つらかったら3人で泣こうよー竜の道最終話・後編② | ナチュラル・ビューティ

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 → 竜の道・最終話前半

 → 竜の道・最終話後半①

 

 

 

 

「エニウェイズが最終契約を引きのばしておりましての。

どうも、様子がおかしいんですわ。

 

矢端さん、なんか知りませんか?」

 

 

「ええ。ご心配なら大臣にさぐりを入れてもらいましょうか?」

 

竜二はとぼけますが

源平は、竜二が何かをした、と分かっている様子。

 

「気つけてくださいよ。余計な動きは命取りですけえ」

 

キョロキョロ 源平さんの裏調査班ってボケなんかな? 

 

こんな悠長にハンコ押してるってことは、吸収合併のことは知らないみたい。竜二が取締役会まで大々的?に開いているのに、竜二が“何かしてる”って事しか分からないなんて。

 

 

 

その後、源平さんは竜一に会いに行きます。

 

「すみませんね。こんなところまで」

「死んだはずの人間に呼び出されてはの。……どういうつもりですかいの?和田さん」

 

矢端竜一で呼び出したので

和田猛が出てきたのはおかしい、と言う。(その割にドアを開けた時、驚いた顔をしないのが知っている証拠)

 

 

「顔を変えたんですよ」

 

その後、竜一は、源平が自分たちの家族にしてきたことを語り

 

他にも汚い手で、乗っ取りをし、経営者を自殺に追いやったことを責めます。

 

しかし、源平の哲学?

 

法を犯さなければ、証拠がなければ、何をしてもいい。

 

会社というものは、自分の子供と同じ。

 

親の力不足で、子供を他人に盗られたなら死んで詫びなければならない。

 

―というのです。

 

 

「でも、アンタ、ずーーと、苦しんどったんじゃろ? これで許してもらえんか?」

 

土下座をします!

 

 

びっくり え、そんなすぐに?! 半沢直樹だったら、ものっすっごい、土下座するのに時間かけるんですけど!

いや、箕部幹事長(柄本明) は土下座すれば解決じゃ、の精神だったな。ああ、頭が半沢モードだわ。

 

 

「ふざけんなっ!」

 

竜一は叫びました。

 

 

「ふぅーー

 

許せんいうやったら仕方がない。

 

茶番はここまでじゃ」

 

急に態度を変えて、椅子にふんぞり変える源平さん。

 

びっくり やっぱ、ふざけとったんかーい?!

 

ううん、源平さんは、懐柔作戦をちゃんと取ったんだよ。 地上げ屋じゃないけど、最初は懐柔、次は脅し、などなど、実業家は色々と駆け引きが出来ないといけないからね。 こうやってみると、彼がのし上がってきた力があるのが分かります。

 

 

 

「アンタ、沖、いう男に脅されとったらしいの?」

 

「アンタについて色々調べとったら  

 

沖がつきまとっとる、いう報告がきたけえ

 

本人に聞いてみたんじゃ」

 

 

キョロキョロ 全部見終わった今でも分からないのがコレ。

和田猛、を調べる重要性が、源平さんの中では、なんでそんなにあったのか?

 

自分を狙っていたのは分かっていた、と言いますが……

多くの敵の中で、和田は(晃をつかって)自分を脅かした、ということが琴線に触れたのか。

 

でも、いつから監視したんでしょう?

 

社長おろしのクーデターの後から?

二見さん事件から?

 

 

「アンタがわしに復讐するために、人を殺した、いうこの記事をの」

 

竜一、大衝撃です!!!

 

「アンタ……全部、知ってたのか……」

 

「安心せ。このことは、わしの心のうちに納めとくけ」

 

キョロキョロ じつは、源平が、竜一の犯罪を知っている、ということは、とても重要なことなのです。

全部、見終わったあとで考えると、ここで竜一の明暗が分かれた、という瞬間だった。

 

「あー  ついでに、エニウェイズの件で、竜二がなにやら、ちょろちょろしとるらしい。

この記事だされとーなければ、大人しーしとれ、言うといてくれんかの」

 

 

なにやら、ちょろちょろ!?

 

やっぱり、詳しいことは知らないんだ。

 

もう、源平さんの裏調査って、粗すぎる。

 

竜一のことも

沖が付きまとっていることまで知ってたなら

 

竜一が沖を着けてとか、殺ったとか、美佐と会ったとか、曽根村んちに行ったとか…… 

 

でも、そっちは知らない??? ( ̄ー ̄)~

 

 

「わかったか。この世は、法の目かいくぐって相手の先をいったもんが勝つんじゃ。

弱いもんが強いもんに喰われたって、なんも文句は言えんのじゃ」

「気の毒じゃったの」

 

「ぅあ"ぁぁぁぁぁーーーーーー」

 

キレて銃を取り出した竜一。

 

「殺して終わりか?……やっぱり負け犬の子供は負け犬じゃの」

 

ここまで言われたら撃てませんよね。 

殺して終わり、なんて、そんなの復讐失敗だもの。

 

 

「これで、キシリマ急便は、にっぽん一じゃ」

 

不敵に笑って源平は部屋を出ていきました。

 

ズルズルと崩れ落ちた竜一。

鏡の映った自分を見て、怒りと絶望で叫びながら、鏡を割りました。

『本当の顔を失ってまでやってきたのに……そして、この顔が失敗したのだ!』

 

 

美佐の元に凛子さんから電話がかかってきました。

 

「社長の居場所をお伝えします」

 

横浜の海辺に竜一はいました。 (凛子さんのGPSは竜一を常に把握できる)

 

いったい、竜一は海辺で何をしていたのでしょう?

