借金返済の交渉に行くのは、誰でも怖いものです。
担当者から怒鳴り付けられたり、理詰めで責められたらどうしようとか、色々不安になるはずです。
一方、お金を借りる、すなわち融資の相談に行く際も、同じく不安・恐怖心がのしかかるでしょう。
借りられるか否かで自分や家族、従業員の人生を左右する場合もあるのですから、当然のことです。
本来は自分一人で行くべきだが、第三者を同伴して来る人がいる!
そうした場合、通常なら本人(法人なら代表者)が金融機関などに足を運ぶのは当然で、一人で行くものです。
しかし時折あるのが、他の人間を同伴して来るケースです。
それも事前の説明なく、担当者が応接場所に行くと、知らない人物が一緒にいるというのが結構多いです。
自分の商売に関係のある人物、例えば奥さん(経理担当者であることが多い)や従業員(役員や経理担当者など)を財務状況説明のため連れて来たというなら、まだ分かります。
しかし全く無関係の第三者、例えば友人や、友人ですらない経営コンサルタント、果ては政治団体の人間などを同伴する人が意外に多いのです。
現在は、金融機関は第三者の交渉への同席を拒否している!
現在は、そうした第三者の面談への同席は、原則的に全ての民間・公的金融機関でお断りとなっています。
本人から正式に委任を受けた代理人弁護士(債務の返済交渉の場合)以外は、例え親族でも事業関係者(家族が事業専従者)以外は同席拒否となっています。
20年以上前は、上記のような怪しげなコンサルタント、エセ右翼などの団体の人間がくっついてきて、本人そっちのけで熱弁を奮ったり怒ったり・・・といったことが割と多かったのです。
そうした連中は、依頼を受けた人から手数料を受け取り、依頼人への督促を緩めさせようとしたり、依頼人が融資を受けられるように、圧力をかけようとしてきます。
しかし2000年代半ば頃に、そうした「第三者」の介入を排除しようという動きが金融業界で広まりました。
ちょうど国・警察が暴力団、今で言う「反社会的勢力」やその関連団体・組織の排除を本格的に推進し出したこともあり、その流れとリンクしました。
もしそうした相手方とトラブルになっても、警察が積極的に介入してくれることが大きな後押しになりました。
第三者に頼りたくなる気持ちも分かるが・・・。
第三者に同伴を依頼する人の気持ちも、分からないではありません。
弁の立ちそうな人間や、見るからにいかつい風貌の人間が同席していれば、相手の担当者もビビって、あまり厳しいことを言わないのではないか、審査を少し甘くしてくれるのではないか・・・といった期待を持って、そうした人間に泣きつくのでしょう。
しかし、そうした行動は何のプラスにもならず、むしろ大きなマイナスとなります。
金融機関などの担当者は、第三者の同伴というだけで完全に色眼鏡で見てきます。
そして、上司に報告→支店・本店で情報共有となり、完全に警戒してガードを固めてきます。
今後本人一人で交渉に臨んでも、一度貼られた「第三者を連れてくるややこしい人」というレッテルは、なかなか剥がれません。
最後に・・・。
返済にしろ融資にしろ、お金の絡む問題で怪しい第三者に頼っても、ろくなことになりません。
安易な逃げに走らず、自分自身が現状をしっかりと受け止め、誠実に話をするべきでしょう。
それだけが、苦境から抜け出す可能性のある唯一の方法だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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