2万年の刻を語る森の化石『地底の森ミュージアム』(仙台市)

宮城県

氷河期の森をそのまま保存・展示したミュージアム。館内に横たわる森の化石は、力強く不思議な魅力を放ちます。2万年という時の流れを感じることができる古代ロマンあふれるスポットです。

2018/9/17(月)

遺跡を展示する古代博物館

地底の森ミュージアムは宮城県仙台市にある、考古博物館。旧石器時代をテーマに、遺跡をそのまま保存・展示している歴史ミュージアムです。

開館時間:9:00~16:45
休館日:月曜
料金:460円

「地底の森」ってなんだか惹かれる名前じゃないですか?ネーミングセンスが良いスポットは、わざわざ行ってみたくなります!

これが「地底の森」だ!

入館するとそこはオーバルな広い空間。その中央部分は開けており、そこには地面を這うように黒い何かが広がっています。

この黒く広がっているものの正体は樹木。発掘調査により見つかった2万年前の氷河期の森を、特殊な薬品で処理することで、発掘されたままの姿で展示・保存しています。

この森の多くは、トミザワトウヒという絶滅した植物。シカのフンや昆虫なども一緒に見つかっており、当時の生態系を知る手がかりにもなっています。

考古学についてはほとんど知識がないため、その歴史的価値を理解するのはなかなか難しいです。しかし、真っ黒な木が這うように広がる光景というのは何だか妙に惹かれるものがあります。まるでアート作品を眺めているかのような気分です。

古代人の暮らしの跡

この地底の森には、なんとたき火の跡も残されています。

それは、ここで旧石器時代の人類が生活していたことを示しています。

旧石器時代といえば、石器を使って狩りをしたり木の実や植物を採集して暮らしていた時代。土器や竪穴住居で有名な縄文時代の前の時代です。そんな大昔の人々がこの場所で火を起こしていた・・・考え出すと、壮大な歴史ロマンに飲み込まれそうになります。

地底の森の天井からはスクリーンが降りてきて、シアタールームに早変わり。2万年前の人々の何気ない暮らしが再現された映像を見ることができます。

この映像、アニメやCGではなく、なんと実写です!古代人に扮した役者さんの演技は、なかなかインパクトあります。毎時10分、30分、50分に放映されており、上映時間も10分と短め。訪問した際はぜひチェックしてみてください!

遺跡ミュージアム

地底の森ミュージアムの1階は遺跡ミュージアム。この周辺には、富沢遺跡という旧石器時代の遺跡があり、ここではその出土品や解説を見ることができます。ちなみに地底の森ミュージアムの正式名は「仙台市富沢遺跡保存館」というらしい。

 

日本各地の旧石器時代の遺跡を示した地図。こうしてみると、この時代から日本各地に人類は暮らしていたのですね。

先ほどの地底の森の一部も展示されています。ポリシロキサンという薬品を塗ることで、カビなどから守っているそうです。不気味に根を広げた様子は、封印されている魔物のようにも見えます。

こちらは旧石器時代のファッション。カラムシという植物の繊維から作られているそうです。

カラフルで装飾もありとってもおしゃれ。チャイハネやチチカカみたいなエスニックショップに並んでいても違和感なさそうです。

再現された氷河期の森

順路に沿って館内を進んで行くと、最後は屋外へと繋がります。

一歩踏み出すとそこは氷河期の森。現代の植物を用いて、氷河期にこの地域に広がっていた森を再現しています。

尖っているのはアカエゾマツ。先ほどの地底の森を構成する、トミザワトウヒに似ている樹木だそうです。他にもシラカンバ・ハンノキなどの広葉樹が植えられており、どことなく寒そうな雰囲気を作り出しています。

立派なヤマブドウも実っていました。

季節によっては、ミズバショウやミツガシワなどの花も見られるそうです。

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