プレセッショナルコースはイギリス大学院行くなら絶対に受けておけ

どうもこんにちは、りのです。イギリス大学院留学計画を進める際に多くの人が迷うのが、プレセッショナルコース受講の有無でしょう。

今回は、懐事情と退職時期の兼ね合いからプレセッショナルコース受講をしなかったりのが、俺の屍を超えてゆけという思いを後に続く誰かに託したい記事です。はい。笑

プレセッショナルコースとは

イギリス大学院のプレセッショナルコースとは、本コースで授業に支障をきたさないために英語力向上やエッセイの書き方等様々なアカデミックなルールを学ぶことを目的として、イギリス国外から来る留学生向けに本コースが始まる前に提供されるコースです。

期間は最短で2,3週間で、長いものだと6カ月あります。ここからは私の推測になるので実際のプレセッショナルコースの内容に関しては体験談などをぐぐって頂きたいのですが、期間が短いコースはエッセイの書き方やプレゼンの行い方など大学院で学ぶにあたり守っていかないといけないルールについて、それに対して期間の長いコースは英語力の向上に焦点をあてているのでしょう。実際、半年プレセッショナルコースを受けた私の知人から大学内に併設された語学学校に通っていたと聞いたことがあります。

プレセッショナルコースの価値

私のように海外長期滞在がない人間にとっては特にプレセッショナルコース受講の価値はとてつもなくあがります。

例え無条件合格を貰っていたとしても、「無条件合格ができる英語力がある」=「英語圏で全く支障なく高等教育を受けられる」いう等式は絶対に成り立ちません。考えてもみれば当たり前のことで、それまで暮らしたことのない、全く教育システムが違う国で学ぶわけですからある程度その教育文化、システムの流儀を学ぶ期間は短くてもあった方がいいです。学生時代の体育の時間には必ず準備運動の時間があったと思いますが、プレセッショナルコースがこの準備運動としての役割を果たしてくれるので負荷の高い本コースが始まっても体が馴染みやすいわけです。

準備運動を侮るなかれ、環境の違いというやつは自分を思っている以上に圧倒してきます。私はイギリスへは旅行に過去に5度も来たことがあるにも関わらず、外に出ると世界の全てがアルファベットで構成されることにどうしようもない嫌悪感を抱いた時期があったぐらいでした。笑 今思うとなんじゃそりゃって感じですが、時として自覚する以上に環境の変化はメンタルへの負担になるということです。

日本というのは外から見ると非常に特殊な国で、英語という日本語とは共通項の限りなく少ない言語が公用語で、外の景色、社会の在り方、食習慣、入浴習慣等々が全く違う国で日々のリーディングやディスカッションをこなさなければならない大学院生活は自分が宇宙人になったような感覚に陥ることもありました。他国から来る人が実際どの程度の衝撃を感じるのかは想像することしかできませんが、私たち日本人にとっては相当なインパクトがあります。

さらに、プレセッショナルコースは本コースより圧倒的に友人を作りやすい環境があります。外国人とのコミュニケーションは共通語とする言語レベルが同じ時、お互いに最も心地よい、丁度良いものになります。片方が流暢で片方がぎこちないと、よほどの理由(恋愛感情はよほどの理由の典型ですね)がない限りは維持するのが難しいです。

本コースに行くと、様々な国から留学生が来ていて、彼らのほとんどはネイティブとのコミュニケーションに遜色がない程度の英語を身に着けているし、なんなら地元のネイティブたちがクラスメートになるので、この言語の壁を乗り越えないとなかなかこの人達と仲良くなるのは難しいです。また、日々の課題に忙しく親交を深める機会は実際あまりありません。まあ、これはコースの雰囲気にもよるかもしれませんね。私のコースは親交を深めようという雰囲気はほぼなかったです。

これに対して、プレセッショナルコースは英語に不慣れな人達が集まっていますし、皆見知らぬ土地で心細いですから早く友達を作りたいというやる気(?)に満ち溢れています。この繋がりは人によっては本コースに行ってからも続くものだそうなので、やはり時間とお金に余裕があれば行って損はしないという印象です。

ただ、英語力の向上という観点から考えるプレセッショナルコースの価値については極めて懐疑的です。留学奨励過激派を自負している私ですが、そもそも「日本を離れ海外で生活するということがどういうことか体感できること」に留学の本質があると考えています。なので、語学留学はもちろん院留学についても究極的に言えることなのですが、いずれの選択肢も英語力向上だけを目的とするならハッキリ言って無駄です。これと同じことがプレセッショナルコースの受講にもあてはまります。

高い対価を支払うのでそれなりに環境は用意されますし、最終試験にあたるものがあってそこでパスできなければ本コースを受けられず本国に帰らされるのである程度真剣に英語学習に向き合わなくてはならないし、全く英語力向上に寄与しないわけではありません。本コースで懇意にしてくれた中国人のクラスメートはプレセッショナルコースを受けていて、彼女は渡英直後はIELTSで5が取れるか取れないかぐらいのレベルだったそうですが、かなりの英語力の伸びを実感できたそうです。

ただ、院留学を終えてみて改めて振り返ると、お膳立てされなければ条件付き合格しか獲得できない程度の英語力しか身に着けられない人間に易々と乗り越えられるものではない、と老婆心ながら思います。第二言語で地元の学生と対等な立場で専門性の高いことを学ぶということは並大抵なことではありません。これに関しては、機会があればまた別記事で語ることにしましょう。とにかく、英語力向上に関しては国内にいるときから使えるものは全て使って本気でやらないとダメです。

しかし、それを差し置いてもプレセッショナルコースには
①大学院生活に必須となるアカデミックスキルが学べる
②カリキュラムや課題に追われず外国という環境に慣れる期間が与えられる
③友人が作りやすい環境がある
という大きなメリットがあるのは事実です。

プレセッショナルコースを受けなくてもいい人

英語圏、もしくは英語圏でなくても外国の教育機関で半年以上教育を受けたことがある人は受けなくても問題ないでしょう。社会人留学で久々のエッセイに不安があるようであっても、In sessional Courseといって本コースの期間中に留学生を対象としたエッセイの書き方やノートのまとめ方などをレクチャーしてくれるクラスに出席することができるので、その機会をうまく使ってブラッシュアップすれば十分です。

実際私りのも本コースの授業やとんでもない量のリーディングの合間にIn sessional courseの授業を予約しまくって片っ端から受けておりましたし、Tutorialといって語学学校の先生方がエッセイの書き方指導をしてくれる1対1のセッションもありましたので、使えるだけ使い倒しました。私のような留学生にとっては英語というハンデがあることもあり、文系の本コースですらなかなかにヘビーなのですが、同時にエッセイライティング等を学ばなければならなかったのでなんだかんだで忙しかった一年でした。

上に書いた通り、海外長期滞在経験がないくせに気合いと根性だけで乗り切った事例もここにこうしてあるので、どうしても留学後の滞在のことを考えているなど特段に理由があれば受けなくても問題ありません。なので、退職時期や資金面で不安があり行くことは考えられない方もご安心ください。

プレセッショナルコースを受けるべき人

ただ、海外長期滞在経験が全くない人で、お金と時間に余裕がある人にはプレセッショナルコースは絶対行けとやっぱり勧めると思います。事情があって行けない人を過度に心配させたくはないですし、行かなくて大丈夫だよ!とも自信をもって言えるのですが、プレセッショナルコースに行くと、棒高跳びがハードル走ぐらいのイージーモードになります。

どちらにしても、よく考え納得した上での決断であれば後悔はないでしょう。よい大学院留学ライフを!

りの

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