怪談14物語

 

 

固定資産税、区民税の納付書が届く。
まもなく健康保険料も、か。やれやれ。

 

玄関先の終わりかけのパンジーの鉢植えに
ド派手な毛虫、発見せり。ツマグロヒョウモンだっけ。
グラムロックな毛虫だぜ。


青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集2』岡本綺堂著を読む。

百物語形式でリレーで語られる12の怪談と
「単行本未収録」の2つの怪談から成る。

お気に入り3作の感想をば。

 

『猿の眼』
「引き手茶屋」を廃業して道楽の俳諧で喰っていこうとした男。
趣味の書画・骨董の大半は処分したが、
「木ぼりの猿の仮面」は手放せなかった。
猿の仮面の眼から放たれる青い光が不幸を招く。
イリアム・ ウイマーク・ジェイコブズの名作怪談『猿の手』にも
どこか通じるような。

 

『一本足の女』
物乞いの少女。薄汚れた身なりだが、よく見ると美しい面相。
彼女は「右の足が膝の上から切断」されていた。
憐憫の情から引き取る侍。
聡明な美少女に成長する。
藩が取り潰しとなって浪人の身となる。
ある夜、妻となった娘から刀についた血をなめさせてほしいと。
男は人を斬り続けては妻に血を与える。
やがて男は捕らわれる。一本足の女は、
一本足でありながらすばやい逃げ足で消える。
漂う、フェティッシュ・モード。

 

『笛塚』
「祟られた笛」だが、その音色は素晴らしく、
笛好きの心を惑わせる。
手に入れるためには手段を選ばない。
取り憑かれた笛の恐るべき謂れは。
物好きの数奇な人生。

 

「三本足の蝦蟇」「青蛙」が道端にうずくまっていればいいのに。


人気blogランキング