 

ただ、竜一の生きていることだけを願っていた美佐。

 

そこには、復讐の成功も失敗も、全く関係ありませんでした。

 

竜二も同じ。 復讐より竜一の存在が大事。

 

 

その頃、源平はまゆみに、新しい見合いをすることを勧めてきました。

 

まゆみは、そこで竜二の復讐が失敗したことを知ります。

まゆみは、自分と源平が似ていて、どうしてそんなに自分勝手で弱いのか、やっと分かったと告げます。

 

「愛を信じないから。だから誰の事も信用できない。

 

ホントはお母さんの手紙、アンタの心に届いているんでしょ? でも気づかないフリをして、自分のことで精一杯。

 

だったらもう、アンタはひとりでいたほうがいい」

 

 

「矢端竜二はオマエを利用しているだけじゃ。愛なんてないぞ」

 

「いいの……あたしの中にあれば、それで」

 

 

まゆみは真実に辿りつきました。

 

あたしの中に愛があれば、それでいい。

でも、やっぱり竜二が好きだった……

 

 

「さよなら。……お父さん」

 

最後にそう言って、まゆみは家を出ていきました。

 

 

 

「復讐すれば関係ない人間も巻き込む。そんな事分かっていても、それでもやらずにいられなかった。

 

俺のせいで、おまえらの人生も狂わせた。……結局俺は、もう終わりだ」

 

「止めるのか? ……なら、俺ひとりでやる。

俺の計画を実行すれば源平をキリシマ急便から追いだせるんだよ」 

 

「その代わり、源平が沖の記事を出して、おまえら殺人犯の家族だってこと世間にバラされる。

どんだけの代償払うか、分かってんだろうな」

 

「マスコミに追い回されて国交省を辞めることになるだろうな。

美佐も教師じゃいられないよ」

 

「分かってんなら止めろ。

何のために俺がいままでやってきたと……」

 

「美佐と俺を守るためだろ!!

オマエ、いつもそうだもんな!?

 

汚い仕事は全部てめえで引き受けて、俺にさせようとしなかった」

 

「最初に決めただろっ! オマエが表で、俺が裏だって」

 

「そういう意味で言ったんじゃねーだろっ!?」

 

 

やっと、ここでふたりの見解の相違が明らかになりました。

 

 

竜一は、“表”にいる、ということ=汚いことはしていない、という見解です。

 

でも、竜二は表でじゅうぶん汚いことをしています。それこそ、法にひっかからないだけで。

 

半沢直樹じゃないけど、表であっても、汚い政治家や実業家はわんさといる。

そういう世界の“表”です。 表といっても権力の世界。汚いことは山ほどある

 

そっちは、裏の犯罪と、質が違うだけ。

源平がいう、法にひっかからない犯罪の世界。

 

竜二は、質は違うけど、竜一と同じように、自分には罪がある、と思っていました

 

でも、竜一は、竜二には自分のような重い罪が無い、と思っていた。

 

 

ムキー だから、私は、ふたりでもっとちゃんと話せ、って言ってたのにー!?

 

 

「それが…… おにいちゃんの心の支えだったんだね」

自分がいくら汚れても、竜二くんが日の当たる道を堂々と歩いてくれることが。

 

曽根村さん、って人が言ってた。 おにいちゃんは自分の中で、私や竜二くんが笑っていないと生きていけない、って。

 

私はね、ずっと笑って生きてきたよ。

お父さんとお母さんが自殺しちゃっても。 おにいちゃんが死んでも。 それが、おにいちゃんとの約束だったから。

 

でも、ふたりが苦しんでいることを知って……それでも、笑ってはいられないよ」

 

 

ショボーン 美佐、的確に竜一のことを理解しています。 竜一の勝手願望と、実際はどうだったかの違い。

過去と現在では状況が違っていること。 そして、自分の意思があるのだということ。

 

ふたりが苦しんでいるのに笑っていられない、助けたい、という意思が今あること。

 

「これからは3人で分け合いたい。私たちはずっとそうしてきたから」



「つらかったら3人で泣こうよ」

 

「おれは、最初っからそう言ってる。
竜一のしたことは全部おれも背負う」

 

 

…………

…………

…………

竜一の目に光が戻りました。

 

何か大きなことを成し遂げるのに、他者 (弟妹)の協力は欠かせない条件なのでしょうね。

 

美佐と竜二の意思 (世間からのバッシングを受けても、竜一の道を貫いて欲しいという)

を知って

 

源平への最後の復讐計画が、再始動されました

 

はじめて双子が並んで、源平と対峙しました。

 

【つづく】

 

 

おおっ! 先が見えてきたわ。

あと、1話で終われ……そう? かな?

 

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