妊娠を避けたいときに使う『緊急避妊薬』と予定外の妊娠をしてしまった時に利用できる『妊娠SOS』

妊娠は、女性にとって人生の中でビッグイベントです。

  • 妊娠を望んでたら妊娠して幸せを感じる方
  • やっとの思いで妊娠して、幸せを感じつつ不安を感じる方
  • 予定外の妊娠で、驚きと嬉しさが混じる方
  • 予定外の妊娠で、辛い方

全ての妊娠が喜びでないことをひしひしと感じるこの頃です。

目次

保健師として働きだしたころ、予定外の妊娠に対して間違った対応をしてしまった

私が保健師の職に就いてすぐの頃、1件の電話がかかってきました。予定外の妊娠をしてしまったと。保健師になり、間もない私はそのような電話相談を受けた経験もなく、不安と緊張でパニック状態。少しお話した後、妊娠して困っている相手を「お母さん」と呼ぶわけにもいかず、相手のことをなんて呼んだろうと焦り、「なんてお呼びしたらいいですか?お名前聞いてもいいですか?」と私は言ってしまいました。なんて配慮の欠けた質問をしたんだろうと、その瞬間、反省しました。もちろん、電話はその場で切れました。どんな気持ちで相手は電話をしたのか、電話するのにどれだけ勇気が必要だったか。
それを考えるだけで申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
今なら以前とは違ってもっと寄り添って傾聴できただろうなと、今も反省しています。

予定外での妊娠

予定外で妊娠してしまう状況は人それぞれです。

  • 学生で妊娠してしまった
  • 子どもがいて経済的に厳しい状況の中、妊娠してしまった
  • 性被害にあって妊娠してしまった

出産するか否かで、今後の生活はがらりと変わります。学生が妊娠し出産すると、学校はどうしたらいい?経済面は誰に頼る?出産後仕事しなきゃいけない?など、将来を決断していかなければなりません。
妊娠することで、今まで自分が思い描いていた将来像ががらりと変わります。やりたかったことが制限されたり、できなかったりします。もちろん出産後に叶えられる場合もあり、出産することが悪いわけではありません。中絶するか、妊娠を継続するかは、その方次第です。
ただ、妊娠を希望していないのであれば、身体的・精神的負担がないよう、避妊を勧めます。中学生・高校生・大学生・その他の妊娠したら困る方は、避妊は必ずしましょう。排卵日あたりを避けているから大丈夫というのは、間違いです。妊娠を望まない男女が避妊をしない性行為は、妊娠した時にお互い辛い思いをします。お互いのためにも避妊は必ずしましょう。

緊急避妊薬

避妊具が破けてしまった、性被害にあってしまった、など妊娠を望まない方に対して、緊急避妊薬というものがあります。内服したからといって、必ず妊娠しないというわけではありませんが、妊娠を回避する方法の1つです。2023年11月末から、試験的に薬局で緊急避妊薬が販売されています。病院を受診しなくても、一部の薬局で緊急避妊薬が購入できるという感じです。

薬局での販売をする上で

  • 年齢によって、産婦人科を紹介されたり、保護者の同意が必要
  • 身体的な面で販売ができないこともある
  • 薬局での販売は研究としてされているのでアンケートや同意書の記入が必要
  • 薬局へ事前に連絡が必要
  • 薬局では薬剤師さんとの面談がある

といったところが必要になってきます。国内で145か所の薬局が販売を行っています。自分の家からその対象となる薬局はあれば良いのですが、少し遠い可能性もあります。販売している薬局はどこなのか、私自身も調べてみたのですが、「緊急避妊薬 薬局 販売」などで調べると、一発で検索結果上位にはヒットしなかったので、こちらにURLを紹介しておきます。(日本薬剤師会のHPから見つけるか、ニュースでURLを紹介している所から見つける、という感じだとたどり着きます。一発で検索結果の上位に来てほしいな…と思うのですが…)

また、薬局での販売以外としては、従来通り婦人科を受診して緊急避妊薬を処方してもらう方法があるので、厚生労働省が緊急避妊薬を取り扱っている病院を一覧にしています。必要な方は是非参考にしてください。

緊急避妊薬を内服したから大丈夫というわけではありません。その後妊娠に気づかず、妊娠中期や後期の受診はとても危険です。妊娠は全員が無事出産にたどり着くわけではありません。妊娠や出産で母が亡くなることもあり得ます。なので緊急避妊薬内服後は婦人科受診することをお勧めします。

妊娠SOSってなに?

妊娠したかもしれない…でも学生などで、妊娠を親に言えない…そんな方はもちろん保健センターの保健師にご相談ください。もちろん匿名で大丈夫です。保健センターはちょっと…という方へ妊娠SOSというものがあります。状況を聞いて、今後どのように対応していくかというのを一緒に考えてくれます。

『妊娠したかもしれない』そう思った時は、どのような状況下でも、必ず病院を受診して相談してください。病院を受診せずに出産するのは、母子ともに命にかかわるので、とても危険です。たまに「トイレで出産した」というニュースが流れてきますが、母子ともに健康であるのは運が良かっただけです。みんながみんな、そういうわけではありません。出産は命にかかわることです。子どもだけでなく自分自身の命を守るためにも、一人で抱え込ます、必ず保健センターや妊娠SOSなどへ相談してください。学生の方は「親に怒られる」と怖がってなかなか言い出せない方もいます。ただ、親からしたら我が子が一人で悩みを抱えていたり、命の危険がある状況の方が親にとっては辛いです。どうやって親に伝えるか、一緒に考えましょう。

妊娠したけれどお金がない、パートナーと連絡が取れなくなった、親に言えない…などの悩みを抱えている方、解決の糸口を一緒に見つけましょう。

一人で悩まず、匿名でOKなのでどこかに電話やメールなどをしていただけたらと思います。


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