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Audio-Technica ATH-W1000のイヤーパッドをW2002の物に交換してみた

2020年11月25日 | ヘッドホン、音響関連
■ 前書き
HP-W2002は現時点で生産終了在庫なしとなって、今からのHP-W2002に交換することはほぼ不可能となった
そしてATH-W1000自体も生産終了となって、幸い販売数が多い分、中古の入手性は悪くありません
現時点で交換可能性のあるイヤーパッドはHP-W1000Zとなるが、音質的にはHP-W2002と違いはあるのでご注意ください


Audio-Technica ATH-W2002

Audio-Technica ATH-W2002

Audio-Technica ATH-W2002

Audio-Technica ATH-W2002

Audio-Technica ATH-W2002

■ ATH-W2002とは

ATH-W2002はオーディオテクニカの40周年記念ヘッドホンであり、当時オーディオテクニカの最高峰の技術と素材を贅沢に使いつくした
W11JPN,W3000ANVのようにハウジングに越前漆塗り、ハウジング自体も浅田桜の芯材を採用(その後、20年間の禁伐となってオーディオテクニカのヘッドホン路線を大きく変えた)
磁気回路はオーディオテクニカ旗艦のみ搭載されるパーメンジュール磁気回路が使われた
その他、OFC-8Nのボイスコイルも採用する等、今になっても中々揃えない素材を使い尽くした
当時の売価は10万円だったか、今同じスペックで同じ値段で売ると秒単位で完売するに違いない


Audio-Technica ATH-W1000

■ W2002の「量産型」であるW1000

W2002は数量限りのある限定版なので、同じ設計を用いたW1000が発売された
W1000はおそろく、オーディオテクニカに限らず今まで一番売られた木ハウジングのヘッドホンであるだろう
こちらもハウジングに浅田桜の無垢材の削り出しを使用、ドライバーユニットの磁気回路にはパーマロイを採用したのはW2002との違いであった
他のOFC-8Nのボイスコイルは同様に採用した
これらの素材の違いによって音質への影響は勿論あるが
長年の経験で思ったのは「イヤーパッド」の差が一番大きい
数値的には70%と言っても過言ではない
以前紹介したATH-A900のイヤーパッドをHP-A1000に交換したら95%のA900LTDになるように
W1000のイヤーパッドをHP-W2002に交換すると、70%のW2002になる感じがする
その次に磁気回路の差が30%くらい、こればかりはしょうがない


HP-W2002の箱

内容物はイヤーパッドと装着方法の説明書

イヤーパッド

イヤーパッド正面

イヤーパッド裏面

W1000元々のイヤーパッド、かなりの経年劣化が見られた

W1000のイヤーパッドを外した状態

新旧イヤーパッドの比較(左はHP-W2002、右はHP-W1000)

HP-W2002を装着したW1000

■ HP-W2002をW1000に装着

W1000イヤーパッド素材は合成革で、W2002は最はイタリア産のラムスキンを使っている
特に経年変化として、合成革は固くなり空気通しが悪くなり、ラムスキンは依然として柔らかく元々の質感を保っている
さてHP-W2002装着後、W1000は一体どこまでW2002に近づくのか

確実に音が変わった

音はより凝縮され音場の形と広がりはほぼ変わらず
ボーカルはより厚く濃厚となった
最も重要なことは高域の煌めきがより優しく、柔らかくなった
AT-HA2002を使わない限り、オリジナルのW1000は常に明るすぎて刺さる感じがあったが
HP-W2002に交換した後、ある程度の改善が見られた、高域表現の仕方がよりエレガントで洗練されたものになった

しかし残念ながら、W2002の磁性的なボーカル表現はパーメンジュール磁気回路による恩恵であって
イヤーパッド交換後のW1000は到底及ばない、代わりにパーマロイ磁気回路はよりロースピード感でリラックス的な音がする
そして低域の解像度と深さも、僅かながらW2002の方が優れている

それでも、イヤーパッドを交換することでW1000を大きく進化させたので結構満足した

amzn.to



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