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鼓曲萬来

鼓絆 太鼓以外の使用楽器 その1

この楽器
お祭り等のお囃子に大活躍致しますので
ご存知の方も多いと思いますが

チャンチキとか当たり鉦(がね)
摺り鉦(すりしょう)、鉦吾(しょうご)とか申しまして
お祭りの際等に締め太鼓2 大太鼓1 笛1の
組太鼓を助ける意味から四助(よすけ)とか言われる場合がございます

昔から賑わしとして有名なチャンチキですが
摺る(する)は縁起が悪いという事で「あたり」と申しますが
「するめ」を「あたりめ」というのと同じ語源でございます


一緒に写っているのが鈴(りん)
そして右側の撥で淵に当てたり、中央を擦ったりして演奏致します
この撥の事を撞木(しゅもく)と申しまして
竹の棒と鹿の角でできております

こういったマレット状のもの
金製、木製等がよく使われるのですが
以前は最高級品は象牙とされていましたが
鹿の角も象牙に負けず劣らずの音色を醸し出すのであります

手の平らで覆い包むように握って演奏致しますが
時に浮かして、時に握ってと音色に変化を付ける訳で
そりゃ名人芸ともなりますと
チャンチキがまるで宙を浮くように踊る
そんな演奏も何度も見させて頂きました

YOUTUBEに基本の打ち方がUPされてたので
こちらで演奏方法等をば

日本 当り鉦(邦楽囃子) 「当り鉦の唱歌」 

まあ盛者必衰と申しますか
昭和の中期にチャンチキは確固たる位置を楽器界に持っておりました
いわゆる、音頭物と申しますか
三波春夫「ちゃんちきおけさ」
あるいは植木等「スーダラ節」といった
打楽器奏者必遂のアイテムでしたが

しかし高度成長の時代が終わると共に
楽器界の王者たる位置も消え去り
現在はその存在自体も危うい状態ですが
その音色には何か身体中のエネルギーが湧き上がるような
復興のシンボルとも言う様な
日本人特有の
そんな未曾有の特色が込められている気も致します



しかし一連の植木等作品
作詞者は後の東京都知事w

話は変わりますが....
以前鼓絆に在籍しておりました田中博信という太鼓打ちがおりましたが
彼が今まで一緒に演奏したチャンチキ師の中で最高でありました
なんというかこの楽器はもともと持っている性格というんでしょうか
チキチンと鳴った瞬間に明るくめでたい感じが大切であります

彼は立ち上げから現在まで
AKB48の歌唱、及びレコーディングプロデューサーとして
現場で沢山の曲を指導しておりますが
まさかAKBのメンバーも彼が稀代のチャンチキ師である事等
夢にも想像出来んでしょうけど
彼こそ当代きっての本物のチャンチキ師であったのです

フォーチュンクッキーもよろしいですが
チャンチキの指導も頂いた方がよろしいかと
折角そばにいるんですから、もったいないですわw

今結構アイドルでも悩んでる人多いみたいだから
そういう時チャンチキ師に相談すると良いと思います
スッチキチン チャカ スチャラかチャン
と心が軽くなりますぜ。

鉄鉦 ドカン

本日紹介させて頂きますのはこれ
鉄鉦、或るいは鉄筒とも申しまして
我々の間では「ドカン」等と呼ばれる事もございます



見ての通り鉄の筒が3本合わさった形状ですが
実はこの楽器、我々御諏訪太鼓一門のオリジナルな楽器でありまして
他の太鼓チームでこれを使用している所はございません

右と左で音程の高低が付く、若干響きの良い部分と
中央のミュートがかかった部分の
3箇所を打ち鳴らして演奏するのですが

簡単に申しますと
カウベルの様な使い方が主でありますが
メロディを奏でたり
鉦(しょう)と言われるだけありまして
あの半鐘(はんしょう)にも通ずる
脅かしが入る如くの音色も出る訳です

で、この楽器に関しましては
音色に関してと申すよりは
各所に於いてのお騒がせNo1とも申すべき
多くのエピソードもございまして

ご覧の様な形状でございますので
今はそんな事は少なくなりましたが
以前は外国の空港での入国審査等の際に
一悶着起こるのが常でありました

税関や入国の審査員等からまずこの様に始まる訳です

「コレ、ナンデスカ~?」ですねw

楽器と申しても
なかなか理解して頂くのに時間が掛かる訳です
まあ、外国の方からしてみれば
何か危険な香りもする
物騒な代物でもある訳です
単体で持ち運べば
大砲の銃身にも見えるようで

更に持ち運んでいるのが
身体の良い、短い髪の太鼓打ちですから
次に来るのがこれです

「ユビミセテクレマスカ~?」ですw

いや笑い話でもなんでもなく
実際にこういった漫画の様な話にもなる訳です

と....入国審査の時には問題児でもある鉄鉦ですが
演奏時に於いてはあらゆる楽器の基本になる
リズムとテンポを
良く饗く音色でリードしていく
いわゆる演奏のペースメーカーとして
頼り甲斐のある、華やかな楽器とも申せましょう。

瓢箪

ようやく、太鼓スタジオの講義も再開致しまして
使用楽器の解説等をシリーズで


という事で...

瓢箪(ひょうたん)でげす

「有難いとは難有りと書く」と申しますが
いい時もあればそうでない時もある
そんな一得一失の日々や
泣き笑いの毎日
太鼓の轟音の中を掻き分けて
小粋にシャッシャッと瓢箪を振りながら渡って行く

まあ、いうなれば「打ち出の小槌」のような気分
或るいは「花咲爺さん、婆さん」と相変わりまして
演奏の士気を鼓舞するといったところでしょうか

中にはビーズであるとかお米とかが入っておりますが
此れをマラカスやシェイカーのように
シャッと振ってリズムを取る訳です

しかしながら
そこは太鼓演奏精神的コンダクターの瓢箪師

「五穀十薬、数珠の珠、金銀財宝」等を詰めている気持ちと申しますか
地を鎮める、浄めるといったそんな気持ちが大切であります

上達のコツはですな
この先の小さな口から
大きな駒(馬)を振り出すといった按配で
シャッ!....と

正に「瓢箪から駒を出す」w

あり得ない事をも可能にする訳でございます

なあに多少リズムがずれようが
それが又、風情というものでもありまして

まあ、なかには「一攫千金」といった気持ちで振る方もおりますが
そういう演奏は臭くていけません
そういう方は「ひょっとこ」の面でも被ってお振り下さいませ。

という事で本日は瓢箪でございました。

謝 


五穀:
人間の主食となる代表的な五種の穀類
 日本では米・麦・粟(あわ)・黍(きび)(または稗(ひえ))・豆をいう。 
十薬:
それ以外の穀物の事
又、ドクダミの事を十の薬用効果があることから十薬と呼ぶ事もある
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