思えばいつから涙を流していなかっただろう、ちょっと記憶をたどってみました。
おおよそ20年前に親父を亡くした時は、泣いたよなぁ。。。そういえば、親父も肝臓癌だったなぁ。
幼い頃から人前で涙を見せるなと躾けられていたせいか、その後はどうも涙を流した記憶がない私。
久々に今日は泣かされちゃいました。
緊急事態宣言も解除され家族はお出かけ、私は愛犬と留守番♪
昨年来の癌のおかげで、家にいることも増えてきた私にすっかり懐いている愛犬は私に散歩のおねだり。
天気が崩れるという天気予報を信じ雨の降る前にちょいと散歩に出かけることにしたのでした。
ところが、散歩グッズは普段リビングに置いてあるのですが、なぜか首輪が見当たらなかったのです。
首輪を探すために家を捜索する私は、探しているうちに特に意識せずにかみさんの部屋に足を踏み入れたのでした。
そこで、私が見たものは数冊の本。これまで私の癌のことは特に何も言わず、普段通りに振る舞い家事を淡々とこなしていた彼女。
こんな本を自分の部屋で読んでたんですねぇ。
肝臓癌から無事退院し家に戻ってからは、食事のメニューが変わったというか、これまで口にしたことのない料理が並び始めたのは感じていましたが、特に何気なく口にしていました。
しかし、そのメニューは彼女なりに私の病のことを考え日々考えトライしていた料理たちだったんですねぇ。
いくつかの本は、本来であれば私自身が目を通さないといけないような内容のものあったのですが、彼女は私に見せたり紹介したりすることはありません。
それは私の性格をよく知っているからでしょう、基本的に私は日進月歩している医療や食べ物関係の書物は蔑視しています。
最新情報が欲しければ、医者に聞いたりインターネットで調べるほうが、よっぽど新しい情報が入手できると今でも考えている一人なのです。
私に比べるとスマホは操るものの、インターネットなどはショッピングくらいしか使わない彼女。
しかし、書店で購入したのか、インターネットで調達したのかはわかりませんが、数冊の肝臓に関わる本を読み込んでいる様子。
これだけでも彼女に感謝するには十分なお話なのですが、私は彼女のさらに見回しても“ある本”を見つかることはできませんでした。
どこかに仕舞い込み目には留まらないところにあるのかもしれません。が、そうであったとしても仕舞い込んでいたとしても頻繁には目は通していないでしょう。
私が探していた本は、彼女が患っている「癌」の本。そうなんです、彼女も同じく癌治療中の状態なのです。
本来であれば自分のことで手いっぱいのはずなのに、私の健康のことまで気遣ってくれているのです。
彼女が患っているのは女性特有の「乳癌」。部位が部位だけに男の私には相談しにくいでしょうし、おそらく一人で治療に専念しているんだと思います。
そんな彼女に私は何もしてやれませんし、きっと期待もされていないんだと思います。
現代では癌は2人に1人がかかる病気だとよく言われていますが、ということは25%の割合で夫婦両方が癌患者であるということになりますよねぇ。
そんな境遇に置かれている夫婦って、どういう具合にそれぞれの癌に向き合っているんでしょうか。
今日は、いろいろ考えさせられる1日でした。。。でもご心配なく、犬の散歩は済ませておきましたんで。