Thursday, October 22, 2020

らー全速力で逃げた・疾走・失踪(打ち上げ花火ドカーンの事件)

 

2歳位だったかな、記憶が曖昧なのだけど。
 
4頭のニューファンと1頭の大きなレオンベルガーと暮らす先輩ご夫婦に誘われて、夕方の賑やかなビーチを散歩していた時、突然、前触れもなく打ち上げ花火があがり、爆音に驚いたらーが走り出し、レザー製のリーシュが切れてしまった。

花火を喜ぶ人々の歓声の中、らーは全力で走ってどこかへ消えてしまった。

らー!!!!

頭の中が完全にパニックで、何をどうすれば良いのか全くわからない、わたしは泣き叫んでいた。

まずは、警察に知らせなくては、、、そう思って交番まで泣きながら全力で走った。
交番のお巡りさんがいない。

わたしはどうしたんだったか、、、きっと交番の電話から受付に話かけたと思う。

泣き叫んで何が何だか説明ができないわたしに、電話の向こうの受付が、事情を聞き出す。

体重は?色は?特徴は?人間に咬みつくかどうか?
そういう質問に答えていると、だんだんと冷静になってきたら、周りの声が聞こえるようになってきた。

受付の人の声にかぶるように、無線の声も聞こえてきた。

黒い大型の犬、体重は50キロ超え、青いTシャツを着ている、攻撃性はない、ビーチはライフセーバー、国道側からパトカー

そんな声が聞こえてきた、そして電話の向こうの人は、わたしに対して次のことを丁寧に言い聞かせるように話してくれた。

いいですか、飼い主さん(たしかそんな感じだった・・・)
パトカー数台で手分けして探し始めています。
ビーチのライフセーバーも総動員でビーチ側を探すそうです。
飼い主さんは、車の窓を全開にして、ただ車で待つようにしてください。
動き回らないでください。

そして最後に「必ず見つかります」なぜかそう言ってくれた。
その言葉にすがるような気持ちで、車の場所まで、らーの名前を呼びながら歩いた。

途中、泣いて歩くわたしを見て、何人もの人がどうしたのか?と声をかけてくれた。

その中の数人が、全力で走るTシャツを着た大きな犬があっちの方へ走っていったと指差した。

その方向は、国道58号線、夏の沖縄で最も交通量の多い道路。
恐怖を感じて絶望しそうになるのを必死でこらえた。

らーは、全速力で国道へ向かって走った..... らーの気持ちを思うと胸が痛く苦しかった。

車の外で泣いていると、近くの大型スーパーのドラッグ売り場の店員さん、仕事帰りの2名がわたしのそばに来てくれて、寄り添って一緒に待ってくれた。

いったいどれくらいの時間経っただろうか、おそらく1時間足らず、花火も終わり残照が薄っすらと残り、歓声をあげて花火を見ていた人々も散るように去った。

そんな中、一緒にきた先輩夫婦の旦那さんが、らーを連れて、わたしの車に近づいてきた。

らーは、砂浜をとぼとぼと、わたしと離れた場所に向かって歩いていたらしい。

らーと再会したわたしの周りには、寄り添ってくれたドラッグストアの店員さんだけでなくいつの間にか、5、6名の人がいて、みんな口々に「よかった!」「よかった!」と自分のことのように喜びあっていた。

らーを見つけた先輩によると、ライフセーバーが無線で「犬が戻った」と報告したらしい。
間も無く、パトカーもやってきて、らーを確認。

駆けつけたお巡りさんが、こんな風なことを言ってくれたような気がする。

大変でしたね。心配だったでしょう。
よかったですね。無事に戻ってきて、いいこですね。
それにしても、大きな犬ですね。
花火もアナウンスも無しに打ち上げるのは、よくないですね。
気をつけて運転してください。
今日はゆっくり休んでください。


そんな、親切な言葉をかけてくれたと覚えている。
店員さんは、わたしが車を発車させるまで、ずっとそこにいてくれた。

帰宅後、ラーは、ご飯を食べたらぐったりと寝てしまった。らーの身体を撫でながら点検したら、肉球が剥がれていたけれど、軽傷のようだった。
いつものように、寝転がっているらーの足を一本づつ、洗面器のぬるま湯で、そっと流してタオルで拭き取り、ワセリンを塗っておいた。

花火って、
らーにとっては雷と変わりないんだろうなぁ。
レザー製のリーシュね〜、おしゃれで素敵だけどね〜。

でも、もう、らーは、いない。
突然の打ち上げ花火も、お盆のエイサーの音も、どんだけ騒がしくても、もうどうでもいいんだ。
 
イルカショーを見学
 
二人でイルカのショーを見ていたら「イルカが気にするので犬は遠慮して」と注意されました。 そのとき、”イルカが気にする”というのがよくわからなかったのですが、イルカも人間に交じって、人間じゃない動物が見ていることを警戒するんだと、今になればわかるような気がします。とっても繊細な動物なんだろうな。。。
ごめんね、オキちゃん。。。