SIMカードロック、PINロックとは?世界一受けたい授業の問題

IT

どうやらSIMカードがロックされて困っている方たちがいるようですね。

問題の発端は日本テレビの「世界一受けたい授業」で6月27日に放送されたようでTVを見ていた方が「自分もやってみよう」と行った結果、悲劇へ結びついたみたいです。

日本テレビ側も釈明しているようですがリスクのある操作に対してテレビを見てる方への配慮が足りなかったと考えられます。

番組側は視聴者に対して先ずはリスクを説明した上でセキュリティ対策を述べるべきでしょう。

 

スマホが使えなくなるトラブルが続出

番組で元警察官が個人情報を守るスマホのロック方法として「SIMカードロック」を紹介したという。

もうここで通常しなくても良いような設定を紹介していますね。

これを見た視聴者がスマホを操作したところ、スマホ自体が使えなくなるケースが相次いだという。

当たり前ですよね、テレビを見ている方へ通常必要ないセキュリティを紹介しているわけです。

ガジェット好きとかならわかるのですが、テレビを見ていて「私もやってみよう」と思う方がリスクなど考えるわけが無いです。

事前にリスク紹介した上で「SIMカードロック」の紹介をするなら理解できますが何も補足説明なしに放送したのは問題が大きいでしょう。

 

SIMカードロック

SIMカードロック自体は昔からあるもので、治安の悪い海外への出張などや海外旅行などで端末の紛失、盗難などが考えられる場合に有効な自衛手段です。

SIMカードロックはSIMロック端末とは全然違うものなのでSIMロック端末については延べませんがSIMカードロックは文字通りSIMカードに対して「PINコード」を設定してロックをかけるものです。

スマートフォンが盗まれたりすると困りますが現在のスマートフォンは生体認証(指紋認証や顔認証)があり即座に現金化するのも難しいです。

ただSIMカードはクリップなどで簡単に抜き出せるため別のスマートフォンなどに移せば別のスマートフォンで使えるのです。

高額な通話料金が発生する恐れやデータ通信も使われてしまいます。

このような事態を防ぐためにSIMカードに「PINコード」を設定しておけばSIMカードの抜き差しやスマートフォンの電源を入れた時に「PINコード」を求められ正しい「PINコード」を入力しないと通信、通話が出来なくなります。

SIMカードに対して「PINコード」を設定した場合通常3回間違えると「PINロック」がかかり「PINコード」の入力が出来なくなります。

すると今度はPUKコード(Personal Unblocking Key)が必要になります。

PUKコードは「PINロック」がかかったSIMカードの解除に必要なコードでSIMカードの台紙(クレジットカードの大きさでそこからSIMカードをくりぬいて使用する)や書類などに書かれている場合が多いのですが、長く同じキャリアなどで使用していると無くしている場合がほとんどだと思います。

注意したいのはPUKコードを10回間違えると、もうそのSIMカードは使えません。

再発行が必要になるのでショップでお金を払っての手続きが必要になります。

 

PINコード

スマートフォンを使い始め頃から良く聞く言葉ですよね。

新しいスマートフォンにすると通常、初期設定で「PINコード」を求められます。

これはスマートフォンに対して結びつけられたものでスマートフォンのロック解除に使います。

現在では生体認証のおかげでロック解除に使わるのが少なくなりましたが、新型コロナウィルスの影響でマスクしながらだと顔認証が上手くいかずに「PINコード」を求められます。

iPhoneに良くあるケースですね。

「PINコード」の代わりにパターンロックもありますが割愛させていただきます。

パスワードの方が安全じゃない?とも言われる「PINコード」ですがWEBサイトなので使うパスワードと違い端末に結び付けられていて「PINコード」はスマートフォン内部に保存されているために漏洩のリスクが限りなく少ないのです。

 

今回の問題の対処

ほとんどの人は初めてSIMカードロックの設定を行った人がほとんどだと思われます。

 

