こんにちは!
昨日の記事の続きです。
<斜視 Strabismus>
調査によると、自閉症スペクトラムの子供が斜視である確率は、自閉症スペクトラムでない子供に比べて21−50%高いことが分かっています。
斜視とは上の写真のように、目が外向きまたは内向きになっていたり、上下に偏っていたりすることで、ずっとその状態の人もいれば、断続的に斜視になる場合や、疲れたり怒ったりする時だけ斜視になったりする場合もあります。 また、下の写真のように よく見ないとわからない程度の斜視の場合もあります。
斜視があると、両眼視(物体を両方の目を同時にを使って立体的な遠近感を見ること)ができません。
もしも断続的に斜視になっていた場合、同じ物体を見ても斜視になっている時となっていない時とでその物体の見え方が全然違ってきてしまうので、矛盾した視覚情報が入ってきて混乱を招きます。
同じ物体が時によって違う風に見えれば、世の中すべてが無秩序になってしまいます。
子供が世の中を不快に感じたり、混乱したり、怯えたりするのは当然ですよね。
視覚のシステムには4項目あります。
1 視力
2 両眼視
3 固視
4 アイトラッキング
両眼視は物体を両方の目を同時にを使って立体的な遠近感を見ることです。この能力によってものの奥行きや遠近感がわかるため、これができないとボールをキャッチしたり、段差を乗り越えたりすることが難しくなります。
両眼視ができなければ、エスカレーターに乗るのはものすごい恐怖です。 お子さんがエスカレーターに乗れないのは、問題行動なのではなくて、もしかしたら両眼視ができないのかもしれません。
また、姿勢が悪いと両眼視はできません。頭がどちらかに傾くと、脳は混乱して 下にくる目からの情報をシャットオフします。なので、頭が傾いたまま物を見ると両眼視ができなくなります。
<両眼視の能力を発達させるには>
ーできるだけ 両手を使ってサポートする。
私達は利き手があるため、どうしても無意識に利き手のみを差し出しがちですが、バランス良く両目が使えるようにできるだけ両手を使ってサポートするようにしてみてください。
ー机やテーブルや床の上に頭を乗せないようにする。
頭が傾くと下の目からの情報がシャットオフされるため、両眼視ができなくなります。
また、テーブルはお子さんの体に合ったサイズのものを使うと、頭を傾けることが少なくなります。
ーできるだけ体の両側を使った動きをする。
両足でジャンプする。 両手をたたく。 両手に棒を持ってトントンする。両手両足を広げてジャンプするなど。
できるだけ片手や片足だけを使った動きを避ける。
続きます。
読んでいただいてありがとうございます。