暗号資産でお金を失う典型例!

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ビットコイン・チャート

〇〇はこうして資産を失った・・・

そもそも、仮想通貨投資は難しい、手を出しがたいと考える人が意外と多いのですが、ホントは超カンタンです。 売買をする仮想通貨取引所に入出金などのためのアカウント(口座)を作りさえすれば、取引はすぐに始めることができます

株とは違い、低額から投資できるのも特徴です。ビットコインには最低取引単位があって、取引所毎に異なるとはいえ、例を挙げると、0.001BTC単位ならば、取引価格が1BTCが150万円に必要なのに対して1500円から投資することができます。 しかも、仮想通貨は24時間365日取引ができるのが最大の魅力でリスクでもあります。

売買手数料は取引所ごとの違いはあるにせよ、0.01%程度の低さで、「ゼロ」をうたうところもあります。

株式投資は実際元手が少ないと大したことはできないのですが、暗号資産はFXと似ていて、簡単で低コストで始めることができて、成功した時のリターンも大きいわけです。

プラス面を見れば、まさにいいことづくめの投資対象なのですが、当たり前ですがね、おいしい話には必ず「裏の面」があります。 ビットコインをはじめとする暗号資産投資には、とんでもないリスクがあることも忘れてはいけません。

【リスクⅠ】元本保証などない世界が暗号資産!

教訓

  • 暗号通貨は、余裕資金で楽しむべし

暗号資産には、そもそも、預金のように元本の保証はありません。 ということは、運用に失敗すれば資産が大きくマイナスになる可能性が普通にあります。

【リスクⅡ】値動きはとても大きい!

仮想通貨は値動きがとても大きく、そのスピードも数時間単位で起きたりします。1日に数十万円動くこともよくあり、それだけリターンを稼げる可能性がある半面、大損をこいてしまうリスクも普通にあります。

【具体例】資産喪失!

知人D氏(信用組合関連)が資産喪失した例を、詳細をぼかしながらチェックしてみます。

D氏はビットコインに投資を2017年12月にはじめ、1BTC=約200万円で購入しました。 当初は、レバレッジを大きくとれる業者がたくさんあって、10倍のレバレッジを設定して取引していました。 D氏の元手は300万円、10倍のレバレッジですから3000万円でビットコインを購入して、その利ザヤを稼せぐことができます。 数時間で1BTCが200万円が230万円になり、このときはわずか数時間で400万円以上の利益が出ました。 当時の相場では、10倍のレバレッジでも、この金額でトレードを行うと一回当たり数十万円の利益が頻繁に出ました。

このボラリティの大きさは、FXにしがみついていた投資家を引き付けるのに十分なものです。

でも、そんな喜びの時間もつかの間です。

ビットコイン価格が、その230万円から2日ほどで、150万円まで一気に暴落しました。

普通なら、230万円が150万円になったら、80万円溶かしちゃったで泣きわめいて、値上がるのを待つ程度ですが、D氏の場合はそれではすみません。

なぜならレバレッジ取引では、一定以上の価格急落時では、取引所から強制的に保有しているビットコインを強制売却される(つまりほぼ投げ売りされる)のですが、これに引っかかってしまったのです。当時の相場を後から分析してみれば、もう少し待ったら、そこそこ価格は持ち直す(損失はそこそこで抑えられた)のですが、強制売却の場合は、待つということをしてくれません(ただし、追証を入れれば問題なく待ってもらえます)。

要するに、大損が確定です。

同年の12月22日には、再びビットコインが急落し、元手の300万円はゼロになります。

価格の予想はできるのか?

価格下落の「予兆」を察知できていれば、D氏が踏んでしまったような資産消滅のリスクを回避できたはずです。暗号資産投資をまだ始めていない方は、まずそう考えると思います。 しかし、実際、暗号資産投資では、それはほぼ不可能です。

理由は実は簡単です。ビットコインを始め暗号資産の価格には、突き詰めればその価格である「根拠」などないからです。

円やドルの場合は、日本の国土や建物や、交通手段、軍隊、要するにインフラなどを現金化して計算すれば、国家の価値がわかります。それを数値化したものが、通貨であって、円やドルの価値は、これ以下はありえない、これ以上はありえないということが根拠を持って説明できます。

一方、国家などの管理者のいない、中央銀行の存在しない暗号資産にはそのような根拠はありません。どんな価格になるのかが、理屈の上からはまったく読めないものです。

株の場合で考えると、株式配当や株主優待が受けられるなど、所有するメリットが少なからずあります。債券の場合も同じで金利がつき、満期にはお金が戻されます。

しかし、通貨と名乗ってしまう仮想通貨(暗号資産)、ビットコインにはそういうものがないので、理論価格はゼロが妥当です。つまり、仮想通貨がここまで値上がりしたことが異常ともいえ、価値ゼロのものが莫大な金額で取引されていることは、まさにバブルとも考えられます。 もし、本当にバブルなら、どんな些細なきっかけで、いつ弾けてもおかしくないとも言えます

もっとかみ砕けば、ビットコイン相場は、皆が上がると思っているときは買われ、買われるから上がる。 その一方で、これがいったん逆方向に動き出せば、今度は逆回転を始める。最悪の場合、その価格はゼロまで落ちる可能性もあり得ます。

理論の上では上のようになるとはいえ、現実には、ビットコインの価値がゼロになるとは考えにくいです。 私個人は、いわゆるITバブルの変化版であると考えています。

IT企業がたくさん登場した2000年代前後を思い出してください。 様々なサービスを行う会社が登場しましたが、生き残っていき企業は数えるほどしかありません。同時に、生き残った会社の多くは、時価総額が尋常足らざる超大企業になっています。そういった会社がサービスを始めた当時は、「ITでなくてもいい」「直接面通しで取引すればよい」などという意見があり、「IT企業は結局何も生み出さない」と結論付ける大物経済人が多かったことを思い出してください。

暗号資産市場も、多くの通貨が消えてしまうことは目に見えています。その一方で、生き残る暗号資産もあります。その生き残った資産が莫大に膨れ上がることは、投資家ならだれでも想像することでもあります。

今回は主に、暗号資産投資のマイナス面を見てみました。 本当に投資額がゼロになることはありえます。 しかし、このリスクは儲けを大きくする逆リスクともいえるわけです。 リスクは分からずに飛びつくから本当のリスクになるのであって、理解したうえでリスクをとるのは、別に悪いことでも愚かなことでもありません。

教訓

  • 暗号通貨は、余裕資金で楽しむべし
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