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【自分に合う楽器】安い楽器、高い楽器、そんなの人の勝手

悩んでいる人

トランペットを購入してみたいが、相場となる値段が分かりません。自分に合うトランペットがどの価格のものなのか教えてほしい。

 

こんな方にオススメの記事です。

 

本記事の内容
  • トランペットの相場について
  • トランペットの何が違うと値段が変わるのか
  • どのような値段のトランペットを選ぶべきか

こんにちは、Hikaruです。

先日私はこのようなツイートをしました。

 

 

市場の中で売っている物には必ず値段がついています。

値段について考える時、私たちは「高い or 安い」という物差しで測ります。

そしてなんとなく「値段が高いものは高級で、安いものは造りが悪い」という法則があるような気がしていませんか?私も物を買う時にそのように考えることがよくあります。

トランペットにも果たしてこの法則は当てはまるのか、トランペットの相場や値段の違いを絡めながら解説していきます。

それでは実際にトランペット相場がどのくらいなのか、見てみましょう。

トランペットの相場

日本で販売されているトランペットの相場は、おおよそこのようになっています。

  • 安い楽器:1~15万円
  • 中くらいの楽器:15~30万円
  • 高い楽器:30万円~

多少の前後はありますが、ヤマハなど国内メーカーは初心者向けまたは廉価版モデルには5~15万円程度を、プロモデルと呼ばれる楽器には30万円前後の値段をつけているので、大体当てはまります。

トランペット購入の際には、予算と相場を見比べながらどの楽器が良いか決めていく必要があります。

なぜトランペットの値段は変わるのか

トランペットの値段は主に以下理由で変化をします。

  1. 原材料費の変動
  2. ブランド力
  3. 国産・海外産
  4. 楽器の造り

 

①原材料費の変動

トランペットは基本的に真鍮(ブラス)という合金を材料に作られている金管楽器です。(たまにカーボン素材の楽器などがありますが、ここでは除外します)

真鍮は金や銀などのレアメタルと同様、値段が時期により上下することがあります。

なので真鍮が高くなっている時期に販売され始める楽器は値段が高くなる傾向があり、逆に真鍮の値段が下がっている時期に販売される楽器は値段が安くなる傾向があります。

実際に真鍮の原料となる銅や亜鉛の値段は2010年頃に高騰し、それにあおられるように輸入楽器の値段が軒並み上がりました。バックの楽器などはそれまでは30万円しないくらいだったのが、急に35万円前後まで跳ね上がり、驚いた記憶があります。

また少し本題とずれますが、素材の違いによっても楽器は値段が変わってきます。

トランペットは真鍮の中でも「イエローブラス」と呼ばれるタイプのものが主に使われていますが、たまにベルへゴールドブラスと呼ばれる銅の比率が多いものが使用されることがあります。

ゴールドブラスの楽器はイエローブラスの楽器よりも1~3万円程度価格が上がる傾向があるので、覚えておくと良いでしょう。

MEMO

・イエローブラス:銅70%、亜鉛30%:安価
・ゴールドブラス:銅85%、亜鉛15%:やや高価
・レッドブラス:銅90%、亜鉛10%:高価

★真鍮についての詳細は以下記事にございます。よろしければこちらもどうぞ。

②ブランド力

皆さんはいわゆるブランド品を持っていますか?

例えば「ルイ・ヴィトン」の財布などは10万円またはそれ以上の価格がつくことがありますね。

ですがその辺の雑貨店でも財布は千円程度から売っています。用途は全く同じ財布のはずなのに、ここまでの差が出るのは不思議な話です。

もちろん、造りや品質の精巧さによってヴィトンの財布に高値がついているということもあるでしょうが、それ以上にヴィトンの財布には「ヴィトンというブランド」に対する値段がついています。

ブランドとは、持っていることがステータスになったり、箔が付いたりといったような、付加価値を持っているものです。

実はブランドの考え方は楽器にも当てはまります。

トランペットにおいて特に高級とされるメーカーに、モネットやベストブラスなどがあります。これらのメーカーの楽器は100万円は下らなく、中古市場でも50万円以上で取引されるほどに高価な楽器です。

例えばモネットと全く同じ性質を持つ楽器ですが、これまで世間に表立ってこなかったメーカーAがあるとします。果たしてこのメーカーAの楽器に、モネットと同じ値段が付くでしょうか?

答えはNOです。

ブランドは上述の通り、「持っていること自体がステータス」になり得るものです。モネットやベストブラスなどは既に世間で名が知られており、もしこれらの楽器を持っている人がいたら、「すげー!」と思われるはずです。

しかしメーカーAのようにほとんどの人が知らないメーカーの楽器には、制作に有名なメーカーと同じだけの手を掛け、それがどれだけ良い楽器であっても、ブランドという付加価値を付けることは難しいのです。

このように、ブランドの違いで値段が変わることは頭に入れておきましょう。

③国産か、海外産か

②のブランド力と少し似ている部分がありますが、基本的には海外産の楽器は、自国で生産するよりも値段が上がる傾向があります。

これは輸入代理店が国際取引を行う関係で、必然的に「関税」がかかってしまうためです。そのため海外産の楽器には、関税や輸送費などの費用を上乗せした分が楽器の値段にのしかかります。

また日本と海外の人件費の違いや、製造コスト、材料費の違いなども値段の変動に大きく関わります。

国産のヤマハやXOなどは値段の変動があまり見られず、基本的に安定した価格で提供されていますね。

④楽器の造り

当たり前の話かもしれませんが、作り込んである楽器ほど値段は高くなる傾向があります。

楽器はグレードが高くなればなるほど作り込まれ、個性豊かな音色や心地よい吹奏感をプレイヤーに提供してくれるようになります。(もちろんこの限りではありませんが)

