イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年6月11日木曜日

Black Lives Matter をうけて、リトル・ブリテン、僕たち空港なう、リーグ・オブ・ジェントルメンとマイティ・ブーシュがネトフリのコンテンツ削除対象に。オレの見解です。。


まずですね、ネトフリとBBCがリトル・ブリテンとCome Fly With Meを削除しました。


リトル・ブリテンに関しては、正直全部のキャラクターでなくてもよかったのかもしれないですが、アウトキャラを除くと尺が短くなりすぎるかもしれないですね。

この2つ、特に後者は、放送当時からリベラル・アーティな世界では、問題視され、厳しく批判されていたのです。それでも放送されていたのは確かに時代のせいですね。2017年にはマット・ルーカス本人が、"もし今の時代に制作したなら、トランスヴェスタイトのネタはやらない” ”黒人のキャラもやらない。つまりあのショーは今の時代では作らないよ。" と公言しているくらいなのです。(その割には2020年のロックダウン・コメディみたいなBBCの番組でリトルブリテンを復活させていたのですよね。すみません、オレは興味がないので見てないです)

そんなわけで、リベラル・アーティのコメディ・ファンの間ではそれほど驚くことではないんです。SNSが大荒れしてましたが、「随分時間がかかったね」くらいなもんでした。

問題はこの後です。つまり英国時間今朝です。

わっだふぁっく?こいつらコンテンツ解釈できてんのか? の瞬間です。

あのですね、渦中のスケッチのキャラクター、奥さんどんどん拉致しちゃうPapa Lazarouって白人なんですよ。もうずーーーーーーーーーーーーーーーーっと!長いことリースは明言している。(つまりこの件も今始まったことではない)「白人がああいう*格好をしている」っていう設定。確認ですが、リトルブリテンやCome Fly-のはキャラは黒人の設定です。この違いによって、キャラ設定及びその言動アリかアウトかはっきり別れちゃうんです。

つまり、Papa Lazarouの場合、ジョークは「あの格好や言動をする白人」にあり、リトル・ブリテンやCFWMのキャラはジョークは「あの格好や言動をする黒人・トランスヴェスタイト」になる。後者は当然アウトですが、前者は??? 削除の主な理由は(以前も言われていましたが)「ミンストレルのイメージを与える」という抗議を受けて。しかし、その「イメージ」の根拠が「見た目」だけだったら、大変、大変怖く、危ない。誰かが「差別に見えるから」と言ったら、レッドカードを出せることになるからです。表現の自由問題に関わってくる。

ここですでに憂鬱になっていたというのに、夜になったら(マジで)わけのわからないアップデート情報が入ってきました。


わっだふぁっく、です。これ聴いてほぼ番組見てた人全員「引っかかる場所ってどこ?。。。黒かったのは…ま、ま、まさかゴリラ…?」ですよ。それくらい思い浮かばない。もちろんゴリラじゃなかったんですが、
(注:もしゴリラが原因だったら、ネトフリがレイシストです)
原因は、ジャズ・ミュージシャンの亡霊のキャラ…

これ?!

(汗)ネトフリさん、ノエルのアート見たことある??
これをアウトにするの?これは彼の奇抜な色使いを特徴とするオリジナル創造物。そしてキャラの設定は、「生きてる時は→black and white skin, red eyes and wore a white suit and top hat」です。ジャズのゴーストですよ。ジャズつながりのミシシッピだし。
マジで見た目だけで、抗議のお問い合わせ通り動いてるよね。頭使わないで。しかもこれの笑いどころはゴーストの容姿ですか? 
Absurdityって知ってる? ちょっとコメディ勉強してほしい・・・

絶対、もみ消すところ、間違ってるって。

ちなみにオーストラリアのクリス・ライリー*(注)のひどすぎる差別シリーズ「Lunatics」その他は削除されてないんですよ。なぜなら今はBlack Lives Matterだから。Angry Boysからの黒人キャラだったかをBBCが本日削除したというニュースが入っている程度。

またこの決定に対し「マイティブーシュとリーグを削除してもBLACK LIVES MATTERにほとんど貢献してない」というのが英国リベラルアーティ界の見解。声を大きくしてはいないですけどね。渦中の芸人さんたちも沈黙。謝りはしてないです。だって悪くないもん。でも今は沈黙。 Black Lives Matterだから。All Lives Matterじゃないから。

オレ、マジでこの後程なくAlways Sunny in PhiladelphiaとSouth Parkが2度と見れなくなるんじゃないか、シリーズ打ち切りになるんじゃないかと思って泣きそうです。

もう一つ非常に不安なのが、この事件を武器に表現の自由を盾にガンガン差別表現や中傷表現を正当化して面白いというヤツらが声を強くして、結局今まで変化のあった黒人差別への注目と平等社会へ向けた前進が、くつがえされてしまうんじゃないかということ。具体的にいうと、表現の自由主義のスパイク・マガジンとその支持者(アンドリュー・ドイルなど)たちです。この話はコメディ界ではここ数年ずっと問題になっているのですが、ものすごく長くなるのでずっとほかっていた案件になります。。。

頼むみんな、メディアリテラシーをもうちょっとあげてください(涙)。

*(注)クリス・ライリーはオレ、高校生シリーズのJa'mieとAngry BoysのJen Okazakiが非常に好きで過去に褒めてますが、もともと差別的なキャラを作る傾向にあり、それがどんどん悪化して言って今や目も当てられない、という状況です

0 件のコメント:

コメントを投稿