歩歩是道場

日々の暮らしが学びの場。小さな一歩を積み重ねていくブログです。

少し立ち止まって、優しさを思い出す。次につなぐ。

上二人の子どもが通う小学校で、全学級で道徳の授業が行われる機会がありました。

その日の夕飯時には、それぞれの家庭で「優しさ、親切」について話し合うようにとのことで、我が家でも話題にしました。

今回は、家族で話しあったことを取り上げたいと思います。

一人で考えることもとても大切ですが、誰かと一緒に話すことで、考えをさらに深める気づきがあったりします。

 

 

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「優しさ」を感じたできごとは?

家族の会話の中で、「これまでどんなときに優しさを感じたか?」という内容で質問をしました。

 

小3の息子は、道徳の授業中に子どもたちの話し合いを聞きに来た校長先生が、しゃがんだ姿勢から立ち上がるのが大変そうだったので、肩を貸したとのことでした。

「『優しさ』がテーマの道徳の授業中に、親切にされたなぁ!」と校長先生が言いながら、クラスを後にしたとのことでした。

自分が何気なく行った行為で、相手は優しさを感じとったのだ、ということに気が付いたのでした。

 

偶然出会った方と一緒に楽しく山登り

小6の息子が優しさを感じた場面は、4年前に家族で行った高尾山でのハイキングでの出来事でした。

 

当時、長男が小2、次男が年中、長女が1歳でした。

年中の次男は途中で歩けなくなる可能性もあるので、簡易式のベビーカーを持ってのハイキングでした。(一歳児は抱っこひもです)

 

高尾山駅を降りたところで、ある男性に声をかけられました。

その方は近辺に住まわれていて、定年退職されてから、週3回は高尾山にハイキングしているということでした。

話しているうちに、いつの間にかその方が次男と手をつないでいて、一緒に登ることになりました。

 

下山してくる人がいると、「ほら!タッチだ!」と次男の手とり、降りてくる方とハイタッチさせています。

高尾山をよく知り尽くしているのでしょう、ツアーガイドのように、「キリンのように見える木があるからおいで!」と子どもたちに声をかけていました。

キリンのように見える木の様子

 

他にも、ここの木は○○に見える、ここでは○○があった、と色々と教えてもらえるので、大人も飽きずに楽しく登れます。

 

あと少しで山頂‥というところで、「ここでバイバイ!」と、いきなりその方は去って行ってしまいました。

 

高尾山のプロフェッショナルのような方とご一緒できて、次男は疲れなど感じることなく、楽しんで山頂まで登ることができました。

山頂で友人家族と合流したため、下山もにぎやかにできました。

 

次男のためにベビーカーの用意をしていきましたが、結局出番はありませんでした。

自分の足で20000歩を歩ききったということが、彼の中で運動面の自信につながっています。

 

さっと現れて、とても楽しい時間を過ごさせてもらって、受けた恩を返す暇もないまま、その方はさっと去っていきました。

とても温かく、とてもさっぱり。

なんだか不思議な出会いでしたが、心に残る出来事でした。

 

道案内をして500円を頂いたこと

筆者が話題にした優しさを感じた場面は、ずいぶん前に記事に書きましたが、80代くらいの方の道案内をしたときに、そのお礼に500円を頂いた出来事です。

neutrallife.hatenablog.com

 

こちらは自宅への帰り道でしたし、何気なく行った行動だったのですが、お礼としてお相手の方から500円頂いてしまいました。

娘も一緒だったので、「お菓子でも買ってね」とのことでした。

 

その500円は今でも500円玉貯金の中に入っていることを話したところ、次男が「ママね、」と話しだしました。

「その500円は、ママがおばあちゃんになって誰かに親切にされたときに、その誰かに使うんだよ」と。

 

なるほどなぁ。

筆者が500円を頂いたときに考えたことは、「寄付をする」「お菓子を買っておやつタイムにその出来事を話題にする」という、今どうするか、ということでした。(結局500円玉貯金に入れていますが‥)

 

次男はもっと長い目でみていました。

その時道に迷っていたのはそのおばあさんでしたが、何十年後には筆者自身がおばあさんになるわけで、おばあさんになった筆者が道に迷うこともあるんだよな。

 

他の人に起きる出来事は自分にも起きる出来事なんだ、と、次男の一言に気づかされました。

 

時には立ち止まって思い返すこと。次につながる。

忙しい毎日を送っていると、心が温かくなる出来事も、いつの間にか流れてしまいます。

今回は学校の道徳の授業がきっかけで、「優しさ」について思い返す、よい機会になりました。

 

高尾山で出会った方や、500円を頂いた方、数年たった今でも、頂いた温かな気持ちが自分たちの中に生きています。

その方々に会うことはもうないので、直接のお礼はできません。

受けた温かい気持ちを次につないでいくことが、その人たちへの感謝の表れになるのかもしれないと思いました。

 

◇◇◇◇◇

 

アメリカでは11月の第4木曜日が感謝祭(Thanksgiving day)ですね。

ちょうど息子たちの学校で、道徳特別授業をやっていたこともあり、今回の記事を書きました。

日々の過ごすのに精いっぱいで忘れかけていましたが、思い出して温かな気持ちになりました。

たまには、ゆっくり時間をとって振り返ってみるのも、いいものです。