こんばんは、軍場大輝(くさば ひろき)です。

 

日本でも新型コロナウイルスによる死者が出てしまいましたが、アメリカではインフルエンザによる死者が1万人を超えるという猛威を奮っています。

 

まだまだ、アロマのウイルスに対する研究は少ないですが、今回は芳香浴でもインフルエンザウイルスにアロマの効果があった研究を紹介したいと思います。

 

2009年のアロマテラピー学雑誌.9(1),38-46の中の論文「植物精油の直接接触および芳香暴露の抗インフルエンザウイルス作用に関する研究」です。

 

まずはyoutubeで解説

 

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ヒトの消化管吸収率と相関性のあるイヌの腎臓尿細管上皮細胞に24時間精油を直接接触し、下記の5種類の精油の細胞毒性を調べます。
・ユーカリ・ラディアタ
・ニアウリ 
・ローズウッド
・ティートゥリー
・ラヴィンツァラ

ユーカリ・ラディアタの細胞毒性が一番低く、30%濃度でも細胞毒性がなかったです。
この研究ではユーカリ・ラディアタが安全面から中心的に研究されています。

※インフルエンザ感染細胞:室温で1時間ウイルスを吸着、シャーレ内で48時間培養
※シャーレ:直径6cm,蓋との距離1cm

 

 抗インフルエンザウイルス作用の期待できる精油

 

■インフルエンザウイルス感染細胞に直接添加した結果

感染細胞培養液へそれぞれの濃度の精油を添加。37度の培養器で24時間培養後、
ティートリー(0.001%と0.01%):検出されず
ラベンサラ(0.001%):検出されず
ユーカリ・ラディアータ(0.01%):ほぼ90%減少
対照ウイルス量のほぼ90%あるいはそれ以上のウイルス量減少を示した。

 

 ユーカリ・ラディアタ精油の芳香暴露による抗インフルエンザウイルス作用

プラック用寒天培地を準備し、シャーレ蓋を下にした状態で48時間培養。

この間、シャーレの蓋中央に種々の精油を8滴滴下したろ紙(直径5mm)を置き芳香暴露。


ユーカリ・ラディアタを用い、

・ウイルス吸着中1時間のみの芳香暴露

・吸着中は暴露なしで以後培養に合わせた芳香暴露を開始

ウイルス吸着中1時間のみ芳香暴露:(0.01% 0.1% 1% 10%)変化なし

ウイルス吸着後に芳香暴露:0.1%以上で弱いながらもウイルスプラック数が減少(平均58→35.5)

 

吸着中は暴露なしで以後培養に合わせて芳香暴露+12時間後に精油滴下を追加し2回芳香暴露した場合:(30%)でウイルスプラック数(60→29.5)まで減少し、プラックサイズも極めて小さくなった。

 

マウスインフルエンザ肺炎モデルにおけるユーカリ・ラディアタ芳香吸入の影響

インフルエンザウイルスA香港型を経鼻感染させ、その日を感染0日とした。6週齢マウス(雄)を5匹/籠に分け、食餌、水は自由摂取とした。

ユーカリ・ラディアタ原液50μl(10滴)をケージ下の新聞紙に朝夕2回滴下して芳香暴露させた。

【芳香暴露期間】

A群 10匹:感染前芳香吸入(感染7日前から感染前日まで)

B群 10匹:感染後芳香吸入(感染時から感染後8日間)

C群 15匹:芳香暴露を行わない

※ケージ

・ケージ内に感染マウス

・床に滴下した精油

各群別に空調系が独立したマウス飼育用コンパートメント(縦×横×高さ:60cm、50cm、40cm)

 

精油の滴下のため、朝夕2回床換えしながら、同時に生き残ったマウス数を確認する。
マウス感染前7日間あるいは感染後8日間の芳香吸入群と無吸入群では、感染前吸入群が最も高い生残率を示した。

研究での考察では生体防御活性化により、宿主細胞へウイルスが吸着する前、あるいは吸着後に免疫細胞を介して、ウイルスの宿主細胞への吸着阻害作用を示したのではないかと考えられている。

 

ティートゥリー、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタは直接接触でインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、ユーカリ・ラディアタ芳香吸入でも感染予防効果が期待できる事が示唆された研究でした。

ただ、直接接触によるウイルス増殖抑制の効果は現行の治療剤リマンタジンと比べると1/100〜1/1000ぐらいの効果なので、アロマテラピーに頼るというより、あくまでもセルフメディケーションの一環としてとりいれて、実際に感染が疑わしい時は早めに病院にかかりましょう。


では、また次回のブログをお楽しみに(^ ^)

 

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