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介護保険

地域包括ケアシステム

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地域包括ケアシステムは、2011年の介護保険法が改正されたときに、その考え方が提唱されました。

このページでは、地域包括ケアシステムの具体的な内容について説明していきます。

地域包括ケアシステムとは?

地域包括ケアシステムは、「高齢者が要介護者状態になっても、尊厳の保持と自立生活の支援を行って、住み慣れた地域での生活が続けられるように、地域でサポートするシステム」のことをいいます。

地域包括ケアシステムでの「地域」は、住民の日常生活の範囲(30分程あれば駆けつけることができる範囲)としています。

このシステムを効率的に稼働させるためには、医療職や介護職などの専門職・多職種の連携が不可欠になっています。

地域包括ケアシステムの構築は、保険者である各市区町村で3年ごとに策定する「介護保険事業計画」を通して、計画的に進めることになっています。

地域包括ケアシステムの考え方が生まれた背景

日本では、年々少子高齢化が進み、今後も高齢者の数は増えていく見込みです。

高齢者の数が増える分、要支援者や要介護者の数も増えていきますが、増える高齢者に対して、高齢者を支える現役世代は減っています。

つまり、現役世代や医療職などの専門職のみで高齢者を支えることが今後ますます難しくなるので、地域全体で高齢者を支えるしくみである地域包括ケアシステムの考え方が生まれたのです。

国(厚生労働省)は、団塊の世代が75歳以上になる2025年を目標に、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

地域の特性に対応

日本では年々少子高齢化が進んでいますが、この高齢化の進行状況には、地域差があります。

都心部や大都市部の人口増加率は横ばいであるが高齢者人口は急増する、地方の市町村部の人口増加率はゆるやかに減少するので高齢者人口もゆるやかに減少するとされています。

つまり、都心部や大都市部ではこれから高齢化が急速に進行する、地方の市町村部では高齢化のピークが過ぎることが予測されています。

そのため、各市町村が中心となって、地域の特性を組み込んでその地域に合わせた独自の地域包括ケアシステムを作ることが必要なのです。

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターとは、地域包括ケアシステムの実現に向けた中核的な機関として、すべての市町村に1か所以上設置されています。

地域包括支援センターは、地域で暮らす高齢者の介護・医療・保健・福祉などの相談窓口で、専門知識を持つスタッフが対応しています。

地域包括支援センターについて詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。

地域ケアシステムを構成する2つの考え方

地域包括ケアシステムは、「5つの構成要素」と「4つの助」の考え方で説明されることがよくあります。

5つの構成要素は、植木鉢で表現されており、「医療・看護」と「介護・リハビリテーション」と「保健・福祉」が3枚の葉、「介護予防・生活支援」が土、「すまいとすまい方」が鉢、「本人の選択と本人・家族の心構え」が受け皿となっています。

4つの助は、「自助・互助・共助・公助」です。

下の図は、地域包括ケアシステムの考え方を説明するときに度々使用される植木鉢の図です。

5つの構成要素

地域包括ケアシステムは、以下の5つの要素で構成されています。

この5つの構成要素を、植木鉢に当てはめて地域包括ケアシステムの説明が行われています。

5つの構成要素は、相互に関係し合いながら一体的に提供されるものとして、植木鉢で表現されています。

なお、2012年に制定後、2015年に一部改正が行われているので「→」で変化を表しています。

「医療・看護」と「介護・リハビリテーション」と「保健・予防」→「保健・福祉」は葉

医療や介護などの専門職が行うサービスは、植木鉢の中で育つ「葉」に例えられています。

今後の専門職が行うサービスが、より充実する=葉を大きく広げるという意味があります。

「生活支援・福祉サービス」→「介護予防・生活支援」は土

介護予防・生活支援は、植木鉢の中の「土」に例えられています。

高齢者が元気で暮らすための健康づくりなどの「介護予防」と、自立を支援するための福祉サービスや地域交流の「生活支援」が、充実していることで、より「葉」である専門職が行うサービスが充実するとされています。

「すまいとすまい方」は鉢

すまいとすまい方は、植木鉢の「鉢」に例えられています。

生活の基盤であるすまいが確保されることが、安定した日々を送るためには欠かせないからです。

「本人・家族の選択と心構え」→「本人の選択と本人・家族の心構え」は受け皿

本人の選択と本人・家族の心構えが、植木鉢の「受け皿」に例えられています。

つまり、一番重要視されるべきこととして、捉えられています。

4つの助

地域包括ケアシステムでは、「自助・互助・共助・公助」の4つ助をバランスよく組み合わせて、さまざまな課題を解決することが求められています。

地域包括ケアシステムでは、特に「自助」と「互助」の役割が重要とされています。

「自助」

自助とは、自分自身で自分を助けることをいいます。

かかりつけ医をもち、定期的に健康診断を受けるなどして、普段から自分の健康に注意を払いながら、介護予防に取り組みます。

また、自費で利用する介護保険外のサービスや購入も、自助のひとつです。

「互助」

互助とは、家族や近所の住民同士の自発的な助け合いをいいます。

町内会や自治会、ボランティアなどインフォーマルな社会資源を利用して、それぞれが持つ生活課題をお互いが解決し合います。

「共助」

共助とは、制度化された相互扶助のことをいいます。

医療・年金・介護保険や社会保険制度など、保険のしくみを利用して社会全体で助け合う考えです。

「公助」

公助とは、国による社会福祉制度や社会福祉制度のことをいいます。

税金の負担による生活保護、人権擁護ようご、虐待対策、高齢者福祉事業などがあります。

まとめ

いかがでしたか?

地域包括ケアシステムは、増え続ける高齢者を地域全体で支える仕組みとしてさまざまな役割を持っています。

ただし、高齢者は支えてもらうという受け身だけではいけません。

高齢者自身も、地域で元気に生活できるように気をつけたり努力したりすることが求められています。

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