こんにちは!
ここのところずっとコロナとか免疫力とかの記事が続いていて、確かブログランキングに参加した時に、5回連続でジャンル外の記事を書くと外されるって書いてあったような気がしてきて。。。
なので、一旦本業(?)の自閉症スペクトラムに特化した記事に戻します。笑
今日は少し前に見たオンラインインタビューの紹介です。とても勉強になったので私が理解した概要をシェアしますね。
この本の著者である Peter Vermeulen PhD のインタビューでした。 残念ながらまだ日本語訳は出ていないようです。
Dr. Peterによると、自閉症スペクトラムの人はContext Blindだというのです。
Contextというのは訳すと前後関係、文脈、脈略 という意味ですので、前後関係や文脈が見えない(Blind)、わからない、ということです。
なかなかぴったりな訳が見つからないのですが、私は個人的には 周りの状況が読めない、と訳したほうがよりしっくりくるような気がします。周りの状況を瞬時に読みとって、臨機応変に対応することが難しいということです。
例えば 誰かの家に招かれたとします。 家の中に入り、しばらくすると突然犬の吠え声が聞こえます。
そういったことがあると自閉症スペクトラムの人は驚き、慌てたり、さらにはパニックになってしまうことが多いです。
定型発達の人は、家に入ったときに周りの状況(犬用のおもちゃやケージやベッドが部屋に置いてある)から、特に説明されたり意識することがないままこの家に犬がいることになんとなく気がついています。
そこに自閉症スペクトラムのコンテキスト ブラインドネス(周りの状況が読めない)という特徴が関わってくるのだとDr.Vermeulenは説明します。
定型発達の人は、周りの状況を読んで、特に深く考えることなく直感的にこの家に犬がいるということを知りますが、自閉症スペクトラムの人は、限られた情報から結論を推測するのではなく、すべての情報がそろわなければ、結論を導くことができません。
もっと言えば、自閉症スペクトラムの人が突然聞こえた犬の吠え声に怯えてしまった時に、「あ、ごめんごめん。言い忘れてた。うち犬がいるんだ。でもこの部屋には入れないようにしてあるから安心して。」と言って説明しても、安心してはもらえません。
自閉症スペクトラムの人は、すべての情報がそろわなければ、「安心してもいい」という結論には至れないのです。
例えば「犬がいる。」という情報。
定型発達の人は「犬」と言われると、概念としての犬を思い浮かべます。自閉症スペクトラムの人は「犬」と言われても、チワワのような犬からジャーマンシェパードのような犬までいるわけですから、全然イメージできません。また、毛の色や長さなども千差万別です。だから、実際にその犬を見るか写真を見るかしなければ、イメージを思い浮かべられないのです。
「この部屋には入れないようにしてある」というのも、自閉症スペクトラムの人には抽象的すぎます。今犬はどこの部屋にいて、鎖に繋がれているのか、ケージに入って鍵が締めてあるのか、ゲートがあるのか、それとも違う部屋の中を自由に動いているのか。そこまで全部見せて教えてもらえなければ安心なんてできません。
この違いは、定型発達の脳神経が、周りから入ってくる大量の情報を潜在意識(無意識の状態)でふるいにかけて処理しているのに対して、自閉症スペクトラムの脳神経は、その情報を顕在意識(意識して考える)で処理していることが関係します。
潜在意識は顕在意識の100万倍のスピードで情報を処理することができます。ということは、顕在意識を使って周りの状況から集めた情報を処理する自閉症スペクトラムの人には、100万倍の時間を与えてあげて当然だいうことです。
これはどちらが優れているとかいう問題ではなく、どうやって脳神経が情報を処理しているかが違うだけで、どちらの処理の仕方にも長所と短所があります。
先程の犬のたとえ話だと、自閉症スペクトラムの情報の処理の仕方をすると、なかなか安心できません。
でも、たとえば今からのる飛行機の点検をする人が、潜在意識で情報を処理して「ん、まあだいたいなんとなくいつもと変わらないから問題なし!離陸してオッケー!」って瞬間的に判断する人がいいでしょうか? それよりも顕在意識ですべての情報をチェックして、初めて離陸してオッケー!と判断する人に点検してもらいたいですよね?
続きます。
読んでいただいてありがとうございます。