トーキング・マイノリティ

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我慢しすぎる日本社会 その二

2020-04-07 21:40:08 | マスコミ、ネット

その一の続き
「被災地でアートや音楽を披露する人、食を届ける人、支援の続け方はさまざまにあっていい……」というサヘル・ローズだが、震災地支援で飲食料や生活必需品を届ける方が最も重要なのだ。被災地でアートや音楽を披露するのは結構だが、先ず食や生活必需品が優先される。確かに支援の続け方は様々あるが、文化系支援をはじめに口にしているのは、彼女自身がタレントだから?とうがった見方をしたくなる。

 震災で家族や財産全てを失い、打ちひしがれた被災者を力づけるために来るのはアーティストや芸人に限らない。布教のチャンスとばかりに東日本大震災被災地には、続々と海外からキリスト教宣教師が現地入りしたことを河北新報でも伝えていた。国内の新興宗教団体も駆け付け、入会の勧誘活動をしたりすることもあったという。
 被災地を訪れたキリスト教支援団体が、聖書を無料で大量に配っていたことを河北新報は報じていたが、まさに不遜の極み。連中は嬉々として神の福音を伝えていたのだが、これを不快に感じた被災者は少なくなかったと思う。中には入信した人もいたにせよ、人の不幸に付け入っている宗教団体に怒りを覚えても、殆どは黙っている日本人。

 これがイランなら到底許されず、救援物資は受けっても欧米人の宣教活動など論外。キリスト教の宣教活動を許さないのはサウジも同じであり、ムスリムを改宗させた異教徒は処罰され、最悪の場合処刑される可能性もある。もちろん棄教者は殺されても文句は言えない。対照的に被災地で我が物顔に振舞う外国人宣教団に何も言えない日本。やはりサヘルの言うとおり、日本社会は我慢しすぎるようだ。
 イラン出身ということで、サヘルは日本人にイスラム圏への好感を植え付けたがるメディアの広告塔になっているようだ。「相互理解」やら「多文化共生」のスローガンの名に相応しいタレントだろう。

 サヘルへのインタビューは河北新報東京支社の橋本智子なる女記者がしている。試しに「河北新報記者 橋本智子」で検索したら、仙台市市民活動サポートセンターの頁(2016.05.24付)がヒットした。タイトルは「市民ライター講座2016~取材・執筆体験で磨く!情報発信力~」、橋本は講師を務めている。
 どうりで河北の読者の声とやらが、市民活動家の色が濃かったはず。全てではないにせよ、今やアジテーターや左翼工作員の隠れ蓑と見られているのが市民活動家。ネット上でも「プロ市民」への非難や揶揄は多い。プロ市民と新聞がタイアップしていたことが改めて伺える。

 サヘルのインタビューで、ふと河北の読者欄『声の交差点』に載った石巻市の15歳の中学生の投稿を思い出した。拙ブログでも「息苦しさを覚える」という記事にしたが、中学生の投稿は「自由な社会へ ルール緩和を」というタイトルで、「最近の世の中に息苦しさを覚えています」という一文で始まっていた。今にして思うと子供市民ライターだったのか。
「我慢しすぎる日本社会」も似た論調だし、もしかすると誘導尋問まがいの質問でサヘルにこう言わせたことも考えられる。ブンヤならその手法は十八番だし、答えたことをそのまま書かないのが新聞記者だから。

 アルファブロガー、鈴木形成氏の記事「外国人に「日本べた褒め」させているマスコミに喜んでいたら最後に痛い目に遭う」(2020.3.20)は、外国人の言葉で世論誘導するマスコミの手段を紹介している。記事の末尾は思わず禿同!と言いたくなる内容なので、ぜひ紹介したい。

外国人が日本に配慮して何かしてくれることもあるかもしれない。しかし基本的にはすべての国は、あからさまなまでに自国の利益・国益を優先しており、その国益のためには「外国人の見る目」など、これっぽっちも気にしていない。
 日本人も外国人からどのように思われているかなど、いちいち気にしなくてもいい。褒められるよりも、むしろ国益を主張して、外国人に嫌われても何とも思わない方がまだ見込みがある。そう思わないだろうか?

◆関連記事:「震災を利用する者たち
続・震災を利用する者たち
文科系のNGOやボランティアを被災地へ入れるな!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (牛蒡剣)
2020-04-09 21:54:34
今回のコロナの件で他所の国々は
「いくら何でもこの程度の我慢もできないの?」
という事例が多すぎてびっくりでした。イタリアや
スペインみたいに規制に反発してデモだの規則の無視
だの、マスクもああだあこうだあ文句いって
騒いでましたが今じゃこのざま。

我慢の良しあしなんて所詮はケースバイケースだと
思うんですよね。
牛蒡剣 さんへ (mugi)
2020-04-10 22:48:34
>>我慢の良しあしなんて所詮はケースバイケースだと思うんですよね。

 まさにその通りですよね!イラン女風情に「日本は我慢しすぎる社会だ」など、いらんことを言うな!という想いで記事にしました。あの国はイスラム体制の締め付けに我慢、その鬱憤で「異端」に暴力的になるとしか見えません。イランもコロナ蔓延ですが。

 西欧諸国はともかく、日本でも緊急事態宣言にああだあこうだあ文句言っている者がいます。メディアはその類ばかりで、河北新報も「有識者」の懸念とやらを毎日載せています。批判のための批判が丸分かりでウンザリです。
Unknown (鳳山)
2020-04-11 01:51:28
今回の新型コロナ騒動で思ったのは、我々日本人は粛々とやるべきことをやるだけ。他国の事は気にしない、と悟りました。
鳳山さんへ (mugi)
2020-04-11 21:16:01
 たとえ先進国であっても他国と日本では社会背景や風習が異なりますから、他国の意見、殊にメディアのそれは黙殺する方が賢明と私も思います。