高出血リスク患者におけるDES留置後の超短期DAPTの詳細結果



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32086787/ 

タイトル:Details on the effect of very short dual antiplatelet therapy after drug-eluting stent implantation in patients with high bleeding risk: insight from the STOPDAPT-2 trial

<概要(意訳)>

背景:

以前、STOPDAPT-2試験で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した高出血リスク(HBR)の患者に対する超短期間(1ヶ月)の二重抗血小板療法(DAPT)が評価項目(心血管イベント、出血イベント)に与える影響を簡単に報告したが、完全なデータ分析はできていなかった。 今回は、HBR患者に対する1ヶ月DAPTが評価項目に与える影響を事後解析した。

方法:

主要評価項目は、PCI施行1年間における心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、ステント血栓症、脳卒中)と出血イベント(TIMI基準の大/小出血)の複合とした。 副次的評価項目は、心血管イベントと出血イベントのそれぞれを評価した。

HBRの基準は、専門家による学術研究コンソーシアム(ARC)の定義に従った。

日経メディカル 2019/06/12 PCI時「高出血リスク患者」の国際基準を定義した理由

結果:

被験者3,009人の内、1,054人(35.0%)はHBRとして分類され、1,955人(65.0%)は非HBRとして分類された。

HBRとして分類された1,054人の内、1ヶ月DAPT群は496人、12ヶ月DAPT群は558人であった。

非HBRとして分類された1,955人の内、1ヶ月DAPT群は1,004人、12ヶ月DAPT群は951人であった。

高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における主要評価項目の結果は、3.48% vs 5.98%[HR 0.57(95%CI 0.32-1.03)]であった。

非高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における主要評価項目の結果は、1.81% vs 2.36%[HR 0.78(95%CI 0.42-1.45)]であった(交互p=0.48)。

Cardiovasc Interv Ther.2020 Feb21.doi:10.1007/s12928-202-00651-9.

高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における副次評価項目の心血管イベントの結果は、3.07% vs 4.03%[HR 0.77(95%CI 0.40-1.48)]であった。

非高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における副次評価項目の心血管イベントの結果は、1.41% vs 1.61%[HR 0.89(95%CI 0.43-1.84)]であった(交互p=0.77)。

Cardiovasc Interv Ther.2020 Feb21. doi:10.1007/s12928-020-00651-9.

高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における副次評価項目の出血イベントの結果は、0.41% vs 2.71%[HR 0.15(95%CI 0.03-0.65)]であった。

非高出血リスク(HBR)の1ヶ月DAPT群と12ヶ月DAPT群における副次評価項目の出血イベントの結果は、0.40% vs 0.85%[HR 0.48(95%CI 0.14-1.58)]であった(交互p=0.22)。

Cardiovasc Interv Ther.2020 Feb21. doi:10.1007/s12928-020-00651-9.

結論:

主要評価項目と副次評価項目に対する超短期間(1ヶ月)の二重抗血小板療法(DAPT)の影響は、HBR群と非HBR群の間で有意な交互作用がなく、一貫していた。

PCI施行後1年間の出血イベントにおいて、1ヶ月DAPT群の高出血リスク(HBR)群は、非HBR群より大きなベネフィットが認められた。

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