もみじの言いぶん(村山 由佳)

17歳であちらの世界へ行ってしまった猫のもみじ。
もみじの視点から描くかーちゃん(著者)ととーちゃん、それからほかの猫たちとの日々。
表情豊かな写真とともに関西弁で語られるフォトエッセイ。

猫と暮らしたことある人、特に猫を亡くしたことがある人にとっては、あぁ、わかるわかると感じることがたくさんある。
猫はとても賢くて、人間のことをよく観察している。
勝手に生きているように見えて、実はとても愛情深く、そして寂しがりだと思う。
ま、そう思うのは人間の勝手である。

言葉のひとつひとつがとてもやさしい。
文句の端々に愛を感じる。
もみじもおかーちゃんも、お互いを深く愛しているんだろう。
だから読んでいて心がぬくぬくと温かくなる。

うちの子(猫)もきっとこんな風にいろいろ感じて、考えて、毎日一生懸命に生きているんだろうと想像してみる。
猫が幸せそうにしていることが、下僕(飼い主)にとって何よりの喜びである。

個人的おすすめ度 3.5