外郎売 (声にだすことばえほん)
京の生鱈(なまだら)、奈良、生まな鰹(がつお)、ちょっと四五貫目(しごかんめ)。お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、青竹茶せんでお茶ちゃと立ちゃ。
がらぴいがらぴい風車。おきゃがれこぼし、おきゃがれこぼおし、ゆんべもこぼして、又こぼした。
アナウンサーが滑舌の練習のために外郎売の口上を使ったりもするそうです。「滑舌のよさ」というのは、舌が回ることだけでなく、息がうまく切れることが大切です。ダラダラメリハリのないしゃべり方になる子は息をうまく切る練習をするとよいかもしれません。
しかし、この絵本、読み聞かせるには親も早口言葉の練習がいりますね。
江戸時代の文化が分かる味のある絵なので、絵を細かく見ていくのも面白い絵本になっています。
外郎売(ういろううり)って何?
「外郎売」は日本に昔からあった早口言葉を詰め込んだ歌舞伎の芸です。江戸時代に歌舞伎役者 市川 團十郞(いちかわ だんじゅうろう)が“ういろう”と呼ばれる中国伝来の丸薬によって自分の持病の咳が止まったことに感謝して初演したのがはじめと言われています。外郎売は市川 團十郞の十八番の一つにもなっている演目です。
また、“ういろう”は飲むと口が回りだしてとまらなくなるという効用があり、それを実証するために早口言葉を連ねていくという形をとっています。物を売るためのセリフは「物売り口上」と言われますが、外郎売の面白さは“ういろう”を効用を示すための早口言葉にあるのです。
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