ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

フーナー検査

2020年07月13日 | 生殖内分泌

Huher test 性交後頸管粘液検査(PCT:postcoital test)

フーナー検査は、精子-頸管粘液の適合検査であり、不妊原因として頸管因子があるかどうかを判定する。腟内に放出された精子が頸管粘液内に進入し運動性を保持しているかどうかをみる検査である。フーナー検査の最適な時期は排卵の直前である。性交後3~12時間で評価されるべきである。


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フーナー検査の評価:
a)頸管粘液内に1個でも直進運動精子が存在すればフーナー検査陽性として頸管因子による不妊原因は存在しない根拠となる。
b)頸管粘液中に精子が存在しなければフーナー検査陰性とする。再検のうえ反復して陰性の場合は、不妊原因として頸管因子があると判定する。
c)非直進運動精子、不動精子、直進しない振動精子(shaking phenomenon)がみられる場合には、頸管粘液あるいは精子に抗精子抗体が存在する可能性を考慮する。

フーナー検査の意義:
フーナー検査は、検査周期での妊娠も期待でき、配偶者間人工授精(AIH)以上の治療の必要性の判断に重要である。また、抗精子抗体を検出する1次スクリーニング法になると考えられる。

参考記事:
不妊症の原因検索としての一次検査
精液検査
不妊症の原因

参考文献:
1)今すぐ知りたい!不妊治療Q&A、医学書院、2019、p113
2)生殖医療ポケットマニュアル、吉村泰典監修、医学書院、2014


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