夫の葬儀と涙雨~最後まで夫の体に居座り続けた腹膜偽粘液腫…

雨にぬれる植物

涙雨

今日は朝から雨降り。

夫は俗にいう雨男で

ここぞ!のときは、必ず雨が降る。

ひとりでお堂に行くときも、なぜかいつも雨の日ばかり。

 

お堂の話↓↓

 

お堂に先生がいた頃は

「雨が降ると夫ちゃんが来てるのかと思うわ」って言われてたほど。

 

まさかの…

自分の葬儀の日も

やっぱり雨なんだね。

まるで夫が泣いているみたいで

…悲しい。

夫の涙雨かぁ。。

…雨男の涙雨

せつなすぎるよ(・_・、)。。。

夫の葬儀

12時から葬儀、告別式。

 

何もかもが初めてで

こういうもの自体に、ちゃんと参加したこともなく

人付き合いも、まともにしてこなかった私が

いきなり喪主なんて…

できる訳ないのに。。

 

でも、待ったなしにそのときはやってきて。。

 

悲しみと戸惑いと緊張と疲労で

ずっと目の前がユラユラ揺れてて、気持ち悪い。

 

何もわからないまま

目の前には知らない人ばかり。

それでも

葬儀屋の人、夫の従兄弟達や

義弟にサポートしてもらいながら何とか進んでいく。

 

この日まで、全く知らなかったけど

喪主のあいさつは、葬儀屋さんが全部用意してくれてて

それを読むだけなんだね。

だから私でも何とかできていった(できてないけど…)。

 

最後のお別れのとき

夫の棺の中には、あの世でも読めるように

夫の愛する、お堂の本をすべて入れて

あの世でも寂しくないように

夫の好きだったニャンコ先生(夏目友人帳)のぬいぐるみを

夫の顔の周りに添えて(笑いを誘ってしまったけど)。

 

最後に

夫のほっぺたをスリスリ触っていたら

もう私の知っている夫の感触ではなくて。。

夫の葬儀中、泣かずに踏ん張っていたけれど

最後に夫に触れたら…ダメだった。

 

我慢できなくなって

棺から離れてひとり泣いた。。

夫の葬儀で泣いていたのは

私と、たぶん夫だけ。。

 

 

昨日からずっと

誰かが私の腰あたりの服を掴んでいるような気がする。

ときどき服を引っ張ってきたり

ときどき腰にしがみついてきたり。

たぶん、夫なんだろうな。

 

ねぇ、夫ちゃん。

この光景見て、どう思った?

…あなたの葬儀だよ(  ´・ω)

最後まで夫を苦しめた腹膜偽粘液腫

その後、火葬場へ向かい

参列者に食事などを振る舞いながら

終わるのを待っていた。

が、予定の時間を過ぎても一向に呼ばれず。

「遅いね」などと言っていると、喪主の私だけが呼び出され

「お腹のあたりに塊みたいなもの(粘液)があって、それが焼けずに残ってしまい、時間がかかっています。こんなことは初めてです」…と。

 

夫が死んでも、粘液は残るの?

骨だけになっても、お腹の粘液は居座るの?

夫はもう死んでいるとはいえ

長い時間、高温にさらされて…

どこまで夫を苦しめたら気がすむの?

夫が何をしたの?

いったい、なんなの?

腹膜偽粘液腫って病気は、なんなの。。

何もかもが焼けてしまっても

腹膜偽粘液腫の固まった粘液だけは残るなんて。

本当にイヤな存在。

最後の最後まで、イヤな気持ちにさせる。。

悲しい思いにさせる、病気。。

 

もう夫を解放してあげてよ。。

 

腹膜偽粘液腫とは↓↓

すべてが終わって

その後また斎場に戻り、初七日法要と精進落としを行い

一応、今日はこれで終了。

 

最後の喪主のあいさつは

カンぺが用意されてなくて、しどろもどろ。。

何を言うところなのか

言葉も知らなくて、経験もないから何も出てこない。

マイクを持ったまま固まっている私を

見かねた義弟が代わって挨拶してくれたけど

もう、自分のダメダメさに、本気でへこんだ。。

恥ずかしかった(;ω;)

 

今日1日、なんにもできなかった。

40代のいい大人が

何も知らない、わからない、できないなんて…

ホント情けなさすぎる。。

 

そんな私に、夫の従兄弟達も義弟も優しい。

どれだけ感謝しても足りないくらい、感謝でいっぱいです。

ありがとうございました。

 

 

1日ぶりに家に帰ると

介護ベッドもポータブルトイレもそのまま

点滴セットもおしめも、夫がいたときのまま。。

変わらぬ光景に、夫だけがいない。

 

本当にいなくなったんだね。

昨日まで、ここに寝てたのに。

人が死ぬって

こういうことなんだね。

これ、きっついなぁ(・_・、)。。。

 

私も、夫も

これから、この現実を受け入れなきゃいけないんだね。。

~~ちょっと変な話~~

微妙だけど、かすかに霊感がある(と思う)から

こういうとき、さらに辛くなる。

 

昨日からずっと、私にひっついている夫とは別に

自分の死を理解していない夫の心が

生前のままベッドの上にいて

昨日から帰ってこなかった私に怒っている。

家の中が、とても寒くて怖い。

そして「どこ行っとったんや」って頭に言葉が浮かぶ。

 

ひとりで寂しかったんだね。

ずっと私の帰りを待っててくれたんだね。

でも…

「あなたの葬式に行ってたんだよ。ばか。私を置いて死んじゃったんだよ、夫ちゃんは…」

数秒後、部屋の空気が戻り、怖さも消えた。

そして怯えるように

私の腰にしがみつく、子供のような夫。。

姿が見えたらいいのに。。

 

 

今日は1日中、雨降りだった。

夫の代わりに空が泣いてくれてるみたい。

夫の涙雨…いつか晴れる日がくるのかな。

私の心も、いつか晴れる日がくるのかな。

 

すべての人が、心穏やかに過ごせますように(•ᵕ人ᵕ•)

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