新型コロナウイルスの感染が確認された香港人男性(80)が乗船していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を巡り、同船が男性の下船後に那覇港を訪れた1日、乗客2679人の多くが一時的に船を降り、沖縄県内の市街地で観光していたことが分かった。

ダイヤモンド・プリンセスの乗組員の流れ

 4日の那覇港管理組合議会(崎山嗣幸議長)で、組合側が明らかにした。客らは観光バス4社7台とタクシーなどで移動したという。行き先は分かっていない。

 クルーズ船は4日午後10時現在、乗船者に感染の可能性があるとし、那覇港の次に向かった横浜港で停泊している。乗客と乗組員合わせて約3700人の検疫や、香港人男性との濃厚接触や症状を訴える人のウイルス検査が続いている。

 同船は感染が確認された香港人男性が香港で1月25日に下船後、ベトナムなどを経由し、那覇港に2月1日午後1時半から午後11時ごろまで着岸した。

■下船後22人は飛行機で県外へ

 厚生労働省那覇検疫所の検疫官が船舶内で乗客・乗務員計3722人に検疫し、サーモグラフィーによる体温測定を実施した後、多くが一時下船し県内を観光した。発熱状態で下船した客はいない。

 乗客13人と乗組員9人の計22人は下船後、そのまま飛行機で県外にたった。

 関係者によると、4日現在、県内に滞在する乗客や乗組員はいないという。