他には楽器の製法、特にトランペットの場合はベルをどのように製作するか、他にもマウスパイプやチューニングスライドの造りの違いによっても値段が変わってきます。

例えばベルは一枚取りと二枚取りという二種類の工法があります。一枚取りはイチョウ型の真鍮の板を職人が加工することでベルの形へ成形されます。

対して二枚取りはベルを二つのパーツに分けてくっつける工法で、大量生産に向いています。

どちらの方が手間がかかっているかと言えば当然一枚取りなので、こちらの方が価格は上がりやすいです。

このように楽器の工法や製法の違いによって値段は大きく変わってきます、こちらは人件費にも関わってくる部分ですね。

値段が高ければ良い楽器なのか

ここまで楽器の値段に関係する内容について触れてきましたが、ここからは値段が高い楽器は良い楽器なのか、という点について解説していきます。

結論から言うと、確かに「私が良いと感じる楽器」は値段が高いものが多いです。

値段が高い楽器=良い楽器の理由
  • よく作り込まれている=ベテラン・プロ向き、個性のある音がする
  • ブランド力が高い=持っていることがステータスになる

さて、この上記の理由を見てどのように感じたでしょうか?

すごく主観的じゃないかと感じた方、まったくその通りです。それもそのはずで、上に書いたのは私が良いと感じる楽器はどんな楽器かというポイントです。

私はトランペットを演奏し始めてそれなりに時間が経っており、レッスンもさせて頂いている身なので、ある程度自分の要求に応えてくれる楽器を求めます。

ですが初心者の方やこれから楽器を始めようとしている方にとって、個性の強い楽器やクセのある楽器、そして楽器にステータスなどを求めるでしょうか?

もちろんそのような方もいるとは思いますが、全員がそうではないと私は考えます。

ここで今回の記事の最大のテーマになりますが、「良い楽器は人によって変わる」のです。

例えば予算が10万円の人に30万円の楽器を勧めるのは完全にミスマッチになりますよね?

またプロモデルが良い楽器だと考えている人に対して、エントリーモデルやミドルレベルのモデルを進めても、需要のミスマッチになります。

そのためどのような楽器が良い楽器なのかは、人によって大きく変わってきます。


 

 

ここからはいくつかのケースを例に、どのような値段のトランペットを選ぶべきかを考えてみます。

 

例1、これから楽器を始めたい人(予算:10万円くらい)

全く楽器を触ったことがない人で、そこまで予算を持たない人のパターンです。

この人は扱いに慣れていない中、いきなり高い楽器を買ってしまって壊してしまったらどうしようという心配や不安を持っているかもしれません。

そのため予算を抑えて楽器を選ぼうとしています。

初心者向けのモデルは基本的に音が出しやすく、10万円も出せばごく普通の機能を備えたトランペットが手に入るかと思います。

なので10万円程度のヤマハのエントリーモデルや、その価格帯の楽器がこの人には合っていると言えます。

 

例2、良い楽器が欲しい人(予算:50万円くらい)

この人は初心者かベテランかは分かりませんが、いわゆる「良い楽器」が欲しいと感じている方です。

かなりの予算を用意していることから、しっかりしたブランドを持つメーカーかつ個性がある楽器を求めようとしているのでしょう。

ヤマハのアーティストモデルや、バック、シルキーなど、値段としても40万円前後やそれ以上の楽器などが例に挙げられますね。

シルキーだと若干予算オーバーしそうなので、この人はバックのアルティザンを購入しようとしました、恐らく満足できる結果になるでしょう。

例3、ある程度安くて吹きやすい楽器が欲しい人(予算:15万円くらい)

この人は値段を抑えつつ吹きやすい、いわゆるコスパの良い楽器を求めている人です。

恐らくエントリーモデルの楽器は吹いてみて、ある程度吹けるようになってきた方か、既にプロユースの楽器を所持しているのでもう一本少し趣向の違う楽器を持ってみたくなってのかもしれません。

それであればキャロルブラスやクイーンブラス、バックのヴィンセントモデルなど、値段を抑えつつ上位機種やプロモデルの機能を備えた楽器が、この人にとっては良い楽器となるでしょう。

 

まとめ

今回はトランペットの相場や値段の変化から、どのようなトランペットを選ぶべきかをケースによって分別してみました。

改めて今回の記事のテーマですが、「何が良い楽器はその人によって変わる」ということです。

記事のタイトルの “安い楽器、高い楽器、そんなの人の勝手”という言葉ですが、ポケモン金銀の四天王カリンのセリフをもじったものです。同世代の方ならニヤッとしてくれるワンフレーズなのかなと思います。

実際に高い楽器ほど良い楽器なのかと言えばそんなことはなく、上で例に出したモネットなどは非常に高価ですがジャンルや演奏する人を選ぶ楽器なので、初心者にとっては良い楽器でないケースもあります。

そのため購入する楽器の選択を誤ると、不要な出費をしてしまったり、自分の求めた楽器でないことから心が埋まらないで悶々としたまま楽器と付き合っていくことになってしまうでしょう。

楽器に何を求めるのかを明確にしておくことで、楽器とのミスマッチを防ぐことになりますし、楽器を手に入れた後の練習のモチベーションも上がります。

皆さんも値段に惑わされず、本当に自分が欲しい楽器を探してみてくださいね!

今回はここまで、それではまた!

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