中国語の様態補語
2020/9/30
「他说得很清楚」は「彼ははっきり話す」という意味の様態補語を使った文です。一見、可能補語の「はっきり言うことができる」のように見えますが、可能補語は「動詞+得+補語」の補語に副詞「很」を置くことはできません。
この様態補語は、動作の可能不可能ではなく、状態を説明しています。
今回は「中国語の補語」でまとめた補語の種類と使い分け方、目的語の位置、否定・疑問の文型の中でも、容態補語の詳細をまとめてみました。
様態補語
動詞・形容詞の後に置いて動作の状況を説明したり、状態を具体的に説明する補語を様態補語と言います。
様態補語は「得+補語」を動詞または形容詞の後に置き、動詞+得+補語の形を取ります。
補語には、形容詞の他に介詞フレーズや主述フレーズを置くことができます。形容詞の様態補語では、動詞や介詞フレーズを置きます。
例えば「我忙得连吃饭的时间也没有(私は仕事が忙しくてご飯を食べる時間さえない)」です。ただし、「彼は仕事が忙しい」のように動作の状態や具体的な状態を表さない場合は「他工作很忙」と様態補語は使わないことに注意が必要です。
様態補語の目的語
様態補語を伴う動詞が目的語を持つ場合、動詞+目的語の後に動詞+様態補語を繰り返して動詞+目的語+動詞+得+補語の形をとります。
補語の前後に目的語を置くことはできません。動詞の繰り返しは、量詞(時間や回数)を使った場合の「主語+動詞+目的語+動詞+時間/回数」と同様です。
このとき、目的語の前の動詞は省略可能です。
動詞+目的語+動詞+得+補語
目的語+動詞+得+補語
様態補語の否定文
様態補語の否定は補語の前に「不」を付けます。
「得」を「不」に替える可能補語とは異なります。
動詞+得+不+補語
様態補語の疑問文
動詞+様態補語の文の疑問形は「吗」を文末に置きます。
または、動詞+得の後に補語の肯定と否定を並べた反復疑問文を用います。動詞+得+補語+不+補語となり、可能補語のように動詞は繰り返しません。
動詞+得+補語+吗?
動詞+得+補語+不+補語?
この他に、疑問視「怎么样」を使って動作の様子・評価を尋ねることも可能です。
動詞+得+怎么样?
得と地の違い
「彼は非常に流暢に中国語を話す」と言いたい場合、「他说汉语说得非常流利」のように様態補語を使います。
一方、「彼は非常にまじめに中国語を勉強している」と言いたい場合は「他非常认真地学习中文」のように、「~+地de+動詞」の形で動詞を修飾するのが一般的です。
「~+地+動詞」も「動詞+得+~」と同じように、動詞、形容詞、主述フレーズ、介詞フレーズを~の部分に置いて動詞を詳しく説明します。
「動詞+得+~」の様態補語は、動作の結果、動作や状態の描写、話し手からの動作の評価を表す場合に使用されます。
例えば「他感动得说不出话来(彼は感動して言葉が出なかった)」「他看电视看得很入迷(彼は夢中になってテレビを見ている)」「他说的很慢(彼はゆっくり話す)」です。
この様態補語は、動作主の感情を表す場合には使用できません。この場合は「~+地+動詞」を使用して動詞を修飾します。
例えば「他感动地说(彼は感動して言う)」は、様態補語に書き換えることはできません。
様態補語の例
様態補語は、方向補語・結果補語・可能補語と比較して補語になれる種類が多く、主述フレーズのような文も補語になるため、一見ややこしく感じてしまいます。
そこでよく使用される様態補語の例を下の表にまとめました。
動詞+得+補語
補語 | 例 |
---|---|
形容詞 | 他(起床)起得早 |
副詞+形容詞 | 他跳舞跳得很好 |
介詞フレーズ | 她说日语说得跟日本人一样好 |
主述フレーズ | 我跑得满身都是汗 |
形容詞+得+補語
補語 | 例 |
---|---|
動詞+(目的語) | 他累得不想吃饭 |
介詞フレーズ | 我忙得连吃饭的时间也没有 |
まとめ
以上、様態補語の使い方と「~+地+動詞」と「動詞+得+~」の違い、よく使用される様態補語の例をまとめてみました。
様態補語は一見可能補語のように見えたり、補語に文(主述フレーズ)を置くことができたり、動作主の感情には使用できなかったり、難しく感じてしまいます。
同じように苦手意識を持っている方の参考になれば幸いです。