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日常と世相の記

菅内閣の目玉人事

 菅内閣人事の目玉は、「検察庁法改正案」の国会審議中にワニ動画を見ていた「デジタル担当相」でも、自分の個人サイトに「縦割り110番」を設置して得意になっている「行革担当相」でもない。本当の“目玉”は法務大臣国家公安委員長だ。

 「日刊ゲンダイ」9月18日付記事より引用する。

【菅義偉】菅内閣“ご祝儀報道”の裏で着々…真の肝入りは法務と警察|日刊ゲンダイDIGITAL

<前略>

 菅内閣の法相には上川陽子衆院議員(67)、警察庁を管理する国家公安委員長には小此木八郎衆院議員(55)がいずれも再入閣で就任した。
 上川氏は、第2次安倍政権下の2014年10月~15年10月と17年8月~18年10月に次ぐ、3度目の法相。小此木氏は17年8月~18年10月に次ぐ2度目の国家公安委員長だ。経験者2人をあえて起用した意味について、菅首相周辺の関係者はこう話す。

■「法務と警察を押さえなければダメなんだ」

「上川氏と小此木氏は17~18年にかけての同じタイミングで法相と国家公安委員長でした。17年は解散総選挙があり、閣僚は選挙後もそのまま再任だったのですが、ちょうどその頃、官房長官だった菅氏が『法務と警察を押さえなければダメなんだ』と言っていたのが印象に残っています。あの時の2人が、その重要ポストを再び担当する。菅氏の強い思いがあってのことでしょう」
 17年当時、菅首相はインバウンド拡大に注力していた。訪日外国人のビザ発給要件緩和に難色を示していた法務や警察を大臣を通じて締め上げたようだ。

■上川氏の法相復帰は検察には嫌な人事

 無派閥の小此木氏は、菅首相が秘書をしていた小此木彦三郎元通産相の三男で、菅首相とは近しい仲。上川氏は岸田派だが、永田町では「事実上、菅派」と言われてもいる。
「上川氏は2度目の法相時、省内から上がってきた事務次官人事を拒否したことがある。当時の林真琴刑事局長の次官昇格を拒み、賭け麻雀で辞職したあの黒川弘務氏が、異例の次官続投となった。菅氏の意向があったのではないか。上川氏に出世を阻まれた林氏でしたが、今年、黒川氏の失脚で検察トップの検事総長に就いた。今回の上川氏の法相復帰は、検察にとって嫌な人事でしょう」(霞が関関係者)
 菅首相は官邸官僚でも、杉田和博官房副長官と北村滋国家安全保障局長という警察庁出身者を再任した。息のかかった大臣と“官邸ポリス”で二重に固めれば、菅首相は法務も警察も完全に支配下に置ける。検察や警察の持つさまざまな情報を握ることもできる。安倍時代以上に、政権にとって不都合なことは隠蔽されかねない。

 デジタル化だ、縦割り打破だ、と“ご祝儀報道”に気を取られているうちに、恐ろしい事態が進行中だ。





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