飲食物の宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが3日、労働組合「ウーバーイーツユニオン」を結成した。発注を受けて個人で商品を運ぶ配達員は雇用契約ではないため、けがをしても労災が認められないなど不安定な状況にある。労組の結成で、労働環境の改善を求めるのが狙いだ。
「ウーバーの自由な働き方が好きだからこそ、安心して仕事を続けたい」。3日に東京で開かれた設立総会で執行委員長に選ばれた前葉富雄さん(29)は、読売新聞の取材にこう語った。この日、同ユニオンには17人の配達員が加入した。
ウーバーイーツは、米配車サービス大手「ウーバーテクノロジーズ」の日本法人「ウーバージャパン」が運営する。利用者が飲食店に宅配を注文すると、専用アプリに登録している配達員が店から発注を受けて商品を取りに行き、自分の自転車やバイクで届けるサービスで、東京、大阪、福岡などで展開されている。配達員は、ウーバー社を通じて各飲食店と「業務委託契約」を結ぶ形となるため、「個人事業主」として扱われる。
自分の都合に合わせて働ける一方で、労災制度など労働者を守る法律上のルールは適用されない。ウーバー社は今月、配達員の事故時に最大25万円の治療費を払うなどの補償制度を導入したが、同ユニオンはこの制度の拡大や報酬システムの透明化を目指して団体交渉を求める。ウーバージャパンは「正式な通知を受け取っておらず、コメントする立場にない」とする一方で、「働き方の質と安全性を高め、今後も配達員のニーズと真摯(しんし)に向き合っていきたい」としている。(2019.10.3 読売新聞)
労働基準法より労働組合法の方が「労働者」の概念が広い。個人事業主とはいえ、実態として労働者と同視できるならば「労働者」としての権利が享受されるべき。コンビニオーナーと根本的に異なるのは、従業員を雇用していない点。その意味では労働者に近いと言えよう。
一方で、手軽な副業としているサラリーマンの場合、業務委託契約ならば会社が認めてくれるが、雇用契約の場合はNGというケースもあると思われる。いい迷惑かもね。