PINコードの初期値

SIMカードロックの設定には「初期値」があります。

大手キャリアの場合だと以下になります。

NTTドコモ:「0000」

KDDI au :「1234」

ソフトバンク:「9999」

楽天モバイル:「0000」

3回無暗に入力せずに初期値を入力すれば問題無いのですが今回の問題は既にもっと先に行ってますよね。

 

SIMカードに「PINロック」がかかった場合の対処

PUKコードを入力すれば良いのですが、先述した通り長く同じキャリアなどで使用していると無くしている場合がほとんどだと思います。

素直にサポートに電話をすれば良いのですが電話がスマートフォンだけだと困りものです。

通信、通話が出来なくなっているからです。

ネット環境がある場合MyDocomoなどから確認する事は可能です。

Wi-Fiは使えるので家にネット環境があればスマートフォンからも可能です。

ただし2段階認証の設定を行っているとコードの確認は出来ません。

NTTドコモ

KDDI au

ソフトバンク

楽天モバイル

NTTドコモの場合は2段階認証の設定を行っていない場合は確認が出来ます。

KDDI auの場合はオンラインでは解決出来ません。 電話での問い合わせかショップに行く事になりますが問い合わせだと郵送になるのでショップに行った方が良いです。

ソフトバンクの場合はNTTドコモと同じです。2段階認証の設定を行っていない場合は確認が出来ます。

楽天モバイルの場合は電話かチャットでの問い合わせになります。

どこでも共通ですがショップに行くのが早い場合もあるので近くにショップがあるのなら相談するのも良いかと思います。

また格安SIMの場合はショップ自体が無いのが多いので電話のサポートやネットでの相談になるのが多いかと思います。

 

PUKコードを10回間違えた場合

残念ですがショップに行って再発行してもらいましょう。

 

どうしてもSIMカードロックが必要な方

海外への出張などや海外旅行へ行く方はスマートフォンを盗難や紛失すると自衛策としてSIMカードロックは有効かと思います。

海外出張が多い方は慣れているかもしれません。

前もってPUKコードをメモしておいて手元に戻った時に解除出来るようにしておいた方が良いかもしれません。

もちろんキャリアへの連絡も出来るようにしなくてはいけません。 ただ対処には即時対応ではないようです。

 

日本テレビの釈明

6月27日の放送で、デジタル犯罪対策の1つとしてご紹介した『スマートフォンのSIMカードロック』の説明に関して分かりづらい点がありました。

ご紹介した方法には携帯電話会社ごとに異なる操作がありますので、手順を確認できない場合は、操作を控えて頂くようお願い申し上げます。

誤ったPINコードを入力し続けるとSIMカードにロックがかかり、一時的に使用出来なくなるおそれがあります

参照:https://www.ntv.co.jp/sekaju/ 様

 

うーん、放送しちゃった後にこのような文章だけ?って感じですね。

 

最後に

家にネット環境があり家族のいる方なら対処も出来たでしょうが、一人暮らしでネットと電話がスマートフォン1台の方も居るでしょうし、そのような方はかなり致命的なダメージを受けたのではないでしょうか?

重要なインフラが使えなくなったのですから。

Twitterを見ても執筆時点の6月30日でも議論されてますね。

SIMカードロック自体は自衛手段として使えるので問題は無いのですが、これを補足説明なしに放送した日本テレビ側には問題があると考えます。

日本にほとんどいる方たちにはリスクの方が大きいのに紹介するのはまずいと思います。

テレビで被害にあった方はテレビの言うように行ったのが原因ですが、世の中こういう事に詳しい方の方が少ないでしょう。

焦って何度も「PINコード」を入力した結果「PINロック」がかかり今度はPUKコードでまた同じことをしてしまう。

テレビ局側も想定出来た事案だと思います。

テレビ離れと言われてもテレビの影響は大きいです。

リスク説明や補足説明をして放送して欲しいものです。