兼業主婦マツノの日毎夜毎

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280日後に会いたかったあなたへ18

 

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※死産に関する記事です※

※今回死産した赤ちゃんの描写もありますので

ご理解のある方のみご覧ください※※

 

 

 

 

前回の280日後に会いたかったあなたへ17はこちらからどうぞ⇩

 

 

 

www.matsunomatsuno.com

 

 

 

 

 

それ以前の死産に関する記事は

右上にあるサイドバーの死産カテゴリーから全てご覧いただけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは続きます。⇩⇩

⇩⇩

(サイズが揃っていなくてすみません)

 

        

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トイレで「何か」が触れてからたった45分

 

 

私がトイレで触れたものは卵膜に包まれた我が子でした。

 

あっという間に分娩台に上がります。

もう、いきむってこと?

破水してたった2時間ほどのことだった。

あまりにも急な展開に

頭はパニック。

どうしようどうしよう、と息が乱れそうになるも

 

「もう、いきまずね、ふぅ〜〜〜って深呼吸してね〜」

 

と助産師さんが優しく声をかけてくれました。

 

「いきまずに出てきてくれるの?」

 

最後ぐらい、お母さんが苦しい思いするよ?

こんな時まで、1人でがんばらなくていいんだよ。

今までずっと、お腹の中で1人で頑張ってきたじゃない。

 

最後まで親孝行な息子でした。

 

 

ああ、もう本当にこの子と別れるんだ。

そう思った時、私はこの子が

お腹に宿った時のことを思い出しました。

 

 

 

 

このまま、お腹にいて欲しいと思う涙

 

 

12月、妊娠が判明し、みんなで喜んだ。

年越し、お正月はつわりで散々。

でも来年のお正月は家族4人だね、と

言いながら笑顔で過ごした。

 

フルタイムの手術室看護師だったため

よく貧血を起こし倒れたり、

吐き気止めを点滴しながら仕事をした。

 

「少し小さいけど、元気ですね。」

 

順調な検診。

お腹に感じたかわいい胎動に、

元気に産まれてきますようにと祈った安産祈願。

 

後2ヶ月で産休だ!

ゴールも見えてきたなあ、長かった…

そんな風にまで思っていた

妊娠7ヶ月、私は地獄を見た。

 

それはたった12日間の出来事。

 

心臓に大きな障害があると言われ

世界が灰色に見えた胎児スクリーニング。

受け止めきれないまま藁にもすがる思いで

受診した大阪の胎児診断クリニック。

間違いなどひとつもなく

厳しすぎる現実に夫婦で泣き明かした2日間。

 

残されている時間が少ないと分かっても

「それでも産まれてきて欲しい」と決めたバースプラン。

 

やっと前を向いたのに、

「赤ちゃんしんどくなってきているね」と

命の終わりをすぐ側に感じ、絶望し

 

ここで全てを賭けようと転院した大学病院で

二度と動かない真っ黒なエコーを見た。

 

 

とも君、とも君。

お母さん、この7ヶ月あなたが

お腹にいてくれて幸せだった。

辛いこともいっぱいあったけど

確かに幸せだったんだよ。

 

「もうすぐ生まれるからね」

「まつのさん…?大丈夫?」

 

そう主治医に言われ、

自分が過去を思い返しながら泣いていることに気づいた。

 

ああ、いやだ。

この子と過ごす未来がないこの先に行きたくない。

 

「まだ、お腹の中にいて欲しい…」

 

絞り出すようにつぶやきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静寂、そして。

 

 

 

 

 

激痛が走ります。

「肩が挟まってしまっているね。

ちょっとだけ力を入れてみようか。

深呼吸続けて〜…」と助産師さんから促され

 

少しいきみながらふぅ〜…と深呼吸。

痛い、まだいかないで欲しい。でも産んであげなくちゃ。

いろんな思いが交錯しました。

 

スッと痛みがおさまった時。

とも君が出る感覚がしました。

 

「おめでとう、産まれたよ!」

 

 

眩しいくらいの青空がうつるお産室の窓。

部屋中に広がるのは赤ちゃんの泣き声ではなく

 

静寂。

 

 

 

30cm、605gの小さな赤ちゃん。

私のかわいいかわいい我が子。

産声のない出産でした。

 

 

 

 

 

 

 

かわいいと思う親心

 

 

 

バースプラン通り

ヤサさんがへその緒を切りました。

 

私は産み終えたことにぼーっと放心状態でしたが

ふとへその緒を切ろうとするヤサさんの顔を見ると

 

「かわいいなああぁ〜…

    お父さんやで〜うわあ〜小さいなあ…

 おめめ開いてるんか、そっかぁ…」

 

本当に嬉しそうな優しい父親の顔でした。

 

へその緒と卵膜の処置を見えるところでしてもらい

 

「お母さんにだっこしてもらおうね」

 

と分娩台の上でシーツに包まれたとも君を抱っこしました。

 

まだ、羊水の分で少し温かい小さな小さな体。

何も欠損はなく、お鼻に少し卵膜をつけて

綺麗な体で産まれてきてくれた。

 

むくみ始めていたので皮膚が赤っぽくなっていたけど

こんなに小さくてもわかる、ヤサさん似の高い鼻

私に似た目、小さな口。

坊ちゃんにそっくりなぽちゃっとした太もも。

 

手を見ると18トリソミー特有の

オーバーラッピングフィンガーでした。

 

なんてかわいいんだろう。

 

この小さな体で、いっぱいいっぱい頑張ったんだね。

 

かわいい、うわあ〜可愛いなあ…

 

我が子への愛しさが溢れ

でも、涙も止まらず

色んな感情が溢れて止まりませんでした。

 

 

 

私は産声のない出産を、

 

我が子の誕生日であり命日である

1日を終えたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

280日後に会いたかったあなたへ19に続きます。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

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