有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

あとがきにこの本の意図するところが書かれて

います。

 

2013年2月、「和食」がユネスコ無形文化遺産

に登録されました。

 

そこで農林水産省は和食の特徴をこう表現して

います。

 

「日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情

豊かな自然が広がっているため、各地で地域に

根ざした多様な食材が用いられています」と。

 

しかし「表情豊かな自然」はなにも日本だけに

限られたものではないです。「日本」を他の国

に置き換えた文脈も成立してしまいます。

 

そこで地質学です。

 

なぜ日本の水は美味しいと言われるのか。なぜ

出汁という旨味が発展したのか。なぜ瀬戸内海

は豊かな漁場なのか。

 

これらはすべて日本という地形だからこその産

物なのです。

 

何万年もかけて形作られた日本列島が、現在の

和食を育てたと言っていいのです。

 

自然のありがたみを噛み締める一冊です。

 

 

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ご存じ、加賀恭一郎シリーズです。ちょっとだけ

ネタバレ含んでいます。

 

色々な意味で読者を裏切る作品です。

 

舞台は別荘で起きた連続殺人事件という触れ込み

です。

 

となると加賀刑事が探偵役で、本格ミステリーを

地で行くフーダニットモノかと思わせておいて、

そうではない。

 

事件関係者が一堂に集まって真相が徐々に明らか

になっていく部分はそうですが、その関係者は全

員被害者の身内なのです。しかも論理的に犯人で

はありえない展開なのです。

 

当然、意外な人物が犯人ではあるのですが、それ

さえも伏線なのが凄い。

 

どんでん返しなどという言葉では表現できないく

らいの逆転です。

 

作品のたびに、その逆転度合いが強くなっていく

気がします。

 

凄い作家です。

 

 

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2024年本屋大賞です。

 

何事もマイペースで、時に飄々と、時に淡々と

物事をこなし、そして勉強もできる成瀬。

 

こういう子は周りから浮きます。

 

しかし本人は全く意に介さず孤高を貫きます。

 

いいですね。

 

中学、高校時代には同調圧力に押し潰されてし

まう人が大半の中で、一人で嵐の中で立ち続け

るその強さ。

 

「こういう生き方もあるんだよ」と教えてくれ

る小説です。

 

200歳まで生きる、と宣言する主人公の成瀬あ

かり、M-1に出ると言う成瀬あかり、どれもい

いです。

 

既に続編が出ています。

 

どこまで天下に迫れるか。成瀬あかり。

 

 

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著者は格差社会の現実を追うノンフィクション

ライターとして知られています。

 

いわゆる貧困問題に光を当てています。

 

その問題には日本人であるにもかかわらす、日

本語をうまく使えない人たちがいるという事実

に突き当たります。

 

もちろん海外移住者のように日本語を母国語と

していない人たちもいることでしょう。

 

しかしこの本では日本で生まれ育っているにも

かかわらず日本語が貧弱なのです。それは一部

は社会に現れています。

 

ネガティブな気持ちを表すのは「ウザい」「キ

モい」、良い意味では何でも「ヤバい」など、

語彙が少ないと思った人も多いかと思います。

 

これでは感情の相互理解なんて出来るはずもな

く、ネットという距離を介在したSNSだけのコ

ミュニケーションに没頭することになります。

 

このまま日本語は滅びてしまうのか。母国語を

駆使して物事を考えるということが、非常に大

切であることを痛感する一冊です。

 

 

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現代の日本は好感度が支配しています。

 

ちょっと不機嫌な態度をとって、他人に冷たく

当たろうものなら、好感度は一気に下がり、

「何なのあの人は」という印象を与えてしまい

ます。

 

つまり「他人の目」が基準になってしまっう社

会であると言えます。

 

そこにとらわれてしまいますと他人の目ばかり

が気になって、本当の自分を見失ってしまいま

す。

 

何より窮屈で息が詰まってしまいます。

 

では、どう振る舞えばいいのでしょうか。

 

卑屈にもならず、ありのままの自分で好感度を

上げることができるノウハウが詰まった一冊で

す。

 

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