ペルシャ庭園(イラン)

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The Persian Garden ( Islamic Republic of Iran ) OUV(i)(ii)(iii)(iv)(vi)

2011年世界遺産登録

■エデンの楽園を模倣したとされる、庭園設計

文化遺産の価値において、建築物だけでなく、庭園設計も非常に重要な価値に含まれます。日本における金閣寺は火災によって一度焼失し、建築として国宝の冠は失われましたが、その庭園は特別名勝として高い重要度を持ちます。

日本や中国のようなアジアに代表される自然を模した庭園設計とは違い、一部ヨーロッパや中東の庭園は、より幾何学的な、計算された庭園設計が主流に思います。

古代オリエント、あるいはメソポタミア地域で発達した庭園設計は、ササン朝ペルシアの時代にゾロアスター教(拝火教)が信仰され、対する”水”を意識した庭園造りに進化していったそうです。

さらにイスラムの文化が入ってくると、幾何学的な考え方が加わり、水路によって四分割された4つの四角形の庭園(チャハル・バーグ)が、基本的な設計になっていきます。

この設計は創世記に登場する”エデンの楽園”を模したものとされ、またエデンの楽園はチグリスとユーフラテス、つまりメソポタミア地域にあったとされる説もあるそうです。

創世記のエデンの楽園が実在するのか、それがペルシア庭園の起源なのか、史実は不明ですが、今現在、イラン各地に点在する9つの庭園はこれらの設計を基本とし、世界に広がっていた点から世界遺産に登録されました。

イランにおける9つの庭園は、紀元前6世紀のアケメネス朝ペルシア、キュロス王時代を起源とした原理を保ちつつ、さまざまな気象条件に合わせて発展、適応させた多様なペルシャ庭園様式の代表例です。

庭園は、灌漑と鑑賞の両方の役割を持つ水路によって、常に4区画に分割され、ゾロアスター教の天・地・水・植物の4元素を象徴するよう構想されたそうです。

こうした庭園設計術は、東はインド、世界遺産ではタージマハルの目前に広がる庭園、西はスペイン「グラナダのヘネラリフェ」中庭、さらにはフランスの「ヴェルサイユ宮殿」の庭園等にまで影響を与えました。

<9つの庭園>

イランに幅広く点在する9つの庭園は、ユネスコのサイトに載っていて、庭だけでなく、含まれる建築物など、コアエリアとバッファーゾーンまで詳細に定義されています。

①Bagh-e Eram(エラムの庭園)

dynamosquito-による画像 エラム庭園

②Bagh-e Chehel Sotun(チェヘル・ソトゥーンの庭園)

Ai@c による画像 チェヘル庭園

③Bagh-e Dolat Abad(ドーラト・アバッドの庭園)

Leo Koolによる画像  ドーラト庭園

④Ancient Garden of Pasargadae

⑤Bagh-e Fin

⑥Bagh-e Abas Abad

⑦Bagh-e Shahzadeh

⑧Bagh-e Pahlavanpur

⑨Bagh-e Akbariyeh

コメント

  1. ふうちゃん より:

    こんばんは! ブログランキングから来ました。

    ペルシャ庭園は、厳かな感じですね。あまり目にしたことがありません。
    実物は、もっと素敵だと思います。 宗教の違いを感じます。

    また、のぞきにきます。

    • 和隆 より:

      ふうちゃん様>コメントを頂戴し、誠にありがとうございます。宗教と建築(今回は造園)は深いつながりがありそうですよね。日々世界遺産を追加更新中です(毎日1件更新したとしても、すべて掲載には3年かかりそう・・)、またお時間があればお越しいただけますと幸いです。

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