「コルトレーンになれなかった男」ハンク・モブレーを語る!

以前のブログでも書きましたが、私はジャズ音楽のファンです。

 

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サックスを吹く白人男性

 

レコードやCDを何千枚も持っているわけでもなく、「スイングジャーナル」などの専門誌を毎月購読しているわけでもありません。

ごく平凡な一ジャズファンに過ぎません。

しかし、ジャズを聴いたり書籍で知識を得たりしているうちに、誰でも自分なりのお気に入りプレイヤーが見つかり、好みの傾向も分かってきます。

私を含む音楽のド素人が聴いても、トランペッターで「ジャズの帝王」マイルス・デイヴィス、天才ドラマーのアート・ブレイキー、ピアノの巨匠ビル・エヴァンス、テナー・サックスの革命家ジョン・コルトレーンなどの音楽は素直に凄いと分かります。

 

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一般的にテナーと言えばコルトレーンかソニー・ロリンズだが・・・。

テナー・サックスの分野では、ジョン・コルトレーンがやはり巨人として挙げられ、ジャズに関心のない人でも名前は知っているほどです。

そしてもう一人、ソニー・ロリンズもテナーの大御所として位置付けられます。

この二人のアルバムも多数聴き、確かに天才だと思います。

しかし、私が個人的に一番好きなのは

ハンク・モブレー(Hank Mobley:1930~1986年)

です。

 

地味なモブレーだが、「ブルーノート」から20枚以上のアルバムを発表!

もちろんモブレーも、1950~1960年代の「ハード・バップ」や「ファンキー・ジャズ」といったジャンルの代表格として、ジャズの歴史に確固たる足跡を残しました。

しかし、コルトレーンやロリンズに比べると地味で、評論家でもモブレーを二人より下に位置付ける人は多いです。

モブレーは、私が聴きまくったジャズの名門レーベル「ブルーノート」(Blue Note)で20枚以上のアルバムを発表しており、自然とモブレーのテナーを聴く機会が多くなりました。

よって知らず知らずのうちに、私は「モブレー・エキス」を体内に大量摂取することとなり、モブレーの大ファンとなりました。

 

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モブレーの「ブルーノート1500番台」、特に1568番は超名盤!

モブレーは伝説の「ブルーノート1500番台」でも5枚のアルバムを出していますが、その中でも1568番の「Hank Mobley」というアルバムが、個人的には一番の好みです。

1958年(昭和33年!)6月に発売されましたが、ジャケット写真がとにかくカッコいい!

サングラスをかけたモブレーがサックスを吹いているところを、下から撮影しており、モノクロになっています。

撮影したフランシス・ウルフとデザイナーのリード・マイルス(二人ともブルーノート躍進の立役者)のセンスがまず素晴らしいのですが、音楽の方も素晴らしいの一言に尽きます。

1曲目の「Mighty Moe and Joe」(マイティー・モー・アンド・ジョー)が、我々聴く者に特大のインパクトを与えます。

早逝した天才ピアニストのSonny Clark(ソニー・クラーク)やベースの大御所Paul Chambers(ポール・チェンバース)ら他のメンバーも素晴らしく、この曲を聴くためだけに買ってもいいくらいです。

 

モブレーのアルバムは名盤が多い!

モブレーの最高傑作と言われる

「ソウル・ステーション」(Soul Station:1960年)

「ロール・コール」(Roll Call:1961年)

も素晴らしいアルバムです。

両作ともアート・ブレイキー(ドラム)、ポール・チェンバース(ベース)、ウィントン・ケリー(ピアノ)が参加しており、メンバー名を聞いただけで即「名盤!」と決め打ちしたいほどです(実際に名盤です)。

また、「ディッピン」(Dippin’:1966年)もトランペットにリー・モーガン(Lee Morgan)を迎え、名盤との呼び声が高いアルバムです。

本作に収録されている「リカード・ボサ・ノヴァ」(Recado Bossa Nova)は、日本のジャズ喫茶で大ヒットし、本作のみならずモブレーの代表曲となりました。

 

最後に・・・。

そんなモブレーでしたが、1970年代半ばに病気(サックス奏者には致命的な、肺の障害らしいです)のため引退しました。

1986年(昭和61年)に亡くなるまでの晩年は、不遇だったとも言われています。

しかし、モブレーの音楽は21世紀に入っても高く評価されており、今聴いても全く古臭さを感じさせません。

リスナーによる好き嫌いをほとんど感じさせない正統派のスタイルは、ジャズ初心者にとっての入門盤としても適していると思います。

ジャズに興味のない皆様にも、是非一度は聴いていただきたいプレイヤーです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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