風と雲と虹と第9回　火雷天神 - OLDIES 三丁目のブログ

　貴子（吉永小百合）は回復し、将門（加藤剛）は親しく通うことになり、火雷天神に病気回復のお礼詣りに行きます。
　この天神さんの巫女・多治比の文子（杉浦悦子）は人の運命を鏡に映したように分かって教えてくれるという噂。
　乳母（奈良岡朋子）の勧めで貴子は占いを受けてみる。
　
　
　多治比の文子は貴子の運が東国の男によって開かれると言って気絶。
　

　一部始終を見守っていた藤原純友（緒形拳）とけら婆（吉行和子）。
「あの神託は本当と思うか。金を積めば何とでも言うのではないか」
「信じれば神の言葉となるのです」
「いつか使えそうな気がするな」
というような大意のやりとりがありました。
　私も占いが好きなので注意しないといけないな。
　それでこの神託は本当なのでしょうか。
　確かに貴子姫は将門を頼れば運が開けそうに思えるのですが。
　乳母が将門と貴子を結びつけるように金を積んだとも考えられるのですが、そんな金はあるのかどうか、そしてドラマ中に乳母が仕組んだことをほのめかせる描写もなかったような気もするし。
　ともかく私も占いには気をつけなければなりません。
　
　その帰り、太郎貞盛（山口崇）に見つかり、声をかけられる。
「浮気も大概にしろ。国には待つ人がいるんだからな」
と言って去る貞盛。
　それを聞いた貴子は機嫌が悪くなって先に帰ってしまう。
「あなたはひどい人です」

　ひどいも何も、少々自己中な理屈です。
　貞盛のような人間にとってはこういうことは通常運転なのでしょう。
　貴子姫は幼い頃から恵まれない境遇で育てられてきたし、乳母の教育方針も家柄にこだわった誇り高い独特のものだったから、少し自己中になってしまうのも無理ないことでしょう。
　また、そう言われて落ち込む小次郎もかなり不器用な性格です。
　普通は人にもまれているうちに塩梅が分かって成長していくものなのですが。
……とこんな分析している私自身も成長できなかったタイプの人間なのですが。
　

　その夜、貞盛が「大切なことを言い忘れていた」とやって来る。
　除目の日が近いので人事関係者に付け届けせよ、とのアドバイス。
　恋にしろ仕事にしろ、こういったアドバイスをくれる友は必要と言えば必要ですね。
　しかしタイプの全く違う将門と貞盛が何でこう仲が良いのか分かりません。
　こんな友情、現実の世界でありうるのでしょうか。

　除目の発表の日がきた。将門は官職を得られず、貞盛は得ていた。
　将門は貴子姫の所に行き、憂さを晴らす。

　出世して東国に戻らなくて良かった、とストレートに喜ぶ天然の貴子姫。
　さすがにこのリアクションには乳母もびっくり。

　　　

　一方、外では将門の命を狙う武蔵（太地喜和子）・季重（沢竜二）とそれを阻止しようとする鹿島玄明（草刈正雄）が戦っていた！
　どちらも純友の友好グループなのになぜか仲の悪い二大反体制グループ。
　純友がもっと本気で仲立ちしないといけませんね。

　楽しそうな所にお邪魔虫・貞盛がやって来る。
　将門の無官を慰めに、自分の任官を共に祝いに来たという理屈。
　将門邸を訪ねたがこちらにいるということなのでこちらに来た、というこれも理屈。
　こういう所が私の嫌いなタイプです。
　私なら失意の時は慰めなどいらなくて、一人にしてほしいタイプです。
　ましてやそんな時に相手を祝うなんて絶対にできません。
　しかも外出先にまでわざわざ訪ねて来るなんて、嫌がらせにもほどがある！
　私ならこんな奴、追い返して絶交しますね。
（もしこれが逆の立場で、貞盛が無官で将門が任官されていたとしたら、お互いどう動くのでしょうか。）
　そして貞盛も呼び込む乳母も必死です。
　乳母マネージャーによる貴子姫プロデュース活動も貞盛の任官活動のようなものなのでしょう。
　そういうことを自然にできる人がこの世では出世していくのでしょう。
……と、こんなこと言ってる私は出世できないタイプです。