平国香館   承平・天慶の乱発端となった館跡   ~茨城県筑西市~ | 攻城日記/3rd ~城逢人~

攻城日記/3rd ~城逢人~

中世城館・板碑好きのマニアの日々の記録

筑西市(旧・明野町)東石田に将門の叔父・平国香の居館があったと伝わります
東石田地区の北の外れで桜川段丘上に建つ鹿島神社が館跡といわれます
もちろん遺構なんてありません

それでも館跡としての雰囲気をなんとなくですが感じとれます

古い航空写真を見ても館跡らしい地形をしています


地方主要道132号沿いの長光寺には案内板が設置され南側の民家敷地には

国香の墓といわれる小さな五輪塔があります
20年くらい前に初めてこの地を訪れた際に地元の方に案内していただきました
そのとき聞いた話では将門を主人公とした大河ドラマ「風と雲と虹と」放映中は

観光バスが国香所縁のこの地を訪れるほど賑わったとのことです

 

↓国香館跡と伝わる鹿島神社

将門の父・良将亡き後、弟の国香は妻の父・源護の力を背景に
坂東平氏の長として常陸で大きな力をもちました
開発領主として筑波山西麓の支配し源護の拠点・赤浜に程近い石田に居館を構えました

承平5年(935)に源護と将門の間に争いがおこると国香は護に味方します


将門との戦に敗れた護や国香の軍勢は石田の館に逃げ込みます

追い打ちをかける将門の軍政によってに火をかけられ国香は焼死します

この合戦が将門の乱をはじまりとなります

 

↓平国香館の航空写真(電子国土空中写真1974~78を使用して作図)

 

参考 将門記/ 梶原正昭  東洋文庫

    現地解説板

    関東中心平将門古跡写真資料集/  山内一雄・齋藤宗良

    平将門伝説ハンドブック/ 村上春樹

    新編将門地誌/ 赤城宗徳  筑波書林