君はキュウリをかじれない

先週ぐらいから庭の家庭菜園で夏野菜の収穫ができるようになりました。
 ナスやオクラ、モロヘイヤなどはまだ先ですが、インゲンにミニトマト、キュウリ、ピーマンが少しずつ実ってきています。

園芸バサミでピーマンを収穫する息子
写真=園芸バサミでピーマンを収穫する息子。ハサミを使うのも上手になってきました=2020年6月、新潟県新発田市

 インゲンはツルごと切ってしまいそうなのでぼくがやっているのですが、それ以外の野菜は息子に収穫をしてもらっています。

 園芸用バサミを持たせて「ここを切るんだよ」と教えると、ちゃんとできます。
 収穫した野菜はお気に入りの小鍋に放り込み、嬉しそうにママに見せに行きます。

 自分で収穫したミニトマトは、そのまま食べることもあります。ほぼ無農薬で栽培しているので、まあ問題ないでしょう。

 こうした家庭菜園での体験は、いわゆる「食育」みたいですし、よく分かりませんが、療育の一環としてもきっと何か役に立っていそうです。

 そんな中、大きな発見もありました。息子はキュウリをかじって食べることができないのです。

 収穫したキュウリを水で軽く洗って、「食べてみて」と息子の口の方に持っていくのですが、かじることができません。
 「かじってみて」と促すとかじるのですが、歯型を付けるだけで食べません。

 家に入っていろいろ試してみて、分かりました。
 息子は「歯でかみちぎる」「小さなかけらを食べる」を単独ではできるのですが、「かじって食べる(かじる→食べる)」はできないのです。

 かなり驚いたのですが、妻の反応は「そうだろうね〜。できないだろうね〜」でした。そういうものなのか。

 妻によると、たぶん舌をうまく動かせないのが原因で、ABA(応用行動分析)のアプローチで練習すれば、できるようになるはずだとのことでした。

 舌の動きか、なるほど。確かに、キュウリをかじって小さなかけらにしても、舌を使ってかけらを移動させなければ、「食べる」という動作にはなりません。

 そう考えると、いろいろなことに合点がいくようになりました。

 アイスでいうと、「ピノ」は食べられますしソフトクリームを舐めることもできるのですが、「ガリガリ君」をかじることはできないはずです。
 トウモロコシにかぶりつけませんし、焼き鳥も串から外して食べようとします。

蔓を伸ばす家庭菜園のキュウリ
写真=梅雨空に向かって蔓を伸ばす家庭菜園のキュウリ。初めてのわりにはちゃんと成長しています=2020年6月、新潟県新発田市

 そういえば、キュウリを家庭菜園で育てるのは今回が初めてです。

 仕事の関係で新潟県小千谷市に住んでいた頃、お付き合いをさせていただいた方には野菜を育てている方が多くて、今ごろの時期になると毎年、キュウリを大量にいただいておりました。

 キュウリって自家栽培すると収穫の時期が集中して食べ切れなくなることが多く、収穫のタイミングが半日遅れるだけでヘチマみたいに巨大化して味が落ちるーのだそうです。

 小千谷市の市民農園で野菜を栽培する際にも、「ネット立てるのが面倒だし、時期になればいただけるしなぁ」と思ってキュウリには手を出さなかったのです。

 現時点で収穫したキュウリはまだ2本。苗を5つも植えてしまったので、順調にいけば来月中旬ぐらいには毎日2〜3本のペースになるはずです。

 「かじって食べる」の教材には困らなさそうです。
 ことしは中玉トマトも育てているので、「かぶりついて2口で食べる」という練習もできそうです。

 小千谷市に住んでいた頃、毎年この時期になると「きゅうり祭り」と書かれた謎のポスターを近所でたくさん見かけました。3年目の時、会場だという神社へ見に行ったところ、夏の健康を祈願する伝統的な風習だと知りました。当時うかがった話によると、大昔この地域に疫病が流行したことがきっかけで始まり、夏野菜で整腸作用があるとされるキュウリを供えるようになったとのことです。キュウリには食中毒を治す解毒作用があると信じられていたのだそうです。
 過去の記憶で書いていますので不正確な部分があるかもしれませんが、具体的には、キュウリ2本をこの神社にお供えすると、既にお供えしてある別の1本を代わりにいただくことができ、このキュウリを持ち帰り、神棚に供えた後に家族全員で食べると疫病よけになるーという流れだったと思います。
 というわけで、かじる練習でキュウリをたくさん食べさせることは、疫病よけにもなるのです。しかし、せっかく初めてキュウリを育てたのだから、ことしの「きゅうり祭り」におじゃましてみようかな。

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