中学生・義務教育最後の美術の授業(その1)

 秋田の田中真二朗さんの中学校(大仙市西仙北中学校/千葉雅一校長先生)に義務教育最後の授業を見てきました。義務教育の最終段階の姿に、美術による学びの集大成を見るためです。生徒たちには自分の表現したい(こうしたい!)ことをもとに、誠実に表現に取り組んでいました。3クラスの参観をしましたが、生徒たちにインタビューするとどの生徒もその表現の意図や思いをしっかり語ってくれました。
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田中さんは授業中はずっと笑顔。教師が本気で若い人たちの表現に興味を持ち、応援しているからです。
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時には生徒と一緒に考えたり、試してみたり。ごく自然に、支援をしています。




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題材が「自分ごとになっている」と感じます。それは美術の授業において非常に重要なことです。義務教育の最終段階、ここまで育っていたら、生涯を通して美術を楽しんでいくでしょう。
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私がインタビューすると、丁寧にお話ししてくれます。そこには、自分のこう表してみたいというコンセプトがあるからです。
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「なるほど、よく考えついたね」って生徒の表現に感心していたら、田中先生が彼の他の作品を持ってきて見せてくれました。生徒の表現を一題材だけでとらえていないからです。
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生徒たちはいろいろなことを話してくれました。「美術って、正解がないじゃないですか。だから面白いんですよね」「美術の時間って、いろいろな教科で学んだことを発揮できるから、すごく好きなんです(自分の今回の作品は数学の力を使っているんですよね)」「自分の中学校のときの嫌な姿をつくりました。ほんとダメに人間にだったんですけど、新しい自分になります。そのための作品です」「人のために役に立てる人になりたいという意味でこの作品を考えました。将来は、お医者さんになりたいんです。」「自分の存在証明ということで名前の由来から考えてみたんです」「最後の作品は、義務教育9年間の思い出をふりかえってつくりました。すごく楽しいです。」

*なお、このような記事が成り立つのは、校長先生にブログでの掲載許可を得ているからです。ありがたいことです。

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by yumemasa | 2020-01-28 21:48 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明