本『DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★

DVのからくりが分かる!
自分を守るための情報が満載!
敵を知り己を知れば百戦あやうからず。

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レビュー

 タイトルから分かるとおり、この本はDV・虐待の加害者を紐解いています。しかし単なる「DV加害者解説本」ではありません。女性がDVに気付き、またはDVから逃れるために、加害者に関する著者の知見を活用できるようになっています。

 著者のランディ・バンクロフト氏(アメリカ)は、実際にDV・虐待の加害者(男性)と対峙してきました。長年の豊富な経験に著者の見識は裏打ちされているのです。この本の冒頭の「はじめに」で、ご自身のキャリアについて次のような紹介があります。

 今日まで15年間、私は心理カウンセラー、監護権評定者、さらには児童虐待調査官として、怒りに満ち相手を支配したがる男性たちと向き合い、2000件をはるかに超えるケースに関わる中で実に多くの知見を得てきました。

 本は4部15章で構成されています。特徴的なのは21個のQ&Aが散りばめられている点です。これは著者が被害女性から受けがちな質問から成ります。差し当たって解決したい課題に関するQ&Aを拾い読みすることも可能です(著者自身がそうした読み方も推奨)。

 このQ&Aこそ、まさに私が知りたかったことの宝庫でした。ご参考までに、質問内容の一部をピックアップします。

  • Q.2 わざとしているのですか?
  • Q.7 とても優しかったあのころから、あとで虐待しようと企んでいたのでしょうか?
  • Q.8 付き合っている男性が虐待するようになるかどうか、どうすればわかるのでしょうか?
  • Q.9 彼が私にしていることは虐待でしょうか?
  • Q.10 彼は本当に悪いと思っているのですか?
  • Q.11 言葉による虐待から身体への暴力になっていくのでしょうか?
  • Q.14 DV加害者はどんな父親なのでしょうか?
  • Q.18 彼はどこでそんなやり方を学んだのでしょうか?
  • Q.19 DV加害者が本当に変わろうとしているのか、どうしたらわかるのですか?

 もうひとつ私が言及しておきたいのは、子供への影響や母子の回復について触れている章(第10章 DV加害者はどんな親か)があることです。子供を守ろうとしたら、具体的に次の一手は何にしたらいいか、分かりました。DV夫・モラハラ夫にお悩みの方は、ぜひご一読を

ランディ・バンクロフト氏の著書

私

 私はDV・虐待・モラハラといった分野の本を読み漁る中で、バンクロフト氏の著書を参考文献に挙げているものを数多く目にしました。

 それだけで信頼できるように思います。

 著作を一覧にしました。

 よろしかったらリンクをタップして、詳細情報をご確認ください。

表紙タイトル
DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響

2017年発行。弁護士、調停委員、カウンセラーなど離婚調停や被害者支援の専門家向け。共著

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別れる?それともやり直す?カップル関係に悩む女性のためのガイド――うまくいかない関係に潜む"支配の罠"を見抜く

2016年発行。未婚の女性向け

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DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド

2008年発行。女性一般向け

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DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド

2006年発行。子供がいる女性向け

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まとめ

要約

DV加害者(男性)の実像を詳らかにする。女性がDVに気付き、DVから逃れるための情報も掲載(ただし別居・離婚を前提とはしていない)。

評価(お役立ち度)

★★★★★ (モラ夫への心理的な対抗策が得られた)

基本情報
  • タイトル:DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • 著者:ランディ・バンクロフト
  • 監訳者:高橋 睦子、中島 幸子、山口 のり子
  • 出版社:明石書店
  • 発行日:2008年12月10日

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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