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イノベーションと探究心

2020-01-05 | ★楽しい経営!楽しい仕事!のススメ
■「イノベーションは、このような形で突如現れる。」

写真は元旦の新聞広告で目にした大日本印刷さんの広告です。

新幹線の車内広告で見かけた方も多いのではないでしょうか。


 「その時、観衆は妙なものを目の当たりにしました。
  なんと一人の選手が、両手を地面についたのです。」

 「今やあたりまえと思われているクラウチングスタートは、
  第1回オリンピック競技大会(1896/アテネ)で、ある一人の選手が登場させました。
  彼は、その革新的な走法によって、金メダルを獲得しました。
  このようにイノベーションは世の中に突如現れ、
  最初は奇異に見えることがあります。
  しかし、それが新たな常識へと変わり、
  世の中のあたりまえになっていくのです。」


最後に

 「DNPは、まだ見ぬ「未来のあたりまえ」をつくるために、
  印刷と情報の力でイノベーションを目指し、今日も挑戦を積み重ねています。」

 「DNPは、東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナー
 (印刷サービス)です。」

  ----と、自社のPRもついているわけですね。

印刷業界も、パソコン化、IT化、ペーパレスの時代、エコ意識の高まりなど
ずいぶん前から大きな逆風にさらされっぱなしですが、大日本さん・凸版さんの大手二社を
中心にさまざまなイノベーションで、価値創造を続けています。

もちろんこの先もまだまだ厳しい道のりではあるでしょうが、
ヨハネス・グーテンベルクが発明したといわれる活版印刷技術、その印刷革命が
もたらしたイノベーション。

そういった業界に生きる企業がどんなイノベーションを打ち出してくれるのか、
興味深いですね。


■日常のなかでの探究心と鍛錬があってこそ

この広告はパッと見、変わり者がイノベーションをもたらす、みたいなニュアンスで
引き取りがちですが、実際にはもっと奥深いメッセージがあるように思います。

「観衆は妙なものを目の当たりにしました」---こうキャッチーに書いてあるので、
そっちに引っ張られがちです。

確かに、現代の五輪のように、ドラマチックに、その選手の生き様や練習風景、
苦労や練習模様を物語のように、ドキュメンタリーのように扱ったものは無い時代
だと思います。

だから、この選手のこれまでの過酷な練習・鍛錬、そのなかでの探究心や試行錯誤について
「観衆」は知る由もありません。

なので「妙なもの」を「目の当たりにしました」というのは事実かも知れません。

どちらかというと、のちに「クラウチングスタート」と呼ばれるものを
初めて試した変わり者というニュアンスを感じ取ってしまいます。

しかし、この広告の奥深くにあるものはそうでは無いような気がします。

この選手がこのスタート法を編み出すまでの試行錯誤、
そして、それを実際の大会で使うまでには相当な努力があったはず。

そうでなければ、コーチもこれを認めないのではないか。
こんな変わったスタートで、もしも勝利できなければ、
周囲に「何であんなスタートをしたんだ!」と責められるかも知れません。

そんな中での、オリンピック本番、男子100mの決勝です。
(しかも金メダルをとったらしい!)

でも、よく見てください。

この選手の体つき。
どう見てもこの選手の体格、筋肉が他の選手よりも鍛えられている
(クラウチングスタートの姿勢をとっているからかもしれないが)気がする。

ここまでの努力。
現場での練習を並行したうえでの、さらなる進化へのチャレンジ。

そういう位置づけでのクラウチングスタートということではないか、
そんな気がします。

私たちも、変わりたい、変えたい、何かあっと驚くイノベーションがないかな、
そんなことをついついアタマのなかだけで考えがちです。

だからこそ、日常のなかでの鍛錬が大事、探究心が大事なんだと思います。

自分のスタート。
あたらしいスタート。

いろいろ試行錯誤していきましょう!

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