弁理士とは
弁理士とは
弁理士法には、以下のような規定があります。
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弁理士法
(弁理士の使命)
第1条 弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。
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簡単に言えば、弁理士とは、知的財産の専門家です。
知的財産には、特許や意匠、商標などがありますが、弁理士は、それらの権利を守り、また、利用を促すことで、皆さまのお役に立てることを法律上認められた仕事として行う人のことを言います。
特許、意匠、商標など、何を担当するかによっても異なりますが、一般的には、特許を例に取ると、技術的な知識・経験・素養と、法律的な知識・経験・素養の両方ともバランス良く求められるのが弁理士という仕事と言えると思います。
弁理士の名称の由来
弁理士の「弁」は、弁護士の「弁」と同じ字を使いますが、元々の由来は、「辨」理士、「辯」護士、とのことです。
「辨」理士の「辨」には、物事がそうなった理由を知っている、わきまえる、わける、区別する、明らかにする、と行った意味があるようです。
弁理士の業務は、発明や特許の内容をよく把握・理解した上で、対象技術が発明かどうか、特許かどうかなどを明らかにしていくことなので、この漢字が意味することと通じます。
一方、「辯」護士の「辯」には、述べる、言葉で治める、説く、明らかにする、といった意味があるようです。
弁護士の業務は、言葉を使って、様々なものを守ることなので、この漢字が意味することと通じます。
弁理士の年収
平均年収は、約700万円〜800万円ぐらいと言われています。
日本のサラリーマンの平均年収が約400万円〜450万円ぐらいと言われていますので、それと比較すると、高給になります。
ただし、一般企業にいるのか、弁理士事務所に勤めているのか、独立しているのかなど、年齢や働き方によって大きく変わります。
独立して、お客様を取ることができれば、1,000万円を超えることも十分あります。
弁理士の専門分野
弁理士事務所に所属する弁理士の方は、自分の専門分野を示していることが多くあります。
一概に弁理士と言っても、取り扱う内容については、必要とされる知識や経験などが異なる場合が多いからです。
まず、専門分野・担当分野は、特許、意匠、商標などに大きく分かれます。
そして、特許については、例えば、機械、電気、化学、医薬などに分けられることが多いです。
各分野とも、特許出願書類の記載方法・内容などが大きく異なることが多いため、専門的な知識や経験が要求されるからです。
それらがないと、発明を抽出したり、権利範囲の広い特許を取ったり、訴訟での対応方針を検討したりする上で、余分な時間や労力がかかり、また、品質が悪くなる場合があります。
これらの専門分野・担当分野については、高等専門学校や大学、大学院での修得寡黙であることもありますが、社会人になってから弁理士になる方も多いので、必ずしもそうではなく、企業に入ってから積み上げた知識や経験を自分の専門分野・担当分野にされる方も多いです。
広い分野で対応するよりも、自分が得意な分野を極めていったほうが、お客様のためにも、自分のためにもなると思います。
弁理士になるためには
弁理士になるためには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります(弁理士法7条)。
すなわち、弁理士試験だけではなく、弁護士や特許庁審判官・審査官も弁理士になることができます。
ただし、いずれの場合も、現在、日本弁理士会が実施する弁理士実務修習を受けて、その後、弁理士登録を行う必要があります。