階段 | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 昨晩、スーパーからの帰り、自宅

 

マンションの階段を上っていると、

 

ぼんやりしていたのだろう、派手に

 

コケた。 ガタ! ドドド! バタ! 

 

と、自分でも驚くほど大きな音がし

 

た。 だが、派手な割に怪我はなく、

 

偶然、近くを通る家族連れの、クス

 

クスという笑い声が気になったが、

 

私は何事もなかったかのように立

 

ち上がり、再び階段を上り始めた。 

 

 

 部屋に入り、買ってきた物をテー

 

ブルの上に置き、しばし考える。 

 

ヘタをする

 

と、階段の角で顔面を強打してい

 

たかもしれぬ・・・。 いや、していた

 

だろう。なぜ強打しなかったのか。 

 

それは、スーパーで何気なく購入

 

したジャガイモ1箱298円のお蔭で

 

ある。 

 

 普段は1箱で物を買うようなこと

 

はないのだが、この日はなぜかジ

 

ャガイモ1箱が欲しくなり購入。 も

 

ちろん、それから数分後に階段で

 

コケることになるなんて知る由もな

 

い。 しかし私は見事にコケた。 そ

 

の時、咄嗟に右手に持っていたジ

 

ャガイモの箱で顔面をガードしたの

 

である。

 

 

 

 

 これは偶然だろうか。 私には何

 

らかの意思の力が働いたように思

 

える。 何らかの意思が、

 

 「勇者亀久よ。 このジャガイモ

 

の盾を購入し、顔面を守るのだ」 

 

と。

 

 コケるのも偶然。 普段は買わな

 

いジャガイモを購入したのも偶然。 

 

これほど偶然が続くだろうか。 ひょ

 

っとすると、これから始まる壮大な

 

物語の序章なのではないだろうか。 

 

 

 と、ここまで書いて、何らかの意

 

思が働いたのなら、まず、階段でコ

 

ケないようにしてもらえよ。 という、

 

もう一人の私からの突っ込みが入

 

った為、「亀久・オブ・シールド ~序

 

章~」 のプロット妄想中止。 偶然

 

に軍配。

 

 今は、たくさんあるジャガイモを、

 

どのようにして食べるか思案中。

 

 

 

 

 

亀久

 

 

 

 

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