小学校ですから能力もバラバラのはずですが、自分の意見を語り、人の意見を聞き、議論を深めてゆきます。1年後には「これが子供か」と思うほど思慮深く哲学的な子供がそこにいました。様々に実験がされているようですが、是非、基本カリキュラムに入れて欲しいと思いました。」

 

海野隆

「最近、大学生の議論、立論、討議などを拝見し、小学校の授業の様子なども見聞きして、未来はそう暗くないなと感じました。若い世代の社会への関心も決して低くないのに、政治の現場の暗澹たる有様は、どうもつながらないです。政治参加のシステム、代表制のあり方を再考すべきことは間違いないですね。そうは言っても、地域から神原構想を具体化する一歩を始めたいですね・・・」

 

神原禮二

「私も若い世代に期待しています。国の在り方を変えるには手続きに通じているだけの専門家より、素人あるいは専門外の人の意見の方が有効ですね。地方の発想は同様に大切ですね。」